牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

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顔の見える商い、顔の見えるものづくり

2008-05-27 10:38:04 | 附属酒類経済研究所
神戸で開催されていたG8の環境相会合が昨日閉幕。

洞爺湖サミットの前哨戦として位置づけられていたこの会合、主題はもちろん二酸化炭素をはじめとする温暖化ガスの削減
数値的な取り扱いにどこまで踏み込めるかが一つの課題でしたが、うーん、という結果となりました。

ところで、本日のインテリジェントロビー・ルコのランチメニューはコレ。


さて、温暖化対策に戻りましょう。
現在、弊社でも事業活動に伴い発生する二酸化炭素の量の計測を進めているのですが、ご懇意先のサッポロビールさんでは、さらに進んだ取り組みを進めておられます。

それは、商品単位でのLCA(ライフサイクルアセスメント)です。

最近、よく耳にする言葉ですが、要は、商品の製造から物流、廃棄に至るまで、「ゆりかごから墓場まで(=ライフサイクル)」全ての過程での環境負荷等を計測すること。


「黒ラベル」の大瓶の、各プロセスのCO2発生量の計測結果が示されています。


原料生産が25%、容器等が17%、製品製造が49%、輸送が9%ということです。製品製造が半分近く、というのはなんとなく実感できますが、原料生産が思いのほか多いようです。
なお、一本当たりのCO2の排出量(2005年)は188gで、これは2003年に比べ約15%削減されたそうです。

また、同じ「黒ラベル」でも、350ml缶は、容量の大きい大瓶に比べ缶や包装資材の分などで相対的に排出量が大きくなる傾向にあり、2005年数値で179gと、大瓶とほとんど変わらない数値。

なんでも、缶ビールの場合、全体の約四分の三が缶を含む包装資材起源とのことです。瓶のリサイクル・再利用というのは効果あるんですね。

さて、数値の多寡もさることながら、そもそも数値を出すこと自体、大変なことです。
と、言うのも、ビール工場でのエネルギー消費量等は工場の電気メーターなどから比較的容易にわかりますが、「大麦を作る時のトラクターの燃料消費」とか、「世界各国からのホップの輸送」とかになると、大変だし、そもそも、「どこで」「誰が」「どのように作っているか」が分からないと評価のしようがありません。


その意味では、原料農家から始まり、工場、その先の物流(我々も含まれる、のかかな)まで、全てのプレイヤーの顔が見えていないと出来ないこと。

この推計でも、『協働契約栽培』を行っている強みから、肥料や農薬の投入量、農業機械の燃料使用量、電力使用量など、原料生産プロセスでの物質投入量やそこからの輸送量を把握したらしいです。



それが出来るのはやはりお金ではなく、顔を見ながらの商いをされているサッポロビールさんならでは、でしょう。
(ちょっと褒めすぎ?、、、この前も褒めちゃいましたし

折りしも今週末からはビール会社連携でのビールデン・ウィーク「ビアフェス2008」が開催されます。
黒ラベル(できれば瓶ビール)で乾杯!!といきましょう。

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