風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

巡礼してみた一人旅・3-2(京都)

2014-05-06 | 近畿(京都・滋賀)
○ 滋賀から神戸へ
○ 第二十四番札所 中山観音
○ ベビーカーでお寺?
○ 大阪ニュータウン
○ 第二十三番札所 勝尾寺
○ コーラン祈祷
○ 謎のあぶちゃん
○ 勝ちダルマたくさん
○ すべりこみで嵐山
○ キモノ・フォレスト
○ epilogue
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3日目その1からの続きです。

○ 滋賀から神戸へ

滋賀の次に向かったのは神戸。いったん京都に戻り、京阪の祇園四条駅からへ。
阪急京都線の河原町への乗り換えのときに、鴨川を渡ります。
気持ちよさそう~。川原を散歩したーい。でも今回はスルーします。
もう夏の風物詩、川床ができていました。



十三で宝塚線に乗り換えて中山観音へ向かいます。
宝塚線に下がっている官兵衛イベントの中吊りを見て、また兵庫に入ったんだと実感。
宝塚歌劇のポスターもあります。今の演目は「ベルばら」とか「前田慶次郎」とか。振り幅広いわ。

最近、中山駅が中山観音駅に、三宮駅が神戸三宮駅に駅名変更したとのこと。
そういえば、京都も四条、五条から祇園四条、清水五条に変わっていました。
長くなりましたが、確かにこの方がわかりやすいです。
中山駅は、隣が山本駅と、ごっちゃになっていたものです。
どっちも人の名前だし、山がつくから。

○ 第二十四番札所 中山寺

そうしてやってきたのは、中山寺。
西国巡礼の札所ですが、電車から降りるとにぎやかで明るい雰囲気が漂っていました。
西国のほかのお寺とはかなりムードが違います。
駅からすぐの仁王門を写真に収めようとしたら、ベビーカーを押した夫婦が何組も通っていくので驚きました。


(その割にベビーカーの写真が一枚もありませんでしたが・・・)
これは仁王門の裏側。中に狛犬がいました。

ベビーカーが仁王門をくぐるなんて、初めて見る光景。
大きな敷居があって、足でまたぐ以外には通れないようになっている門が多いからです。
境内に入ると、そこかしこにベビーカーがいっぱい。
(そうか、ここは安産守りのお寺だから!)と気がつきました。
それで、幸せそうな空気が漂っているんですね。

○ ベビーカーでお寺?

夫婦連れが多いのもそのせいでしょう。安産さらしも売っています。
たくさんの白いおべべが奉納されたおびんづるさまが見られるのも、きっとここだけ。
おびんづるさま、一気にかわいくなっちゃって・・・。
(幼児返り・・・いえなんでもありません)



境内にエスカレーターがあったので、びっくり。
境内エスカレーターは赤坂日枝神社で見たことがありますが、さらにこちらは屋根付きです。
町ナカのお寺だけに、お年寄りに優しいつくりになっているんですね。


人が多いと書いている割には、写真にあまり人が写りこんでいません。
つい無人のタイミングで撮ってしまうからです~。実際には混み混みでした!

あまりの安産祈願者の多さに(今日は戌の日?)と思いました。
それともいつもこうなんでしょうか?
日本橋の水天宮もこんな感じなんでしょうか?
ここのところずっと、ハードボイルドなお寺巡りをしていたので、普通の人たちに混ざって参拝することで、自分も普通の人間に戻ったようで(?)ほっとしました。



観音巡礼の古刹には、僧侶が守ってきた寺院と庶民が支えてきた寺院の両方のタイプがあります。
前者は人里はなれた山奥にあり、後者は町の真ん中にあります。
正反対の歴史と雰囲気を持っていますが、長い歴史を経て人の手で存続してきたというところは一緒。
興味深いものです。

○ 大阪ニュータウン

蛍池というきれいな名前の駅で阪急を降り、初めて大阪モノレールに乗りました。
モノレールの周りに広がる景色は、いかにも計画されたニュータウン。
降りた千里中央駅もま新しい町でした。

