プロ野球 OB投手資料ブログ

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岩村吉博

2024-05-09 22:13:09 | 日記
1953年
「何も考えずに投げます、打たれても、もともとなんだから」試合開始前にこう語っていた阪神の岩村は、第一戦に劣らぬ好投の期待とともに「もしや…」の不安な予感がせぬでもなかったが、この日も初回のピンチを切り抜けるとともに、前日以上の冴えをみせ、六回渡辺省にプレートをゆずるまで投げ抜いて責任を果した好投は阪神初制覇の原動力に見逃すことは出来なかった。初回の岩村は危なかった。まず栗木中前安打、続く北村には三塁線に点々とする絶好のバントを見舞われ、これがバント・エンド・ランになって快走の栗木に三塁を陥れられ、別当にはストレートの四球を与えて無死満塁に直面した。ところが全く度胸よく、老練にいどむ新鋭岩村は伊藤の打ち気に出るのを二飛に、土井垣を低目に落ちるドロップで三振に、大館を遊ゴロに射止め満場をうならせた。毎日打線は二回以後岩村のシュートとドロップを打ちあぐみ五回二死一、二塁の好機に別当が唯一の反撃機も岩村の一騎打ちに別当がすかさず初球の直球をたたいたとはいえ、金田背走の美技にも不運にも岩村を攻略し得ず、これを第二のヤマ場として渡辺省の低目をつく直球にも手を焼いて決定打を欠き、あっけなく敗れ去った。

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