3-1からの続きです。
○ どこに行く?
ランチを済ませ、お茶を飲みながら「これからどうしようか」とアカネちゃん。
私のリクエストした場所には、すべて連れて行ってくれました。
どうもありがとう。とっても満足しています。
だから「ほかにどこか行きたいところ、ある?」と聞かれても、すぐには出てきません。
「じゃあ、さっき通ってきた由布院はどうかな」
すっきりとした形の由布岳も、高速から見えた山間いの町も、とてもすてきでした。
「それなら、無量塔(むらた)に寄ってみようか?」
一泊7万円もするという高級旅館ですが、仲のいいお友達が勤めているので、時々お茶をしに行くと、さっき聞いたところです。
「なんとかっていうロールケーキが有名なんだよね」とアカネちゃん。
「Pロールじゃない?」と言うと、「そう、よく知ってるね」と驚いた風。
たまたま雑誌かなにかで知っていて、いつか食べてみたいなと思っていました。
「それじゃあ湯布院に行こう。友達に連絡しておくわ」
花が咲いているかわいいトンネルをくぐりました。
ルルルン・ルンルン♪
先ほども見た由布岳が近づいてきました。
きれいな形に、やっぱり見とれます。
○ 山荘 無量塔
静かな高級別荘地に入り、駐車場に車を停めていると、アカネちゃんのお友達の琥珀さんがわざわざお出迎えしてくれました。
突然行ったのに、にこやかに挨拶してもらって、ありがたいなあと思います。
「十三曲、大変だったでしょう」
アカネちゃんが東京からこちらに戻ってきた時に、運転の練習につきあったんだそう。
つまり今回アカネちゃんが十三曲を無事クリアできたのは、琥珀さんのおかげだということになりますね。
乗せてもらった私も、感謝しなくちゃ。
広い敷地内を散策がてら、建物まで歩いて行きます。
琥珀さんに教えてもらった通りに、門を入りますが、それからもまだ道は続き、歩いていきます。
敷地の広さをまったく把握できていません。
そのうちに、緑に囲まれるようにひっそりとたたずむ建物が見えてきました。
数名のスタッフが入り口前で出迎えてくれて、案内のもと、すんなり中に入れてもらえました。
琥珀さんが、宿に連絡を入れてくれたようです。
さすがはサービスの質を誇る高級旅館だわ。
渋い古民家風の入り口をくぐると、中にはいろりのある土間がありそうでしたが、まったく違ったシックで重厚な西洋建築のつくりでした。
○ Tan's Bar
案内されたTan's Barは、オーセンティックな雰囲気。
石の暖炉の上には、巨大なスピーカーがありました。
1930年代のアメリカ製劇場用スピーカーだそう。時代ものです。
宿泊客を主体にしたラウンジで、ティータイムはカフェになります。
敷居が高くて、知り合いでもいない限りは、まず入れそうにないところ。
今回は、正にその知り合いがいたので、来ることができました。
貴重な機会だわ。
重厚な調度品に木漏れ日が差し込み、絵の中に入り込んだような濃い陰影の中でのお茶となります。
静かに流れるクラシック。時が止まったよう。
男性が一人、お茶をしながら、静かに読書中でした。
絵になります。こういうことがさりげなくできる人って、すてきだわ。
○ ふわふわPロール
九重夢吊り橋のそばでランチをすませた後にまっすぐここを訪れたので、まだおなかは空いていません。
でも、本家本元でPロールをいただけるチャンスを外したくありません。
なので、紅茶とPロールを注文します。
このあとの夕食が入らなくならないように、アカネちゃんと半分こしました。
フワリとしていて、思ったよりもすいすい食べられます。
深みがありながらも、食べやすい味。
本当においしいわ~。ファンが多いのも、うなずけます。
穏やかな時間の流れるひと時。
ずっといたい場所でした。
○ 縁は味なもの
今回、由布院は旅程に入っていませんでしたが、たまたま九重から別府までの移動ルートの途中にあり、たまたまアカネちゃんのお友達が働いており、たまたま私がPロールの噂を知っていたことで、このお宿を案内してもらえました。
