TVムービー『地下室の魔物』のリメイク。欧米に伝わる子供の歯を食べる邪悪な妖精“トゥースフェアリー”をモチーフにしたショッキング・スリラー。製作・脚本は、「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロ。監督は、イラストレーターのトロイ・ニクシー。出演は、「バットマン ビギンズ」のケイティ・ホームズ。
あらすじ:建築家アレックス・ハースト(ガイ・ピアース)はロードアイランド州プロヴィデンスの郊外で、家主の失踪によって100年近く放置されていた屋敷ブラックウッド邸に、助手で恋人でもあるインテリア・デザイナーのキム(ケイティ・ホームズ)と住み込み、修復に携わっている。
彼には、ロスで暮らす別れた妻と小学生低学年の娘サリー(ベイリー・マディソン)がいた。アレックスとキムは、両親の離婚で心を閉ざしたサリーを屋敷に呼び、一緒に暮らし始める。屋敷に来たサリーは、通風孔の奥から何者かが話しかけてくるのを感じる。翌日、サリーは地下室を見つけ、アレックスに伝える。
祖父の時代から屋敷を管理してきた使用人ハリスの制止を振り切り、アレックスは封印されていた地下室に入っていく。そこは、著名な動物画家だった家主ブラックウッドのアトリエだった。
サリーは地下室で、厳重に封印された小さな扉を見つける。夜な夜な話しかけてくる声がそこから聞こえるのに気づいたサリーは、大人の目を盗んでその扉を開ける。その夜、扉の奥から這い出した小さな魔物たちは悪戯を始める。魔物たちは、子供をさらいその歯を食べる“トゥースフェアリー”という邪悪な妖精だった。
ハリスは地下室の小さな扉が開いているのに気づき閉めようとするが、魔物たちに襲われ瀕死の重傷を負う。
サリーは魔物たちの仕業だと2人に告げるが、彼らは信じなかった。しかし、ハリスの見舞いに行ったキムは、サリーを屋敷から逃がすよう言われ、公立図書館で屋敷に関する公式記録を見るよう助言される。
記録には、約100年前トゥースフェアリーが原因でブラックウッドと8歳の息子が行方不明になったことが記されていた。キムはただちに屋敷から逃げるべきだと主張するが、その夜には屋敷修復のスポンサーを集めたパーティーが予定されていた。しかしパーティーの最中、サリーが魔物たちに襲われる。アレックスも脱出を決意するが、群れをなした魔物たちは彼らに襲いかかる。(作品資料より)
<感想>ギレルモ・デル・トロがリメイク権獲得から16年来の企画を実現させたファンタジー・ホラー。おぞましい妖精が登場する“おとぎ話”をグロテスクなクリーチャー造形などオリジナル版にアレンジを加え、より不気味に仕上げています。
元ネタは1973年制作のTV映画「地下室の魔物」。子供時代に見て最も怖かった映画だったというデル・トロは、自ら権利者を見つけ出し、リメイク権を獲得。
邪悪な妖精トゥースフェアリーをビジュアル化し、独創的なクリーチャー・ムービーを生み出した。そのクリーチャーのデザインが、本当は実寸以上のセットを作り、人間にスーツを着せて演じさせる方法も考えたそうで、だが、予算がないので本作ではCGを使ってちょっと子供に見せるにはキモイ、グロテスクなネズミと蜘蛛が合体したような言葉を話す、頭のいいクリーチャーがお目見えする。
だからって言うわけではないが、ホラー色の濃い映像に仕上がっている。でも、こういうグロテスクなクリーチャーは見慣れているので、そんなに怖くはありません。主人公のサリーが地下室から聞こえる声に興味を持ち、そして恐ろしい現象が起き、実際にサリーの寝室のベットまで忍び込む小さな妖精たちが不気味です。それに地下室の通風孔を開けると、穴が奥深く掘り進みそこからワラワラと小さなクリーチャーが出てくるのですから。可愛いというよりもキモイ、グロ、凶暴、そんな感じです。
パパに話しても聞き入れてくれません。離婚で母親と離ればなれになっているので、娘の我儘と思っているようです。サリーはこんな怖い物がいるこの屋敷から出ようと、家でをするのですが、パパに引き戻されてしまいます。
ですが、トゥースフェアリーたちは子供のサリーの歯を狙っているわけで、なんとかして地下室へと、サリーをその通風孔の中へと引っ張り込もうとする。それをパパの恋人のキムに相談したところ、本気にしてくれてどうやら光に弱いという弱点を見つけポロライドカメラをプレゼントしてくれる。パパは屋敷を高く売りつけることばかり考えているので、そんな娘の話しを聞き入れないのだ。
ところが客人を呼んでのパーティの夜に、サリーがクリーチャーに地下室へさらわれ、キムが助けに行くも自分が餌食になり通風孔の穴の中へと引っ張り込まれる。パパの方は、これは一大事と客を返してガレージへ車を出しに行くと、そこへクリーチャーたちがたくさん押し寄せてきて襲いかかる。
ドアの鍵穴を覗くパパに、反対の鍵穴から鋭い針のようなものを突き刺すクリーチャー。危なく目を刺されるところだった。
ギレルモ監督の作品では「パンズ・ラビリンス」が有名ですが、あれは子供が母親の再婚で寂しい森の中へ連れて行かれ、怖い厳格な義父に虐められ森の中にある井戸のようなところに、お伽噺の国があることを信じて迷い込んでしまう。
こちらもそのような、子供をさらって歯を食べる邪悪な妖精トゥースフェアリーというお伽噺のようにも取れますが、後半から次第にお伽噺どころか、身も凍る恐ろしい地下室に潜んでいる、邪悪なクリーチャーに襲われてしまうという怖いお話になっている。
それに、通風孔の穴へ引きずり込まれたキムはどうなったの?・・・声は聞こえるのに、レスキュー隊とか頼んで地下室の通風孔を壊して見るとかしないのよね。犠牲者がパパの恋人で、せっかくサリーとの間に母娘の愛が生まれて、サリーの継母になるはずだったのに。
ただ、何度も主人公のサリー役のイリー・マディソンの絶叫シーンにびっくりさせられ、彼女の叫ぶ声の凄まじさには参りましたね。ファンタジーどころか、おどろおどろとしたホラー・サスペンスになっているのも不満です。
地下室に子供がというと「永遠のこどもたち」を思いだしますが、あちらの方がいかにもホラー・サスペンスで、物語がよく出来ていたように感じました。
2012年劇場鑑賞作品・・・21
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彼には、ロスで暮らす別れた妻と小学生低学年の娘サリー(ベイリー・マディソン)がいた。アレックスとキムは、両親の離婚で心を閉ざしたサリーを屋敷に呼び、一緒に暮らし始める。屋敷に来たサリーは、通風孔の奥から何者かが話しかけてくるのを感じる。翌日、サリーは地下室を見つけ、アレックスに伝える。
祖父の時代から屋敷を管理してきた使用人ハリスの制止を振り切り、アレックスは封印されていた地下室に入っていく。そこは、著名な動物画家だった家主ブラックウッドのアトリエだった。
サリーは地下室で、厳重に封印された小さな扉を見つける。夜な夜な話しかけてくる声がそこから聞こえるのに気づいたサリーは、大人の目を盗んでその扉を開ける。その夜、扉の奥から這い出した小さな魔物たちは悪戯を始める。魔物たちは、子供をさらいその歯を食べる“トゥースフェアリー”という邪悪な妖精だった。
ハリスは地下室の小さな扉が開いているのに気づき閉めようとするが、魔物たちに襲われ瀕死の重傷を負う。

