Saitolab 「なにもせんほうがええ」

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キング化学 黄金カイロ

2019年10月19日 | 黄金カイロ
ベンジンカイロ愛好家としてはその存在が気になっていたキング化学の黄金カイロ。ようやくコレクションに加えることができた。パッケージの仔細をチェックしていく。先ずはナショナル黄金カイロとの意匠の酷似に関して。キング化学のパッケージの製造元:松下電器産業株式会社 発売元:キング化学株式会社の表記にて解決。キング化学は松下へOEM品として発注していたのだ。「黄金カイロ」の商標はそのまま使用されている。そしてナショナルとキング化学のカイロで最大の相違点は火口の点火方式。ナショナルは電池点火式を採用し火口に仕組まれた電熱線で触媒を加熱しているのに対しキング化学のカイロでは点火芯へのマッチ点火となる。憶測ではあるが電池点火のライセンス料を避け製品コストを下げることからキング化学は敢えてマッチ点火式を選択したのかも知れない。因みにナショナルの黄金カイロ取扱説明書にはマッチ、ライターによる点火は禁止されている。煤で火口を痛めるというのがその理由。試しにナショナル黄金カイロの火口をキングにセットしてみたがぴったり収まった。その他両社の製品の違いは蓋のプレス抜き穴と刻印程度。同じ製造工程で製造されていることが見て取れる。敢えて違いを探すなら表面処理や板厚がキング化学では少しチープ。ギリギリまで単価を下げる努力を感じた。面白いのは化粧箱の側面イラストまで同じタッチだった。松下のデザイン部署が版下作業までを手伝った模様。また、キング化学の製品取説のパーツ番号などから入手したカイロは1975年製のように読み取れた。残念ながらキング化学は2009年に株式会社白元に吸収合併され解散した。キング化学を調べてわかったことは同じ業種の白元やアース製薬など民事再生、合併吸収などの文字が並ぶ。アースの業績報告書には「破壊的改革」が謳われている。身につまされる思いがよぎる。

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