そうして味わった、極上の時間。
縁はまったく、味なものだなあと思います。
無量塔を出る時にもまた、数名のスタッフがお見送りに出てくれ、おそらく連絡がいったと思われる琥珀さんが、帰りがけにもまた、駐車場までお見送りしてくれました。
本当に、至れり尽くせりの丁寧なサービス。
ああ、いつかまた、ここに来たいものです。
今度は泊まりに来れればいいな。
日はゆっくりと傾き、由布岳が赤く燃えるように輝いていました。
○ 夕焼けドライブ
車に乗り込み、次は夕食のお店に向かいます。
つまり、ランチ→ティータイム→夕食と、移動しては食べ続けているため、おなかは減っていません。
気づけばグルメな一日です。
まあ、ランチはヘルシーだったし、暴飲暴食していないし。(とあっさり自分を許す)
この日はいい天気だったので、夕日もとてもきれい。
夕焼けが光り輝くように、山の向こうへと沈んでいくと、やがてあたりはかげってきました。
○ 阿蘇の雪解け水
真っ暗になる前に、市街地まで戻っておきたいところですが、途中で通りかかった霧島神社に寄ってもらいます。
一旦通り過ぎたところを、わざわざUターンして戻ってくれました。
境内から山からの自然の水が出ているのだそう。
画像ほど暗くはなく、まだ灯りはいらないくらいの境内。
ここでお水をいただきました。
湧き水かと思ったら、阿蘇の雪解け水なんだそう。
阿蘇山は、熊本だけでなく、大分の方にも自然の恵みをもたらしているんですね。
標高が高い場所におり、帰りの道すがら、遠く下の方に別府湾沿いのイルミネーションが瞬いているのが見えます。
「湘南平みたい」と口に出して言ってから「あ、神奈川にあるところだから、わからないかな?」と付け足したら「わかるよ。私も行ったことがあるから」とアカネちゃん。
「おや~、あそこは車でないと行きにくい場所なのに、一体誰と行ったの~?」とすかさずつっこんだら、「そういうリカちゃんこそ!」と反撃がきました。
会話はどこへ転んでいくかわかりません。油断禁物(笑)。
○ 茶寮 森澤
車から降りたのは、山の中腹あたり。
眼下にも光が見えるし、高い山の尾根沿いには、青い光がいくつか見えます。
ロープウェイが通っているとのことなので、その明かりでしょう。
夕食は、別府の丘にある、古民家を改修したお店で。
茶寮 森澤という看板がかかっています。
別府 森澤としてお店が数件ある中の茶寮だそうです。
大きなお屋敷を改修したようなお店。この建物にはくぎを一本も使っていないんだとか。
なのにちっともミシミシ揺れませんでした。昔の日本家屋って、すごい。
江戸川乱歩の小説に登場しそうな、なにか物語が始まりそうな、雰囲気たっぷりの建物です。
「磨き抜かれた床」というのは、こういうことなんだろうなと、ピカピカの木張りの床を見て思いました。
画像左の小部屋に案内してもらいます。
掘りごたつの個室。ひっそり密談ができそうです。
○ 大分の郷土料理
私たちもひそひそと密談しました。
「とり天、まだ食べてないよね」「うん、まだ」「じゃあこの辺りの郷土料理を頼もう」
声を潜める必要なんてないのに、雰囲気がそうさせるんですねー。
とり天とだんご汁を頼んで、また二人でシェアしました。
だんご汁は、前にアカネちゃん宅でごちそうになったので、これが2回目になりますが、とり天は初めて。
「鳥を天ぷらにしてもおいしいと思うんだけど、東京ではみんな唐揚げにするからねえ」
確かに、お肉の天ぷらって食べたことがありません。
たれは二種類。お好みで味わえます。
どちらにつけても、おいしかったです。
サクサク・ヘルシー。
全国レベルで人気が出そうなのに。
平麺が好きな私は、だんご汁がお気に入り。
味がよくしみ込んでいて、こちらも箸が止まりません。
両方ともおいしくて、残さずいただきましたが、さすがに満腹で、おなかをさするばかりの私たち。
めずらしくも、デザートの別腹はありませんでした。
○ 観光地じゃなかった?
