ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

レンブラント 「キリストの神殿奉献」

2017年10月04日 |  ∟ドイツの美術館

 ※ ドイツ ‐ ハンブルク/ハンブルガー・クンストハレ編 (8) ‐ 中欧美術館絵画名作選 (99)

 美術館のHPによれば、19世紀以降の現代絵画の収蔵がメイン、ルネッサンスからロココ美術に至る収蔵作品は少ないようだ。
 そんななかで<前回>、久し振りに宗教絵画を投稿したが、それに続いて今回も宗教絵画。

 光による明暗対比、赤褐色や緑褐色を基調とした色彩、場面を明確に伝える劇場性、登場人物の豊かな表情など、オランダ絵画黄金期を築いたレンブラント・ファン・レイン(1606-1669 )。

 その彼の 「キリストの神殿奉献」(1628年/56×44cm)が今回の作品。

 主題は、老シメオンによるイエスに降りかかる受難の預言に悲しむマリア、いわゆる “ 聖母七つの悲しみ ” の第一留(ルカ2章)。

 聖堂の窓から差し込む光が、シメオンに抱かれてメシアであることの宣言を受けるイエスにスポットライトのように当り、予言を聞くマリアの悲しみを超えた驚きの表情が切り取られている。

 実は彼、彼自身の黄金時代(1632-42)の先駆けとなる1631年に、このテーマで題も同じ 「<キリストの神殿奉献>」(61×48cm/マウリッツハイス美術館蔵)を描いている。

 そのマウリッツハイス版に比べて部分的であり、主題が示す劇場性はやや劣るようだが、彼の初期作品に一貫して見られる、幾分誇張された身振りと表情はそれを補って余りあるようだ。

 ちなみにその表情、明らかに芝居の影響を受けたものとされ、当時の彼が芝居へ並々ならぬ関心を寄せていたことが見て取れるのである。
 カタリナ が、「黄金期を迎える前作品らしく色使いがあっさりとしている」と話していたが、異はない。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1396


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