パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

最高の花婿 ★★★

2016年11月25日 | DVD作品ーさ行
ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲(フランス映画祭2015)2016年3月19日公開
4人の娘たちの結婚相手は、みんな外国人!?こんなありえない家族に、果たして平和は訪れるの?
2014年のフランスで興行成績第1位の大ヒットを記録した痛快風刺コメディ。フランスの伝統的なカトリック教徒の家庭を舞台に、4人の娘たちが揃いも揃って異国の男たちと結婚してしまい、偏見や文化の違いから次々と諍いやトラブルが巻き起こるさまをコミカルに綴る。出演は両親役に「ミッション・クレオパトラ」のクリスチャン・クラヴィエと「ディディエ」のシャンタル・ロビー。監督は脚本家としても活躍するフィリップ・ドゥ・ショーヴロン。
あらすじ:フランスのロワール地方に暮らすクロード(クリスチャン・クラヴィエ)とマリー(シャンタル・ロビー)のヴェルヌイユ夫妻。敬虔なカトリック教徒の2人は、三女の結婚式にもどこか浮かぬ顔。というのも、長女と次女の花婿がアラブ人とユダヤ人で、今度は中国人。決して差別主義者ではないものの、娘の結婚式をカトリックの教会で挙げるというマリーの夢もいまだ叶わぬまま。そんな夫妻にとって、いまや最後の砦となった末娘ロールがついに結婚することに。彼女によると相手はなんとカトリック教徒。それを聞いた夫妻は大喜び。ところがいざ挨拶にやってきた婚約者シャルルは、コートジボワール生まれの黒人だった。これにはクロードばかりか3人の婿たちまでが猛反対するのだったが…。

<感想>多様な人種が混在するフランスを背景に、4姉妹の結婚をめぐる騒動を映し出している。「なんでこうなっちゃうの?」を意味するフランス語の原題どおりのコメディーです。
フランスの白人中流家庭。一家の四人の娘たちが、それぞれアフリカ人、中国人にアラブ人、ユダヤ人など異なる人種の男たちに恋して、結婚式をあげるハメになり、両親はあわてふためく様を面白おかしく喜劇スタイルで描いている。

最初のユダヤ教の婿殿の子供の割礼ネタで、孫の割礼した皮膚を庭の木の下に埋めるという習わしに、庭のないアパート暮らしのユダヤ人の婿殿は、両親の庭に埋めてくれと頼むも、庭で穴を掘っていると、飼っている犬がそこに来て孫の割礼した皮膚を、食べてしまうというハプニングも面白い。

その後は、娘の母親の鬱病に、熟年離婚、文化の違いや、宗教や食べ物など、それに言葉の壁は共通のテーマですが、今作ではフランス語でみな通じるので、娘や花婿や相手の親たちが出会っての会話が、飛び切りはずんでおかしくて楽しめます。

娘たちはそのことにまったくこだわらずに平然としているのに、意地になって見栄を張ったりするのは男たち、婿殿の方である。むしろ多国籍・多人種の方が、今後あるべき家族かもと思えてくるから不思議だ。

末娘には同じカトリック系の婿どのを期待する両親だったが、彼女が選んだのは、同じ宗教を持つ黒人青年だった。両親はフランス人の男を末娘の相手にと、家に招待したのだが、それが背が低いしブス男でがっかりした。

それに、ラストの方で、アフリカから両親が飛んで来て、フランス人の嫁の両親と対面するのだが、母親の方は何とか宗教が同じで教会へいき意気投合する。
ですが、問題は父親同士で、話し合おうとはせずに、娘の父親は釣りに行き末娘の婿殿や父親とも会おうとしないのだ。挙句に両親の離婚騒ぎが勃発して、末娘は結婚を止めようかと悩む。

本国のフランスでは、1200万人が見たというから驚いた。フランスの観客が求めていた語りの形式がここにあったと想像するしかないのだけれど、どれだけベタでご都合主義であろうとも、異人種・異文化という決して容易くないテーマを、このようにした作品に観客が駆けつけて劇場で共に笑い声をあげるということに意味があると思う。
2015年にフランスで不幸なテロ事件があったが、それを思うと、家族的なユートピアで、多様性を語る理想の限界も感じるのだが、とはいえ、異質なる者への意識が低い日本人としては、おおいに勉強になりました。
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