侵入種

2014-11-21 15:01:37 | 日記
外来種(移入種)が自然繁殖して個体群を維持できる状態になったもので、生物多様性を変化、脅かす可能性のある種。帰化種とも呼ばれ、自己の分布能力で自然に生活域を広げたものは含まない。
環境条件が適していて天敵もいない侵入地では大繁殖することがある。侵入種は在来種の捕食者となったり、類似した生活様式の在来種と競合して駆逐したり、近縁種と交雑するなどさまざまな影響を及ぼす。このため、近年侵入種が生物多様性に及ぼす影響は、開発による環境破壊や乱獲と同様に問題視されるようになり、生物多様性条約の枠組みで国際的な対策が検討されている。日本では、2004年に外来種による生態系等への被害を防止するための対策を定めた「外来生物法」が制定された。また、小笠原諸島のノヤギ、奄美大島のマングースなど駆除事業が実施されているものもある。沖縄に侵入したウリミバエやミカンコミバエは、沖縄県ミバエ対策事業所が約20年かけて行った不妊虫放飼法により根絶された。

環境ホルモン

2014-11-21 15:00:46 | 日記
正式には外因性内分泌攪乱化学物質という。内分泌攪乱物質などと省略することも多い。環境中にある物質が体内に取り込まれ、ホルモン作用を乱す(攪乱する)という意味で、環境ホルモンと通称される。
 シーア・コルボーン他著による「奪われし未来」やデボラ・キャリバリー著による「メス化する自然」により内分泌攪乱化学物質が世界的な関心を集めた。
 研究者や機関によって定義が確定していないが、「環境ホルモン戦略計画SPEED’98」(2000年11月改定)では「動物の生体内に取り込まれた場合に、本来、その生体内で営まれている正常ホルモンの作用に影響を与える外因性の物質」とし、疑われる化学物質として65物質をあげている。なお、2005年3月には新たな対応方針として「ExTEND2005」を公表している。

建造物の劣化

2014-11-21 14:59:50 | 日記
酸性雨は、建造物等の劣化を加速させ、歴史的遺産の腐食が顕著になってきている。
ヨーロッパでは、ドイツのケルンの大聖堂、ロンドンのウェストミンスター寺院、リンカーン青銅、ヨーク教会などで外壁がはがれたり、彫刻物の腐食が進んでいることが判明し、社会問題化した。米国でも、1980年代には自由の女神の腐食が進行してきたといわれている。規模が大きく、伝統的建築技法で建立された建造物などの修復には膨大な費用がかかる。ケルン大聖堂では、年間約9億5,000万円ともいわれている。
建造物等の劣化は、湿性沈着(狭義の酸性雨)および乾性沈着(雨や雪などに取り込まれるのではなく直接沈着する酸性物質)によって被害が拡大されるが、むしろ後者による影響の方が高いとする説もある。