幸せな気持ちになって、お店から出て、海に向かって山を下りていきます。
別府の町は、碁盤の目になっているのだそう。
それならさぞ運転しやすいだろうと思いますが、一方通行の道路が多いので、逆に運転しづらいとか。
どんどん坂を降りていき、ほどなくして別府駅に到着。
ここでお礼を言って車を降り、アカネちゃんとお別れしました。
アカネちゃん、二日間、車でないと行けない場所に連れて行ってくれ、ガイドをしてくれて、どうもありがとう。
おかげさまで、とっても楽しく、いい思い出ができました。
大分、素敵なところばかりだったなあ。
行きたい場所を伝えた時に、「リカちゃんって、普通の観光とは違う場所に行きたがるね」と言われて、鋭い考察にドキッとしました。
観光地を巡ってもらったつもりだったけれど、そうでもなかったのかしら?
たしかに、この2日間、他県ナンバーの車が集まっていたのは、夢吊り橋くらいでした。
観光客は、普通はどこに行くものなんでしょうね?逆に気になるわー。
アカネちゃんの車を見送った後、少しセンチメンタルになりながら歩き出すと、そこには夜も勢いのある手湯が、ゴボゴボと活動しており、なんだか元気が出ました。
○ 別府温泉めぐり
宿にいったん戻って入浴グッズをかかえ、今度は市営温泉へと向かいました。
別府といえば地獄めぐりが有名ですが、地獄の温泉は見るだけで、入浴はできません。
その代わり、別府の町の中には、いくつもの市営温泉があり、別府八湯と言われています。
もう夜なので、宿から歩いて行ける近場を巡ってみました。
巡るといっても、のぼせやすいので、温泉すべてに入るわけではありません。
不老泉と駅前高等温泉、そして竹瓦温泉に行ってみることにしました。
まずは、不老泉。
名前がいいですね。若さの泉!みたいで。
モダンな建物から、湯上りの浴衣姿の女性が出てきて、夜の中に消えていきます。
なんとも風情がありました。
駅前高等温泉は、レトロな外観が特徴的ですが、残念ながら目下外装工事中。
でも中は営業中でした。
海側にある竹瓦温泉は、大きな古めかしい建物。
数日前に訪れた別府の道後温泉本館に雰囲気が似ているなと思い出します。
ただここは、桃色通り(森見登美彦風に言うと)に面して立っており、こわもての男性たちが店の前に立って、道行く人に鋭い視線を送っています。
私なんて、見るからに温泉に向かうとわかる格好をしているので、何が起こることもないとはわかっていますが、お風呂グッズをかかえて通るのはかなり場違いなところにうっかり紛れ込んでしまいました。
ボルゾイのような顔つきをした男性たちの前を、身がすくむ思いをしながら、ぎくしゃくと歩いていきました。
建物の中に入ってみると、外観だけでなく、内装もとてもレトロ。
さっとお湯につかっただけでほかほかになります。
さすがは温泉。涼みがてら、海の方まで歩いて行きました。
○ 星空キラキラ
海の近くには、昭和テイストたっぷりの別府タワー。
通天閣に似ている感じ。
車通りなのでにぎやかですが、海まで出るとさすがに真っ暗になりました。
夜の湘南の海のようだなと思いながら空を見上げると、湘南よりもはるかに多くの星がキラキラとまたたいています。
その美しさに、声もなく見とれました。
温泉につかって、海と星空を眺めて、お散歩はおしまい。
宿に戻ってのんびりしました。
4日目に続きます。
○ どこに行く?
