あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

上越国境 三国峠から谷川岳への縦走(群馬・新潟)[44年前](後半)

2016-08-13 14:42:32 | ハイキング
 昭和47年(1967)8月12日(土) 快晴後晴一時曇

 宿泊した平標山の家では、3時半頃から群馬パーティは起きて外でラジウスで朝支度に。
次いで新潟パーティなども起きだし、寝不足ながら私も4時半頃には起きる。すっかり晴
れ上がり、昨日は見えなかったはるか彼方まで見通しが良い。御来迎前の朝焼けをカメラ
に写す。
      

 5時半には朝食が出来上がり食べる。早立ちは茂原のHさん、4時半には宿を出て平標
山(たいらっぴょうやま)に上がる。次いで群馬、所沢の人、新潟と続き、トイレに行っ
ている間に皆出発してしまい、ラストで5時23分に出発した。

 男性組は皆、平標山頂に上がらずトラバースして仙ノ倉山へ向かったが、私はせっかく
なので山頂へ。オオシラビソの林と湿った草原、南方はるかに浅間山がはっきり。草原と
クマザサをひと上りで1,983.7mの平標山頂に着く。


 北に土樽、松手山への下り道、草原に池塘(ちとう)が3つ4つ、そして東から北の越
後側はびっしりと雲海が目の下に。1,500mくらいから上は良く晴れていて、巻機山や
八海山などもはっきり望める。




          平標山頂から西方、苗場山↓の展望

 宿を出るときは寒かったので、長ズボンと長袖シャツだったが、暑くなったので山頂で
半袖シャツと半ズボン、それにパンツも代える。先発隊はひとつ向こうの仙ノ倉山辺りに
もう着いているが、展望が素晴らしいので写真に時間をとられ後れをとる。


 仙ノ倉への道はのびやかな草原で、まだつぼみのリンドウなど高山植物が多い。


 平標山~仙ノ倉山間に咲くヒメコゴメグサ


           仙ノ倉山中腹からエビス大黒の頭
          

 緩やかな上りの仙ノ倉山(2,026.2m)は谷川連峰の最高峰。


 ここからエビス大黒にかけて今日の展望が最高で、南に笠雲の富士山から秩父連峰、八
ヶ岳、浅間から続く湯ノ丸方面、南アルプス、近くは白砂、沙武流など上信越国境、苗場
山へと続き、さらに北に向かって雲海の上に越後大源太山、巻機山、八海山、朝日、白毛
門方面、そして東に尾瀬、日光方面から広い裾野の赤城、近くは大峰山、南に榛名、妙義、
荒船と中部山地の山々が全望できる素晴らしい展望である。

 仙ノ倉山頂から赤城山方面


 仙ノ倉山頂から万太郎山、谷川岳方面



 すぐ東の三角のピラミダルなエビス大黒ノ頭↑へは、かなり急に感じられたが、行って
みるとそれほどでもない。

 エビス大黒の頭付近に咲く花


 エビス大黒の頭から巻機山方面


 エビス大黒の頭の下りから見る万太郎山


 途中にカマボコ型の避難小屋があり、草原にはクマザサが茂り、ハクサンフウロや白い
花などの咲くお花畑があり、コバイケイソウはもう枯れかかっている。

 避難小屋からふり返るエビス大黒の頭と仙ノ倉山


 群馬側に岩頭を見て、トリカブトなどの咲く草原を行く。もう万太郎山から仙ノ倉山へ
の緩やかな稜線も見えてきた。越後側の雲海もだんだん千切れて、はるか下には上越線の
土樽か中里方面の線路なども望まれる。

 毛渡乗越から万太郎山へは、緩やかだが長い上り道。途中で新潟のパーティを抜き、写
真もだいぶ撮ったので、一気に万太郎山へと上がり、先着の所沢氏と群馬パーティに追い
つく。群馬パーティにはかなり疲れた人もいるようで、ここで両者を抜いて一気に下る。

 万太郎山頂から一ノ倉と茂倉岳


 万太郎山下りから大障子方面


 予定では左への吾策新道を下る予定だったが、時間が早く天気も大丈夫そうなので谷川
岳まで行くことにする。1時間先発のH女史は依然見えず、皆もその早さに感心していた。

     お花畑に咲く花
    
    シモツケソウ(少しボケ)      ハクサンフウロ

 大障子への下り道、右手にあったカマボコ型の避難小屋には、落ち葉が敷いてあった。
小障子の小ピークは知らぬ間に過ぎ、休まずグングンと次のオジカ沢ノ頭まで雄大で長い
上りのクマザサなどの草原を行くと、はるか先にH女史の姿が見えたが、ガスに消える。

 そろそろ一面に曇って時折ガスが撫でる。汗もあまりかかず途中で水を1杯半飲んだだ
けで、長い上りを一気に上がり着くと手を振る姿が見え、11時23分にオジカ沢ノ頭へ。
ここにも肩にりっぱな避難小屋があった。

