※ ドイツ ‐ フランクフルト/シュテーデル美術研究所編(6) ‐ 中欧美術館絵画名作選(119)
初期ネーデルランド絵画期に、神の手をもつ男と称えられたほど卓越した技量を持ったヤン・ファン・エイク(1390-1441)。
彼の作品はこれまでにも、傑作 「<アルノルフィーニ夫婦>」(1434年/ナショナル・ギャラリー蔵)や 「<教会の聖母子>」(1438-40年頃)を上げた。
その彼の 「ルッカの聖母」(1436年/65.5×149.5cm)が今回の作品。
本作は、19世紀始めの頃、ルッカ公のカルロ2世が所有していたため、そのように呼ばれているようだ。
ちなみに、聖母マリアのモデルは、エイクの妻マルフリートだとされているようだが定かではない。
余談だが、“ オペラ・蝶々夫人 ” の作曲家プッチーニが生まれた町でもあるルッカ、フィレンツェから<ピサ>へ遠足した折に、ルッカ行の電車に乗ったことがある。
前書きが長くなったが、四体の獅子の飾りがある玉座に座った聖母マリア、その左手には聖職者が手を清めるための聖水の入ったボウルが描かれていることなどから、ミサ聖祭の場面を描いているというのだが?
それにしては玉座に比して祭壇が狭く、ここが小さな礼拝堂であることを示唆しているとの説に同調できても、ミサの最中に乳を含ませるという構図は斬新?過ぎておいそれと理解が出来ないのだが、さて。
そんなことで、まだまだ取り上げたい作品もあるが、次回でもってシュテーデル美術館編を終えることとする。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1455