振り出しに戻る「落陽日記」

旅や日々の生活の一コマ。60代半ば、落陽期を迎えながら気持ちは再び振り出しに戻りたいと焦る日々です。

途中にあった還来神社

2020-04-11 12:04:52 | バイクツーリング
「途中」と言うのは地名で、~へ行く途中の意味ではない。住所は大津市伊香立途中町で、鯖街道とも呼ばれて京から若狭へ行く街道沿いに位置している。若狭から京に至る「途中」にあることが起源かと推測される。

現在はそれぞれバイパス工事によって国道367号線と国道477号線が高架上でT字路で交わっている地点に「途中」の表示があるが、バイパスができるまでは、2本の谷川が合流する谷あいにある、狭い旧道の三叉路の交差点だった。20代の頃、スキーシーズンには京都から大原を通り、途中峠を越えるコースでびわこバレーや箱館山のスキー場に行っていたが、途中峠から三叉路までの下り坂は狭くて離合出来る場所も限られ、積雪でもあればひどい難所だった。

その三叉路から1Kmほど琵琶湖方面に進むと左側を流れる川にかかる赤い橋がある。昔はここで左折して橋を渡り、国道162号線の和邇までショートカットのコースを走行していた。この赤い橋のそばに還来神社があるが、立ち寄ったのは初めてだ。





これも初めて知ったのだが、名前は還来と書いて「もどろき」。祭神は太政大臣藤原百川の娘で藤原旅子。彼女は桓武天皇の夫人で何人かいた内の一人だが、皇后は別にいた。桓武天皇との間に生まれた男子が彼女の死後に即位して淳和天皇となったので、追贈されて皇太后となる。

旅子はこの付近にあった藤原氏の荘園の別邸で生まれ、33歳で病に斃れる際にこの地にある梛の大樹の下に葬るように言残した。祠の後ろにある枯れた古木が神木となる梛の木らしい。神社の名前の「還来」は、旅子が生誕の地に還って来たことに由来するようだ。



本殿の前まで来ると、石段の横に巨大な切り株があった。つい2年前に伐採された、樹齢は約8百年の杉の木で、カエルが置いてあったが、相当な巨樹であったことがうかがえる。そうか、カエルは帰って来るの意味なんだ。





そこに地元の男の人が現れたのであいさつをすると、この神社の氏子総代を務めているとのこと。近年の台風によって杉の木の枝が吹き飛ばされ、本殿や拝殿の建物に甚大な被害が及んだため、止む無く伐採したと話してくれた。りっぱな杉の木だっただろうに、もったいない気持ちがする。

見ると本殿の裏山にも大木が多くあり、台風による倒木が落下すると危険なため、伐採を検討しているようだ。ただ、傾斜地にあるので伐採は簡単ではなさそうだし、コストも相当なものになりそうだ。

総代さんは見回りに来ている様子だったがいろいろと話をしてくれた。戦前は出征する兵士や家族が無事に帰って来るようにとの参拝者が引きも切らず、現在では東日本大震災で長期の避難生活を余儀なくされた人、北朝鮮に拉致された人の関係者などの参拝があるそうだ。

自分が参拝を済ませると総代さんが本殿の横に置いてあったお守りの中から、カエルのお守りをくれた。お金を払おうとすると受け取ってくれないので、少額だが2度目のお賽銭をしておいた。





この神社の年に一度の例大祭は5月5日だが、今年はコロナウイルスの影響で規模を大幅に縮小することが決まったそうだ。御輿の出番もないようで、総代さんが淋しそうな表情をしていた。

ネットで調べてみると、京都の西院にも還来神社があることがわかった。藤原旅子が産んだ淳和天皇の皇后である正子内親王が祭神で、還来の名前は、内親王が御殿の火災に遭い避難したが、無事に御殿に帰れたことに由来していると言う。正子内親王だけでなく、藤原旅子も祭神の一人にしているデータがある。

折角なので西院の春日神社内にある還来神社にも、いずれ行ってみよう。







コロナの拡大がなければ今頃はイギリスだったのだが

2020-04-08 14:11:55 | 日記
「たら」とか「れば」の話は嫌いなのだが、コロナウイルスの感染拡大がなかったら、今頃はツアーで英国にいるはずだった。

チェンマイステイから帰国したのが2月中旬で、予約していた4月からの英国ツアーが楽しみだったのだが、日本での感染者が増えている状況では英国では歓迎されないだろうと思って2月末にツアーをキャンセルした。キャンセル料が発生する前だったが、イタリアでは感染者が増え始めていたが英国での感染者はまだ数名の頃だった。

3月末に英国が外務省の海外安全情報で渡航中止勧告のレベル3になった段階で、4月出発からの英国ツアーは中止されたはずだが、早めにキャンセルしておいて良かった。

3月に催行された欧州ツアーからの帰国者の中で、特に若い人に感染者が発生していて、このような時期のツアー参加に対してネットなどでバッシングを受けている。中には卒業旅行で、アルバイトで貯めたお金で参加した学生たちもいたと思うが、自分がその立場だったらやはり参加しただろうと思う。

ただ、帰国してから卒業祝賀会やゼミのコンパなどに出席して感染を広げたのはNGだ。彼らの周囲に出席を止める人はいなかったのだろうか?自分がチェンマイから香港を経由して帰国したのは2月中旬だが、長時間いた香港空港や機内で感染していたらヤバイので、念のために2月末までの約2週間は予定されていた飲み会を2件欠席して、外出も控えめにしていた。やはり慎重であるべきだ。

ところで6月末からは友人たちと3人で再びチェンマイに行く手はずになっているのだが、このままでは実現しそうにない。延期するにしても何時頃になれば状況が好転するかわからないのが辛い。






画像は近くにある伊勢田神社の桜で、1週間前の4月1日に撮った。毎月初と月中の2回は参拝もしている。

今年の桜の開花は暖冬の影響で早かったが、その後に寒い日が多かったためか、満開まで時間がかかったように思う。





昨日は小学校の入学式が行われていて、桜の花が新入学の子供達を迎えていた。近年は温暖化のために、入学式には葉桜になってしまった光景をよく見ていたが、やはり入学式には桜の花がよく似合う。