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著書『芸術家たちの生涯』
『ほんとうのこと』
『ねむりの町』ほか

8月28日・シェリル・サンドバーグの功績

2016-08-28 | ビジネス
8月28日は、シェリル・サンドバーグの誕生日である。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のフェイスブックの最高執行責任者(COO)である。

シェリル・カラ・サンドバーグは、1969年、米国ワシントンDCで生まれた。ユダヤ系の家庭で、父親は眼科医、母親は元フランス語の教師で博士号の持ち主。シェリルは3人きょうだいのいちばん上だった。2歳のとき、一家はフロリダ州の北マイアミビーチに引っ越し、彼女はそこで育った。高校時代にはエアロビクスを教えていた。
18歳でハーヴァード大学に入った彼女は、経済学専攻の学生のうちでトップの成績を修め、ジョン・ウィリアム賞を受賞。卒業後、同大学のビジネススクールで学び、26歳でMBA(経営管理学修士)を取得した。
その後、ビル・クリントン政権時代の合衆国財務省で首席補佐官として働いた後、32歳の年に、世界最大の検索サイトであるグーグルに入社。 グーグルのグローバル・オンラインセールス部門の副社長となり、社の生命線である広告部門の指揮をとった。
38歳の彼女は、グーグルのストックオプションによって、すでに数百万ドル(数億円)の資産をもつ億万長者だった。彼女はグーグルを辞め、シリコンバレーにあるべつの会社へ移籍しようとしていたが、フェイスブックの創業者・最高経営責任者(CEO)であるマーク・ザッカーバーグに誘われた。ザッカーバーグは彼女の家まで押しかけて延々と口説いた。そのときのことについて彼女はこう言っている。
「『彼は帰らないんです。』と彼女がインタビューで話した。『このことは本に書いてね。とにかく私の家から出ようとしなかったわ』」(デビッド・カークパトリック著、小林弘人訳『フェイスブック 若き天才の野望』日経BP社)
熱心な誘いに屈した彼女はフェイスブックの「ナンバー2」COOとして迎えられた。すでに巨大な国際的サービスとなりながら、まだろくに収益を上げていなかったフェイスブック社を、彼女は収入のあるまともな会社へと変身させた。2012年、彼女は経済誌「タイム」が選ぶ「世界でもっとも影響力のある100人」に選ばれた。彼女のもつストックオプションは、時価10億ドル(約1000億円)以上と評価されている。

ネット上に、米国の証券取引所委員会が公開している上場企業の資料があって、そこにあったサンドバーグの給料がおもしろかった。
2012年の基本給が、CEOのザッカーバーグが50万ドル、COOのサンドバーグが34万ドル。
夏のボーナスは、ザッカーバーグが7万5446ドル、サンドバーグが6万4230ドル。
冬のボーナスは、ザッカーバーグ19万0655ドル、サンドバーグが21万2500ドル。
と、トータルではザッカーバーグのほうが給料はいいけれど、ボーナスだけを見ると、サンドバーグのほうがたくさんもらっている。フェイスブックで彼女がいかに大事にされているかがわかる。(http://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1326801/000119312513178090/d493645ddef14a.htm)

サンドバーグがフェイスブック社に入ったとき、まだ同社は何によってお金を得るか意見がばらばらだった。フェイスブックの全会員から月1ドルずつ会費を募るという案もあった。そんな状態の社内をサンドバーグが説得し、ネット広告に意志統一をし、フェイスブックはようやくオタクのウェブサイト会社から、利益が出るふつうの企業になった。
(2016年8月28日)



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