 Hさんは30分ほど前に着いて昼食もとり、ガスの晴れるのを待って振り返る縦走路を
カメラに納めようと待っているとのこと。私もここで、宿で作ってもらった弁当を食べる。
2つの握り飯は手にくっついてベタつく。

 そのうちに後続のIさんも上がって来て単独行3人が合流し、レモン、あめ、チョコレ
ートなどを交換しあってゆっくり休憩した。ガスの晴れ間に、たどってきた縦走路は時折
見える程度で、谷川岳方面はガスで見えない。左手の万太郎谷には、りっぱな滝が見える。
長く休んでいると風が冷たく感じられる。

 1時間の大休憩をして、3人揃って谷川岳へ向かう。ガスで展望はあまり利かなくなる。
岩の間にハクサンフウロやトリカブト、シモツケソウなどが花開き、疲れを癒やしてくれ
る。

 ひと上りで最後の肩の小屋からトマの耳へ上がると、天神平方面からの軽装の人達が
20人くらい来た。しかし平標からここまでのコースでは、単独の男女各1人しか会わず、
まったく静かだった。途中はウグイスが賑やか。

 谷川岳でも展望はほとんど利かず、20分ほどで下りにかかる。茂原のHさんの勧める
厳剛新道を下ることにして、合同3人パーティで岩の多い道を急降下し、ざんげ岩から西
黒尾根と厳剛新道の分かれ道まで一気に下ってひと休みする。ここまでの急降下で急に汗
をかいた。

 厳剛新道の下りも、石のゴツゴツした急下降、Iさんは遅れ気味なるも、Hさんはとう
とう下まで一緒についてきた。しかしラストは足が上がらず、気力で右から左へと足を運
んでいるようなもの。

 マチガ沢の支流に出てきれいな流れで汗をぬぐい、顔を洗ってひと休みしていたら小雨
がパラパラしてきたので、I氏を待たずに2人で下る。雨もほんの少しで上がり、マチガ
沢に入る舗装路に出てホッとする。初めての単独行に備えて、縄跳びで鍛えたというHさ
んは強い。

 ロープウェイ駅までの舗装路は、お互いに行ってきた山の話などしながら下り、さらに
土合までは追いついたIさんを加え、バスにも乗らずにひと下りして、16時40分に土
合駅に着く。

 延々11時間の長かった行程、下りで足がすっかり疲れた。しかし天候に恵まれ、素晴
らしい展望と種類と量はさほどでも無いがかなりあちこちにあったお花畑、緩やかな草原
のコースは道も良く、よいコースだった。

 ゆっくり帰るというHさん、越後へ下るというIさんと別れ、17時02分発高崎行き
に乗る。新潟鉄道管理局のこの列車は、旧2等車のゆったりした車両で、上越への山行で
おなじみのもの。その車両に空席を見つけ、駅で買った缶ビールを一気に飲み干すと、新
前橋駅近くまで眠り込む。谷川ロープウェイで下りたという群馬組4人も駆け込み乗車し
た。

 高崎で下りたら足がすっかり参り、階段の上り下りが辛い。高崎駅前の朝鮮料理屋で夕
食をして、駅から家に電話して19時16分発の八高線に乗る。寄居からは靴も脱いで足
を伸ばし、東飯能駅に21時18分に着く。

 飯能駅まで歩いたが、下はさすがに暑い。武蔵藤沢駅に下車して22時10分、重い足
を引きずりつつわが家へ入る。

 [コースタイム]
 平標小屋5:23-平標山頂6:05~28-仙ノ倉山7:10~30-エビス大黒の
 頭8:05~20-毛渡乗越8:53-避難小屋9:12~15-万太郎山9:48~
 10:05-大障子の頭10:40-避難小屋11:00~05-オジカ沢の頭(昼食)
 11:23~12:25-肩の小屋13:15-トマの耳13:20~42-小屋跡
 (西黒分岐)14:30~47-沢へ15:35-ロープウェイ駅16:15~20-
 土合駅16:40

 [費用]池袋~後閑 630円、急行券 200円、後閑~三国山頂バス 220円、
 土合~東飯能 630円、飯能~武蔵藤沢 50円、平標山の家1泊2食弁当
 1,550円、ビール、ジュース、高崎夕食 320円 合計 3,550円

 [距離 19㎞、標高差 -987m、累積標高差 +1,598m、-2,583m] 




アウトドア ブログランキングへ




にほんブログ村

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 上越国境 三国峠から谷川岳へ... | トップ | 71年目の終戦の日、所沢市... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
若き良き時代 (H.T)
2016-08-15 10:34:27
甲府で幼少期を過ごした私は、子供の頃から山の向こうには何が有るのだろう思い、大人になったら登山しようと心に感じていました。
学生時代から六十歳ままで登山沢山経験しました。
権田さんの写真も若い昔日の日々の良き思い出ですね。
昔日の山旅 (saikoroat)
2016-08-15 17:26:51
最近は体力も気力も衰え、平地のウオーキングしか出来ませんが、
この頃は時間があると山へ出かけ、平地を歩くということは考えてもいませんでした。

コメントを投稿

ハイキング」カテゴリの最新記事