誰が定(き)めたのやら、立秋も過ぎれば残暑と呼ぶと・・・。
暑くて拵える気になれず、さりとて素麺ばっかしもならず、カンカン照りのなか総菜屋さんへ。
わが西洋長屋、表と裏のふたつの庭にざっと三十本ほどか、欅や桜などの喬木ある。
風除室を出ると、そこから降り注ぐ蝉の声に 「それでのうても暑いンやから、堪忍してえな・・・」とぼやいたこともあったが、ここ何日前から蜩に代わったのだろう、心なしか寂しげにも。
それでも陽の下に出ると立眩みしそうで、慌てて日傘、彼女 のじゃありません酔狂 のです。を差したはいいけれど、途中、骨の先っぽ、正しくは露先とか。の布が剥がれているのに気付いた。
差している分には障りもないが、見た目、貧乏臭うていけない。
家に戻り、繕おうとしたものの糸が針の穴に通らない。
糸の先を舐めてと、天眼鏡をと大騒ぎすれどあかん、癇癪持ちの酔狂 「やんぺ」と放り出すにさほど時間は要らない。
けど、まま放置も捨てるもならない、で、暑いのに再度、隣のSCの手芸店へ。
店員さんに、「穴の大きな針、下さい」 「えっ、何を縫われるンですか?」 (日傘を見せ) 「ここ」。
暫し絶句、してから事情を察して、「・・・・これなら通さなくても押し込めばいいから」と、薦めてくれたのが頭の割れた針。
針の穴に限らず、壁に肩をぶつける、少しの段差に躓く、食品のラベルの字が読めない、瓶の蓋が開けられない etc.エトセトラ 、老いが暮らしの辻々にひょいと顔を覗かせて意地悪をしてくれる。
それもまた楽しからずや、迷走のうえ愚図った台風一過、残暑とは名ばかりの炎天の昼下がりの事でした。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1358
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