パピとママ映画のblog

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最高の人生をあなたと★★★.5

2016年03月26日 | DVD作品ーさ行
英ロンドンを舞台に、60歳を過ぎて第二の人生を歩み始めた女性が理想の人生を模索しながら奮闘する姿を描いたヒューマンドラマ。ふとしたきっかけで、これまでの人生や夫婦の老後について思いをめぐらせるようになる。メアリーが老いを実感する一方で、アダムは若手スタッフとの共同作業に熱意を燃やし、2人の仲は次第にぎこちなくなっていくが……。監督は、名匠コスタ=ガブラスの娘で「ぜんぶ、フィデルのせい」(2006)で長編デビューしたジュリー・ガブラス。
出演はメアリーにイザベラ・ロッセリニー、夫のアダムにはウィリアム・ハートが演じている。
教職を辞めて主婦となったメアリーと、世界的な名声を得た建築家、夫のアダム。2人の結婚生活は30年に及び、3人の子供たちも独立。孫にも恵まれ豊かな人生を送っていたかに思えたが、鏡で見る自分やスポーツジムでの自分に“老い”を感じるメアリーと、若いスタッフとの新プロジェクトに情熱を燃やすアダムは、徐々にすれ違っていく。

<感想>バス席で席を譲られたり男性からの視線を感じなくなったり、メアリーは社会生活の中で、老いを感じざるを得ないシチュエーションを何度も経験します。でも80歳には程遠い。60歳前後という年齢では、まだまだ現役でありたいという感覚を捨てきれないですよね。
それでもやはり、50歳を過ぎたあたりから“老い”を念頭におかないと。それに日本社会では、そのシステムがうまく機能していると思いますね。管理職っていうのもあって、現役との間に一線が引かれているから。管理職は口だけ出せばいい。そしてその頃から自分たちの経験を伝えて部下を育てるということをするわけです。

現役じゃいられなくなる、心の準備をしておいて。と社会システムに暗に言われる。本作でもメアリーは自分の老いを意識して積極的にそれを受け入れるように見えましたが、「ただ、あなたも私も老いてきたのよ」と、夫に認めさせようとする姿勢は適切とは思えません。一見対等に見えますが、男と女という身体の構造の違いとか、その人それぞれの生き方や考え方でも違ってくる。老いているということを分からせてやると、力づくでなんてダメです。

それより奥さんが忘れっぽくなってダメですね。眼鏡を何処へやったかしらと言えば、旦那さんが「俺も探すよ」と一緒に探して、かがんだ時にあっと、腰が痛い。それでもう、二人ともダメなんですね。つまり自分の欠点をさらすことによって相手と和解することが大事なんです。

お互いの脇の甘さというものを認め合う。老いたということの面白さ、弱さを認め合う。若い時は俺が目立ちたい、俺が勝と自分のことしか考えていませんが、老いていくとそれがなくなっていくのです。代わりに人のためにと考えられるようになれると最高ですね。

相手の弱さを理解出来るようになったから、実は、弱さを認めるように考えをシフトしただけなんですけどね。老いという現実を受け入れることによって、また新しい人生に進むことができると。でもシフトしようとしても実際は、やはりいつまでも若くいたいと思ってしまう。しかし、身体が思うように付いていけませんね。無理しない程度に自分のシフトチェンジをしようではありませんか。その時には、今は幸せかもと思うはず。

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