ランチを済ませ、お茶を飲みながら「これからどうしようか」とアカネちゃん。
私のリクエストした場所には、すべて連れて行ってくれました。
どうもありがとう。とっても満足しています。
だから「ほかにどこか行きたいところ、ある?」と聞かれても、すぐには出てきません。
「じゃあ、さっき通ってきた由布院はどうかな」
すっきりとした形の由布岳も、高速から見えた山間いの町も、とてもすてきでした。
「それなら、無量塔(むらた)に寄ってみようか?」
一泊7万円もするという高級旅館ですが、仲のいいお友達が勤めているので、時々お茶をしに行くと、さっき聞いたところです。
「なんとかっていうロールケーキが有名なんだよね」とアカネちゃん。
「Pロールじゃない?」と言うと、「そう、よく知ってるね」と驚いた風。
たまたま雑誌かなにかで知っていて、いつか食べてみたいなと思っていました。
「それじゃあ湯布院に行こう。友達に連絡しておくわ」
花が咲いているかわいいトンネルをくぐりました。
ルルルン・ルンルン♪
先ほども見た由布岳が近づいてきました。
きれいな形に、やっぱり見とれます。
○ 山荘 無量塔
静かな高級別荘地に入り、駐車場に車を停めていると、アカネちゃんのお友達の琥珀さんがわざわざお出迎えしてくれました。
突然行ったのに、にこやかに挨拶してもらって、ありがたいなあと思います。
「十三曲、大変だったでしょう」
アカネちゃんが東京からこちらに戻ってきた時に、運転の練習につきあったんだそう。
つまり今回アカネちゃんが十三曲を無事クリアできたのは、琥珀さんのおかげだということになりますね。
乗せてもらった私も、感謝しなくちゃ。
広い敷地内を散策がてら、建物まで歩いて行きます。
琥珀さんに教えてもらった通りに、門を入りますが、それからもまだ道は続き、歩いていきます。
敷地の広さをまったく把握できていません。
そのうちに、緑に囲まれるようにひっそりとたたずむ建物が見えてきました。
数名のスタッフが入り口前で出迎えてくれて、案内のもと、すんなり中に入れてもらえました。
琥珀さんが、宿に連絡を入れてくれたようです。
さすがはサービスの質を誇る高級旅館だわ。
渋い古民家風の入り口をくぐると、中にはいろりのある土間がありそうでしたが、まったく違ったシックで重厚な西洋建築のつくりでした。
○ Tan's Bar
案内されたTan's Barは、オーセンティックな雰囲気。
石の暖炉の上には、巨大なスピーカーがありました。
1930年代のアメリカ製劇場用スピーカーだそう。時代ものです。
宿泊客を主体にしたラウンジで、ティータイムはカフェになります。
敷居が高くて、知り合いでもいない限りは、まず入れそうにないところ。
今回は、正にその知り合いがいたので、来ることができました。
貴重な機会だわ。
重厚な調度品に木漏れ日が差し込み、絵の中に入り込んだような濃い陰影の中でのお茶となります。
静かに流れるクラシック。時が止まったよう。
男性が一人、お茶をしながら、静かに読書中でした。
絵になります。こういうことがさりげなくできる人って、すてきだわ。
○ ふわふわPロール
九重夢吊り橋のそばでランチをすませた後にまっすぐここを訪れたので、まだおなかは空いていません。
でも、本家本元でPロールをいただけるチャンスを外したくありません。
なので、紅茶とPロールを注文します。
このあとの夕食が入らなくならないように、アカネちゃんと半分こしました。
フワリとしていて、思ったよりもすいすい食べられます。
深みがありながらも、食べやすい味。
本当においしいわ~。ファンが多いのも、うなずけます。
穏やかな時間の流れるひと時。
ずっといたい場所でした。
○ 縁は味なもの
今回、由布院は旅程に入っていませんでしたが、たまたま九重から別府までの移動ルートの途中にあり、たまたまアカネちゃんのお友達が働いており、たまたま私がPロールの噂を知っていたことで、このお宿を案内してもらえました。
