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いよいよ明後日まで。続報「日本酒の自然誌」@伊丹。行くべし(ちょっと遠いけど)

2018-01-26 12:38:27 | 附属酒類経済研究所
                           
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そうそう、先週金曜日にお寄りした、伊丹で開催されている「日本酒の自然誌」という企画。

翌日、感動冷めやらぬ(ちょっと大げさ)うちに記事にして、「以下次号!」的に中断していましたが、企画自体が明後日までとなりました。



この面白い企画を皆さんに、ということで、ちょっと思い付きですが、面白かったこと、感じたことをメモってみましょうか。


まずは、単純に「面白い」のは、日本酒のラベルに登場する色々な生物について、そのラベルと共に実物(剥製等)が見られること。



鯛の尾頭付き



泉橋さん。夏の田んぼのトンボ・ヤゴをモチーフにしています。


お仲間の小泉商店さんご懇意の出羽桜さん



まあ、この辺りまでは、博○堂さんとか、電○さんとか広告代理店さんも「インスタ映え」企画で考えそうなことなのですが、さすがにこれを持ってくるのは博物館系ならでは、と思ったのは、


こちら

オオサンショウウオ、です。

また、モノ以上にさすが、と思ったのは、研究員の方のご説明。

このラベルには、単にサンショウウオをモチーフにしただけでなく、アミガサタケなどの植物、そして水辺環境や(活動する)季節感など、生態系全体が良く描かれている

そうです。
(その方のご専門が水生生物らしい)

この辺りは言われなきゃわからないですよね。なるほどです。


こういう説明、他にも、絶滅(危惧)種としても展示してありましたね。


この前お世話になった山猿さん
(永山社長には報告済み。この週末、寄ってみようか、とおっしゃってました)


また、ラベル以外も、前回ご紹介した地下構造・地下水だけでなく、日本酒を巡る生物としてコメ(稲)の説明や、


こんなのも


これ、菰樽に巻かれる菰(薦/コモ)です。


「コモ」って、万葉集はじめ昔の歌にも出てくるし、水辺の植物だということは知っていたのですが、菰樽の菰だったんですね。


これも「へぇ~」です。

なんでもコモ巻き体験会もあるようですね、行ってみたい。


いやぁ、素晴らしい企画です。しかもタダ。


でも、あまりほめ過ぎなのも褒め殺しになってしまいますので、最後にちょっと注文もつけさせて頂きましょう。


①説明がないのがもったいない
お酒のラベルと生物の話も、基本的にはラベルと名前と実物のセットで見せるようになっていますが、上に書いた、オオサンショウウオの生態系のような、研究員さんの説明などは記されていません。
生物のプロならではの視点が、博○堂さん達との差別化なので、その辺りはもうひと手間かけても。


②紙が無いのがもったいない
上記とも関連するのですが、内容もそうですし、展示物一覧とかも紙になっていないようです(チラシは頂きました)。ネットでも良いので、それがあると「復習」に役立ちます。
(そもそも、生物・自然物を使っているラベルの日本酒一覧、というリストだけでもウチの業界的には資産です)
⇒ただ、facebookかな?こんなのがありました。「刷り物」にすればよいのに。

●古くから日本酒ラベルに登場する生物
 鶴、亀、梅、松、菊、鹿(6種予定)縁起物、代表的な日本酒ラベル
●近年の日本酒ラベルに頻繁に登場する生物
 鯛、蝉、蛍、桃、杉、柳、竹、柏、菱、鶯、白鳥、鷹、梟、蛙、虎、熊(16種予定)
●絶滅種や希少種をモチーフにした日本酒ラベル
 雷鳥、朱鷺、雁、魚竜、鸛(こうのとり)、獺(かわうそ)(6種)※魚竜は化石
●一風変わった酒ラベル
 鯨、人鳥(ぺんぎん)、楚蟹(ずわいがに)、水母(くらげ)、兜虫、山椒魚、金、水晶、琥珀、黒曜石、菊石、翠玉(12種予定)※菊石はアンモナイト化石、翠玉はエメラルド



③お酒の説明で必ずしも正確でないものがあったのが残念
これはパネルではなく、(お酒好きの-かなりのマニアさんのようです。銘柄などは自分よりもご存知だと思う)研究員の方の御好意での説明なのでとやかく言うべきではないのですが、「沖縄には日本酒がない」という説明をされていました。
実際には沖縄にも「黎明」という日本酒があります。
一般の方は、研究員(や大学の先生)などの説明は、ご専門に係わらず正しいと思われる傾向にあるので、この辺りは要注意。
(ちなみに、クイズなどでよくあるのは「鹿児島には日本酒が無い」というものですが、最近、鹿児島でも日本酒を作り始めたので、これも今は間違い)


④東京での巡回展が無いのが残念

この企画を行っているグループの中には上野の科博などもあるので、東京には来ないの?と思ったのですが、今のところ予定はないようです。
「雰囲気のある場所」という問題もあるようですが、上野には江戸・明治期の酒屋を利用した資料館があったり、あるいは東京駅の東大の博物館のメディアテークなども「逆張り」で面白そうですし。
やってくれれば、お酒分野のご説明等はご協力するのに。。。。


⑤お酒が飲めない
⇒冗談です。呑まずに真剣に観ましょう!


と、言いたいことを言いましたが、素晴らしい企画、でした。
冒頭にも書きましたが、この企画、いよいよ明後日まで。




タヌキも待ってます!!!




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