ここから勝尾寺行きのバスに乗ります。
山行きのバスはえてして不便なものですが、ここも1時間に1本だけ。
14時45分の終バス(2時台が最終って!)を逃がさないようにと、急いでバス停を探しました。
ようやく見つけてほっとしていたら、女性二人連れが「ここよ、ここ」「よかった、見つかって」とバタバタとバス停にやってきました。
聞こえてくる会話で、西国巡礼者だとわかりました。
バスに乗って40分。急勾配を登ったところにある山奥の勝尾寺に到着です。

○ 第二十三番札所 勝尾寺



巡礼の白装束の人が大勢いる大霊場で、さっきまでの新興住宅地からの突然の変貌に頭がついていけません。
歴史の古さは感じられますが、派手さもかなり感じます。そういえばここは大阪・・・。

山の中にある寺院は概してどこも広大で、さらっとは巡れません。
どのみち、帰りのバスも1時間半後にならないと来ないので、ゆっくり拝観することにします。



入り口の仁王門を抜けたところの弁天池の噴水が、風に飛んで飛沫が温泉の湯気のようで、別世界に向かうようなシチュエーション。



気がつくと、境内のあらゆる場所には厄除けだるまが無数に置かれていました。



いるわいるわ、ザクザクいます。



隙間なく並べられたその数の多さに圧倒されますが、見慣れてくるとかわいらしいオブジェ。
ちいさなこびとさんみたいで、シュールさももはやアート。
「いいちこ」のポスターを思い出します。



○ 勝ちダルマたくさん

大きなだるまさんもいます。「勝ちダルマ奉納棚」いっぱいのダルマにも圧倒されました。
すべて両目が入れられています。
無事、勝ちを授けたダルマさんたち。
ダルマの数だけ、勝利した人たちがいるんですね~。



それにしても、なぜ右側は整然と、左側はぎゅうぎゅうに入っているんでしょう?
勝者のタイプ?豪快派が左、緻密派が右とか。
単に、棚のあるなしだけかな?

○ コーラン祈祷

と、突然太鼓と木魚の音が境内に鳴り響き、驚きました。
厄払いの祈祷が始まるようです。
(いったいどこから?)とキョロキョロしたら、境内のあちこちにあるマイクとスピーカーから、すごい音量で流れていました。
祈祷を受ける人が何歳でなんのご祈祷なのか、みんなにわかってしまいます。



ドンドン太鼓を打ちながら雄雄しく勇ましく読経がはじまり、お経というより「火の用心」とか「石焼いも~」みたいな掛け声のように聞こえます。
呼び声のようにも、コーランのようにも聞こえる不思議な抑揚。
本堂は、祈祷中のためか中に入れず、様子が分かりません。
のぞき窓からご本尊の顔がかろうじてちょっと見える程度でした。

○ 謎のあぶちゃん

四国八十八箇所のお砂踏みをしたり、境内の花々を眺めたりして、ゆっくり過ごします。
お砂踏みのところに、こんな張り紙がありました。
ありがた~い、神さまからのメッセージですよ!!
(お寺なのに・・・いえなんでもありません)



・・・この「あぶちゃん」って、なに?
「こっくりさん」のようなものでしょうか。
それとも「千社札を貼るな」と言う意味でしょうか?(その割に張られてるけど)

いくら眺めても、あぶちゃんのヒントに貼るものはなかったため、後で調べてみました。
そうしたら、「よだれかけ」のことをいうんだそうです。
へ~!聞いたことありませんでした!

