パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

星の旅人たち ★★★★

2012年10月29日 | は行の映画

あらすじ:カリフォルニア州の眼科医トム・エイヴリー(マーティン・シーン)のもとに、ある時、一人息子ダニエル(エミリオ・エステヴェス)の訃報が届く。“世界を見たい”と旅立ったスペイン北西部サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の途中で、不慮の死を遂げたのだ。父子の関係は、決して良好なものではなかった。ダニエルは何を想い、巡礼の旅に出たのか……。
一人息子の遺灰をリュックに収めたトムは、ダニエルが志半ばで倒れた旅を継ぐことを決意。しかし、800 キロに及ぶ長旅は、60 歳を超える老体にとって容易なものではなかった。旅の途上、トムが最初に出会ったのは、減量のため巡礼の旅に出た人懐こいオランダ人のヨスト(ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン)。
成り行きから2人は旅の同伴者となるが、トムが息子の遺灰を撒いていることを知り、ヨストは衝撃を受ける。次に宿泊所で出会ったのは、カナダ人女性のサラ(デボラ・カーラ・アンガー)。ヘビースモーカーで厭世的な彼女は、トムに対しても理不尽な怒りを表す。イラーチェへと向かう草むらで出会ったアイルランド人のジャック(ジェームズ・ネスビット)は、スランプに陥った旅行ライター。
トムが息子の遺灰とともに旅していることをヨストから聞いた彼が、それをサラに話すと、サラも自分自身の過去をトムに打ち明ける。かつて夫からDVの被害を受けていたこと、離婚して赤ん坊だった娘を手放したこと……。その日、ランチでワインを飲んだトムは、他の3人に悪態をついた挙句、昏倒して警察の厄介になってしまう。
その窮地を救ったのは、3人の仲間たちだった。保釈金を肩代わりしてくれたジャックに、トムは自分の旅の目的と息子ダニエルのことを話し始める。こうして4 人が家族のような親密な絆で結ばれた矢先、トムのリュックが少年に盗まれてしまう。遺灰を失い、旅の目的を見失ったトムは、巡礼を続けることができるのか…?(作品資料より)

<感想>サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅ではフランス映画の「サン・ジャックへの道」を思い出す。兄妹3人の仲が悪く疎遠で、母親が心配して自分が死んだことにして、遺言状に3人の子供たちを巡礼の旅に立たせる。旅をする途中で喧嘩をしながらも、最後には兄妹仲良く目的地の教会に辿り着く。
本作では、父親と一人息子とが疎遠だったが、突然訃報が届き息子の遺体を引き取りに行く父親。そこで息子の意志を継いで、息子の遺灰と共に二人で巡礼の旅に出る。この映画の監督は、主人公トムを演じたマーティン・シーンの息子エミリオ・エステヴェス。彼は劇中の中で息子役ダニエルも演じている。ところどころに、ゴーストとなってダニエルの姿が現れ、父親と目線が合い微笑む姿も見られます。
フランス側からサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅は、決して楽な旅ではない。日本の四国八十八カ所巡りとは大違いだ。道のりは険しく、800キロの旅は徒歩だと2・3カ月はかかる。歩きながら、息子の遺灰を置くシーンには、つい胸が締め付けられる。途中天候に恵まれるとは限らなく、次の宿まで着くのが遅くなり野宿をすることも。

この作品の中では、実際に60歳を超えているマーティン・シーンが、リュックを背負い歩く姿が映し出されるが、撮影は車で3週間という期間で行われたと言う。旅の同行者は、肥満体のヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲンに、ヘビースモーカーのデボラ・カーラ・アンガーと、旅行ライターのジェームズ・ネスビット。
3人の同行者との絡みは、自然に友情と絆なが生まれ人間的で好きです。でも、トムが旅をする途中で、酒に酔って3人に絡み警察に捕まってしまう場面や、疲れて一休みするのに橋の欄干にリュックを解く時、リュックが川に落ちてしまい流されるシーンでは、本人が老体にもかかわらず自ら川に入ってシーンを撮ったという。この川でリュックが流され、自分も泳ぎながら流される過酷なシーンには、こんな過酷展開なんて無くてもと思った。

もちろん粗末な宿ばかりではない、豪華なホテルに泊まることもある。警察に捕まりみんなが心配して保釈金を出してくれたお礼といって、トムが大盤振る舞いだ。ところが、みんな個別に泊まったのはいいが、結局トムの部屋に酒を持ち寄って酒盛りが始まる。
だがいいことばかりではない。最後の近くでジプシーの少年に大事なリュックを持ち逃げされるシーン。これも土地柄で、ジプシーに盗られたら戻ってこない。諦めろとみんなに言われる。息子の遺灰もない。これでは旅を続けるの意味もなく無理というもの。カリフォルニアに帰ると言い出すトム。
だが、映画はいい方向へと展開する。リュックを盗んだジプシーの少年の父親が、謝りに来て自宅のパーティに招待してくれた。次の日は、街の堺までリュックを持って見送ってくれ、世の中そんなに悪い人ばかりではない。この時ジプシーの父親が、教会に着いたらその後に、スペイン最西端の海へ息子さんの遺灰を撒くといいと教えてくれる。そこは荒々しい波が押し寄せて、穏やかで美しい海ではなかったが、心が洗われた気がした。
3人の同行者も、本当は教会で別れるのに最後まで付いて来てくれた。巡礼の目的は違えど、過酷な旅の道ずれは最高の友達なのだ。肥満体のヨリックが来年の牛追い祭りに参加すると言ってたので、トムもきっと来年はスペインへやってくるに違いない。とても清々しい気分にさせてくれ、巡礼の旅の風景も奇麗で、途中の宿泊所とか教会など撮影されて、自分もこの巡礼に参加した気分を味わう。
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