※ ドイツ ‐ ベルリン/ゲマルデ・ギャラリー編 (10) ‐ 中欧美術館絵画名作選 (62)
オランダ絵画黄金期を築いたヨハネス・フェルメール(1632-1675)。
寡作の画家として知られ、現存する作品は<三十数点>とされているが、その多くが室内の女性を描いた風俗画で、各作品が相互に<関連性>を持っていることが多いことでも知られている。
その彼の 「紳士とワインを飲む女」、別名 「ブドウ酒のグラス」(1658-60年頃/65×77cm)が今回の作品。
本作も 「二人の紳士と婦人」(1660年頃/アントン・ウルリッヒ美術館蔵)との関連性が指摘されている。
余談だがこの 「二人の紳士と婦人」、08年にドイツのニーダーザクセン州の美術館から来日、夏真っ盛りの<上野の美術館>で、多くのギャラリーの頭越しに覗いた。
話がそれた、「紳士とワインを飲む女」に戻る。
金の縁飾りのある絹のドレスを優雅に着た女性、白の頭巾に顔の大部分が隠れ、僅かに覗く口にあてられたグラスのワインは殆ど空になっている。
女性を見つめる男性は、右手に白い磁器のワイン壺を持ち、女性に飲み干すように促し乍ら、さらにグラスに注ぎ直そうとしている。
テーブルの上には何冊かの本と楽譜が置かれ、椅子には青いクッション、男性の飾り帯とも思われるようなもの、おそらく女性が置いたばかりの弦楽器の<シターン>がある。
ここで、気になるのがこの女性と男性の関係、フェルメールは何を伝えようとしているのか謎が残る。
それを解く鍵が 「二人の紳士と婦人」に見ることができるのだが、長くなるので次回に。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1309
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