祈祷は延々続き、さまざまなお経が読まれていました。
呼び込みのような祈祷放送は、大阪の市場っぽく思えますが、花がきれいに咲き乱れて境内の管理はしっかりしています。
そのコントラストがいい感じ~。



バス停に行くと、行きで一緒だった女性二人がおり、年配の男性と西国巡礼の話をしていました。
やっぱりここにも巡礼者の姿・・・

再びバスに揺られて山を降り、千里中央駅に着いたときには5時半になっていました。
帰りもモノレールに乗り、万博記念公園前を通ると、太陽の塔が間近に見えました。
初めて見ましたが、思ったよりかなり大きいんですね。
エキスポランド跡のさら地もありました。

○ すべりこみで嵐山

さて、もうお寺は閉まったため、今日の巡拝もこれで終了。
今回の旅では、せっかく京都に宿をとったのに、まったく京都巡りをしていません。
さっき、移動中に鴨川を渡りましたが、それだけでは物足りなーい。
帰る前に、嵐山に行こうと思いました。
前の台風で冠水した橋の被害がどうなったのか、気になったし。

阪急に乗り換え、四条大宮から嵐電に乗って、嵐山へ向かいます。
江ノ電と兄弟関係にある嵐電。レトロな車両にゴトゴト揺られていきました。



いつも日中に訪れる嵐山は、夕方になると町の様子ががらりと変わることに驚きました。
お店はどこも閉まっていて、にぎやかなメインストリートもシャッター通りになっています。
威勢のいい人力車のお兄さんたちも、一人もいません。
観光客の数もまばらで、閑散としています。
かなりさびしい町になるんだわ。



○ キモノ・フォレスト

どんどん暗くなってくるため、嵐山でまさかの遭難をしないよう、渡月橋を往復するだけにしておきました。
行きに撮った写真はこうでしたが、



戻ってきたときにはこうなっていました。



その間、5分もありません。日が落ちるのは、なんて早いんでしょうね。



駅では京友禅のデザインのライトアップをしています。
イルミネーションに吸い込まれそう。



夜の闇が濃くなっていくにつれて、光の輝きが増していく幻想的な光景に見入り、しばらくの間そこから離れられませんでした。



こうして3日間の関西旅行を終えて、京都駅から帰途へつきました。

この日知り合ったのは、ユータロ君。
東京から京都の病院に実習に来ているとのこと。
「京都のお勧めをどこか一つ!」と言われたので、伏見稲荷を挙げました。
昨日のニナとジュリとの会話に影響されています。
まあ、外国人が選ぶ場所なんだから、間違いないでしょう(そうかな?)
彼はさっそく翌日行ったようで、SNSのトップ画像は千本鳥居に変わっていました。

○ epilogue

「ファイト~!いっぱ~つ!」な巡礼の旅を終えて、ほっと一息。
充分観光しているので、これでも楽しいレジャーですが、普通の旅よりもウフウフキャッキャッが少なく、根性と体力が必要なのがこのスタイル。
それでも、山寺巡りなんていう渋い目的で動いているのは、ほとんどがご年配の方々。
ちょっとカラーが違う私は単なる物好きな(?)観光客と思われたのか、ほかの巡礼者の方々から話題を振られることはありませんでした。
今のご高齢の方々は、概して足腰が丈夫。
車社会が進んだことで、昔の人に比べてどんどん若者の脚の筋肉が退化している気がするので、歴史ある巡礼の旅はそのうちすたれるんじゃないかと心配になります。
まあ、そうなったら車でサクッと巡るようになるのかもしれませんが。

百観音は、御朱印代だけだと予算3万円ですが、交通費、宿泊費、その他諸々をあわせると、総額はかなりのものになります。
体力資本だし、考えると大変なことです。
全て徒歩で巡っていた昔の人は、なにを願ってこんな難儀な巡礼をしていたのでしょう。
病気平癒とか?
知りたいものです。

今回の3日間の旅は、どのお寺も5月の新緑がきれいでした。
巡った札所は全部で10+番外1。まだ10分の1です。
巡り終えるまでにはまだ長い時間がかかりそうですが、まだまだ訪れるべきお寺は残っていると考えるのもまた、楽しいものです。

ちなみにこの旅から帰宅してすぐ翌日には、また早起きして秩父の観音巡りに行きました。
こちらは同行者と一緒。
特に仏教に帰依しているわけではありませんが、始めた以上は続けたいもの。
今年はどうやら、巡礼の年になりそうです。ストイックにいこう!(ムリだけどね!)


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