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週間新潮・文春の品性・・・橋下元知事の暴露記事

2011-11-03 10:04:46 | マスメディア
 新潮45の11月号に続いて、週刊新潮(11月3日号)と週刊文春(同)は橋下元知事の出自や親族などに関する暴露記事を載せました。父親が暴力団と関係があったこと、地区に住んでいたこと、親族に犯罪者がいたことなどを暴露する内容のようです。

 市長選挙前で問題だという意見ありますが、それよりもこんなプライバシーの侵害行為があっていいのかと驚きます。2社が同時に載せたわけですから、多分週刊誌業界では許容範囲なのでしょう。

 いくら公人といっても本人の仕事と関係ないことをここまで書くのは下劣なだけでなく卑怯です。卑怯という言葉は最近あまり使われなくなりましたが、かつてはもっとも言われたくない言葉でした。しかしこういう記事が日常的になれば卑怯という概念も衰退することでしょう。

 週刊誌の信用度は決して高くないですが、数十万部が発行される影響力の強いメディアであり、新聞には劣るものの公共的な性格もあります。それが怪文書のようなものをバラ撒けば、出自などのプライバシーを探り出して公表することはやってもいいこと、という風潮を作ります。有名人の秘密を嗅ぎ出して売る探偵まがいの「ビジネス」も流行ることでしょう。このような週刊誌はモラルの破壊者です。

 橋下氏は自身の子供について

「子供は、事実を初めて知った」
「公人本人はどうでも良い。自分で選んだ道だから。では公人の家族はどうなんだ?」
「公人の子供であれば、超プライバシーにあたる事項も全て公開か。子供は自分でも知らなかった今回の週刊誌報道にかかる事実をこれから背負わされる。週刊誌はそのことに関してどう考えてるのかね」 と語ったそうです。

 橋下氏の言い分はまったく当然のことだと思います。もっと強い言葉を使って非難してもよいくらいです。

 新潮45は売り切れ店が続出したそうで「商売」は大成功した模様です。週刊誌の方もきっとよく売れたことでしょう。しかしその売り上げ金のために出版社は魂を売ったと言われても仕方ないでしょう。元々あまり良質の魂とは言えませんが。

 出版社は売れなければ生きていけないので、売らんがための競争が背景にあるのでしょう。一般的には競争は消費者にとってよいことです。車や家電に見られるように普通の商品では客観的な評価がある程度可能ですから、よい商品が売れ、たいていは全体としてはよい方向に進みます。

 しかし週刊誌の世界はそうではありません。売りものは有名人プライバシー暴露などの興味本位のものや、放射線の恐怖といった不安を煽るものなどであり、競争はむしろ記事の質を下げる方向に働くと思います。それは今の週刊誌の質をみれば明らかです。

 記事の質を保っていたのは制作者の矜持であったと思われますが、近頃はその矜持がカネの力に屈したと言えるでしょう。他の業界ならともかく、メディア業界のモラル低下は社会をも巻き込むところが困ったところです。


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