そうして味わった、極上の時間。
縁はまったく、味なものだなあと思います。
無量塔を出る時にもまた、数名のスタッフがお見送りに出てくれ、おそらく連絡がいったと思われる琥珀さんが、帰りがけにもまた、駐車場までお見送りしてくれました。
本当に、至れり尽くせりの丁寧なサービス。
ああ、いつかまた、ここに来たいものです。
今度は泊まりに来れればいいな。
日はゆっくりと傾き、由布岳が赤く燃えるように輝いていました。
○ 夕焼けドライブ
車に乗り込み、次は夕食のお店に向かいます。
つまり、ランチ→ティータイム→夕食と、移動しては食べ続けているため、おなかは減っていません。
気づけばグルメな一日です。
まあ、ランチはヘルシーだったし、暴飲暴食していないし。(とあっさり自分を許す)
この日はいい天気だったので、夕日もとてもきれい。
夕焼けが光り輝くように、山の向こうへと沈んでいくと、やがてあたりはかげってきました。
○ 阿蘇の雪解け水
真っ暗になる前に、市街地まで戻っておきたいところですが、途中で通りかかった霧島神社に寄ってもらいます。
一旦通り過ぎたところを、わざわざUターンして戻ってくれました。
境内から山からの自然の水が出ているのだそう。
画像ほど暗くはなく、まだ灯りはいらないくらいの境内。
ここでお水をいただきました。
湧き水かと思ったら、阿蘇の雪解け水なんだそう。
阿蘇山は、熊本だけでなく、大分の方にも自然の恵みをもたらしているんですね。
標高が高い場所におり、帰りの道すがら、遠く下の方に別府湾沿いのイルミネーションが瞬いているのが見えます。
「湘南平みたい」と口に出して言ってから「あ、神奈川にあるところだから、わからないかな?」と付け足したら「わかるよ。私も行ったことがあるから」とアカネちゃん。
「おや~、あそこは車でないと行きにくい場所なのに、一体誰と行ったの~?」とすかさずつっこんだら、「そういうリカちゃんこそ!」と反撃がきました。
会話はどこへ転んでいくかわかりません。油断禁物(笑)。
○ 茶寮 森澤
車から降りたのは、山の中腹あたり。
眼下にも光が見えるし、高い山の尾根沿いには、青い光がいくつか見えます。
ロープウェイが通っているとのことなので、その明かりでしょう。
夕食は、別府の丘にある、古民家を改修したお店で。
茶寮 森澤という看板がかかっています。
別府 森澤としてお店が数件ある中の茶寮だそうです。
大きなお屋敷を改修したようなお店。この建物にはくぎを一本も使っていないんだとか。
なのにちっともミシミシ揺れませんでした。昔の日本家屋って、すごい。
江戸川乱歩の小説に登場しそうな、なにか物語が始まりそうな、雰囲気たっぷりの建物です。
「磨き抜かれた床」というのは、こういうことなんだろうなと、ピカピカの木張りの床を見て思いました。
画像左の小部屋に案内してもらいます。
掘りごたつの個室。ひっそり密談ができそうです。
○ 大分の郷土料理
私たちもひそひそと密談しました。
「とり天、まだ食べてないよね」「うん、まだ」「じゃあこの辺りの郷土料理を頼もう」
声を潜める必要なんてないのに、雰囲気がそうさせるんですねー。
とり天とだんご汁を頼んで、また二人でシェアしました。
だんご汁は、前にアカネちゃん宅でごちそうになったので、これが2回目になりますが、とり天は初めて。
「鳥を天ぷらにしてもおいしいと思うんだけど、東京ではみんな唐揚げにするからねえ」
確かに、お肉の天ぷらって食べたことがありません。
たれは二種類。お好みで味わえます。
どちらにつけても、おいしかったです。
サクサク・ヘルシー。
全国レベルで人気が出そうなのに。
平麺が好きな私は、だんご汁がお気に入り。
味がよくしみ込んでいて、こちらも箸が止まりません。
両方ともおいしくて、残さずいただきましたが、さすがに満腹で、おなかをさするばかりの私たち。
めずらしくも、デザートの別腹はありませんでした。
○ 観光地じゃなかった?
