牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

三世紀に亘り問屋を営む升本総本店の徒然を毎日更新!!商品情報からビアガーデン・試飲等イベント情報、酒文化経済・書評等々!

神楽坂ワイン(マイタウン神楽坂)の物語

2008-04-14 10:14:51 | 酒のご紹介
1980年代というのは、高度成長、安定成長の延長上、バブルに向け、戦後の「坂の上の雲」に登りつめた時代。
何かしら現在に通ずる軽薄さや世界の枠組みの大変動。そして、現在にはない希望と過度の自信。
この本は、そんな時代を同時代に生きた政治学者がつづる、興味深い本です。

と言っても今日は本の紹介ではありません。。。。

今日の神楽坂涵清閣、順位はいかに?

そんな1980年代の初頭、今を去ること四半世紀前。

神楽坂の名も、(特に戦前を知る人以外は)まだまだ全国区ではなく、東京めぐりのガイドブックでも、小さな小さな扱い。
街もまだまだ静かで、神楽坂通りもお肉屋さんや八百屋さん、果物屋さん、酒屋さん、文具屋さんなどの生活の品を売る店の中に、ちょっと洒落た洋食屋さんや甘味処、足袋屋さんなどが並んでいた頃です。

(※すいません。このお写真、ネットから拝借いたしました。借用の連絡中です)

ワインも「ちょっと身近になったかな?」という時代。

当時、弊社倉庫が100年以上蔵のあった場所から移転したこともあり、地域-神楽坂・飯田橋-の酒卸ということで、何か記念に、と考えた役員がおりました。

神楽坂と言えば、明治期に、関西に先駆けあの灘の銘酒「白鷹」を見出し、伊勢神宮の御料酒にまで育てた目利きの街。
現在も伊勢藤さんをはじめ、白鷹が根付いています。


料亭・芸者街とも併せ、そんな「和」の伝統が息づく神楽坂のもう一つの顔は、
今はない洋食の田原屋さんなどの文士の集まったカフェ、日仏学院、ブリティッシュカウンシルなどが醸し出す、ハイカラな街。

和の心で醸した「白鷹」に対し、そんなハイカラさんの心で何かお酒を、と、いうことで、ご懇意のサッポロビールさんと相計らい企画したのが、このワインです。

マイタウン神楽坂。「神楽坂ワイン」という名のほうが有名ですね。


神楽坂ブランドのパイオニア、とも言えるこのワイン、当時はご当地ワインを訪ねるラジオ番組とも連携、番組の初期の頃に紹介され、話題となりました。

ラベルの意匠を選ぶ際、「神楽坂の象徴は?」と路地や黒塀、毘沙門天等議論百出。その中で、「坂と人があってこその神楽坂」と、神楽坂下、人々が行き交う風景をイラスト化致しました。


絵柄全体はイラストレーターの方が描かれましたが、夕日部分は当時のサッポロビールの宣伝室の現職S部長がご担当。
夕日がどう見えるか、現地取材を何度も重ねた力作で、特に「ぼかし」は当時の技術では難しく、今でも思い出深いラベルだそうです。

味わいの詳細はこちら
今なら「チリのワイナリーで無農薬協働栽培で」とか凝りに凝ったつくりになるのでしょうが、時代は四半世紀前
「ご家庭で気軽に楽しめる味」として企画され、以来、皆様に親しまれて参りました。気軽で気さくな神楽坂、です。

神楽坂みやげに、お使いものに、神楽坂近辺の酒販店さんでお求め頂ければ、と存じます。
(遠方の方のロット購入や、一定量の箱入り贈答用については弊社でも別途承ります)

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牛込・神楽坂 酒類卸 升本総本店
http://e-masumoto.com/default.aspx


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