幸せな気持ちになって、お店から出て、海に向かって山を下りていきます。
別府の町は、碁盤の目になっているのだそう。
それならさぞ運転しやすいだろうと思いますが、一方通行の道路が多いので、逆に運転しづらいとか。
どんどん坂を降りていき、ほどなくして別府駅に到着。
ここでお礼を言って車を降り、アカネちゃんとお別れしました。
アカネちゃん、二日間、車でないと行けない場所に連れて行ってくれ、ガイドをしてくれて、どうもありがとう。
おかげさまで、とっても楽しく、いい思い出ができました。
大分、素敵なところばかりだったなあ。
行きたい場所を伝えた時に、「リカちゃんって、普通の観光とは違う場所に行きたがるね」と言われて、鋭い考察にドキッとしました。
観光地を巡ってもらったつもりだったけれど、そうでもなかったのかしら?
たしかに、この2日間、他県ナンバーの車が集まっていたのは、夢吊り橋くらいでした。
観光客は、普通はどこに行くものなんでしょうね?逆に気になるわー。
アカネちゃんの車を見送った後、少しセンチメンタルになりながら歩き出すと、そこには夜も勢いのある手湯が、ゴボゴボと活動しており、なんだか元気が出ました。
○ 別府温泉めぐり
宿にいったん戻って入浴グッズをかかえ、今度は市営温泉へと向かいました。
別府といえば地獄めぐりが有名ですが、地獄の温泉は見るだけで、入浴はできません。
その代わり、別府の町の中には、いくつもの市営温泉があり、別府八湯と言われています。
もう夜なので、宿から歩いて行ける近場を巡ってみました。
巡るといっても、のぼせやすいので、温泉すべてに入るわけではありません。
不老泉と駅前高等温泉、そして竹瓦温泉に行ってみることにしました。
まずは、不老泉。
名前がいいですね。若さの泉!みたいで。
モダンな建物から、湯上りの浴衣姿の女性が出てきて、夜の中に消えていきます。
なんとも風情がありました。
駅前高等温泉は、レトロな外観が特徴的ですが、残念ながら目下外装工事中。
でも中は営業中でした。
海側にある竹瓦温泉は、大きな古めかしい建物。
数日前に訪れた別府の道後温泉本館に雰囲気が似ているなと思い出します。
ただここは、桃色通り(森見登美彦風に言うと)に面して立っており、こわもての男性たちが店の前に立って、道行く人に鋭い視線を送っています。
私なんて、見るからに温泉に向かうとわかる格好をしているので、何が起こることもないとはわかっていますが、お風呂グッズをかかえて通るのはかなり場違いなところにうっかり紛れ込んでしまいました。
ボルゾイのような顔つきをした男性たちの前を、身がすくむ思いをしながら、ぎくしゃくと歩いていきました。
建物の中に入ってみると、外観だけでなく、内装もとてもレトロ。
さっとお湯につかっただけでほかほかになります。
さすがは温泉。涼みがてら、海の方まで歩いて行きました。
○ 星空キラキラ
海の近くには、昭和テイストたっぷりの別府タワー。
通天閣に似ている感じ。
車通りなのでにぎやかですが、海まで出るとさすがに真っ暗になりました。
夜の湘南の海のようだなと思いながら空を見上げると、湘南よりもはるかに多くの星がキラキラとまたたいています。
その美しさに、声もなく見とれました。
温泉につかって、海と星空を眺めて、お散歩はおしまい。
宿に戻ってのんびりしました。
4日目に続きます。
(漢字変換できなくひらがなでm(__)m)
なんと豪華な旅館。
知り合いがいてると心強いですね。
いいところだらけで これを参考に
別府・湯布院へ行きたくなります。
小説家さん?
が書いてるような内容に吸い込まれながら
情景を想像させていただきました。
むらたにはいつか泊まってみたいわー。
別府も湯布院も、本当に素敵な場所ですね。
これから寒くなるので、いっそう恋しくなりそうです。
今回は、すてきな場所を訪れたところだったので、文章にもマジックがかかったんだと思いますよ☆