記録には、約100年前トゥースフェアリーが原因でブラックウッドと8歳の息子が行方不明になったことが記されていた。キムはただちに屋敷から逃げるべきだと主張するが、その夜には屋敷修復のスポンサーを集めたパーティーが予定されていた。しかしパーティーの最中、サリーが魔物たちに襲われる。アレックスも脱出を決意するが、群れをなした魔物たちは彼らに襲いかかる。(作品資料より)

元ネタは1973年制作のTV映画「地下室の魔物」。子供時代に見て最も怖かった映画だったというデル・トロは、自ら権利者を見つけ出し、リメイク権を獲得。
邪悪な妖精トゥースフェアリーをビジュアル化し、独創的なクリーチャー・ムービーを生み出した。そのクリーチャーのデザインが、本当は実寸以上のセットを作り、人間にスーツを着せて演じさせる方法も考えたそうで、だが、予算がないので本作ではCGを使ってちょっと子供に見せるにはキモイ、グロテスクなネズミと蜘蛛が合体したような言葉を話す、頭のいいクリーチャーがお目見えする。

パパに話しても聞き入れてくれません。離婚で母親と離ればなれになっているので、娘の我儘と思っているようです。サリーはこんな怖い物がいるこの屋敷から出ようと、家でをするのですが、パパに引き戻されてしまいます。
ですが、トゥースフェアリーたちは子供のサリーの歯を狙っているわけで、なんとかして地下室へと、サリーをその通風孔の中へと引っ張り込もうとする。それをパパの恋人のキムに相談したところ、本気にしてくれてどうやら光に弱いという弱点を見つけポロライドカメラをプレゼントしてくれる。パパは屋敷を高く売りつけることばかり考えているので、そんな娘の話しを聞き入れないのだ。

ドアの鍵穴を覗くパパに、反対の鍵穴から鋭い針のようなものを突き刺すクリーチャー。危なく目を刺されるところだった。
ギレルモ監督の作品では「パンズ・ラビリンス」が有名ですが、あれは子供が母親の再婚で寂しい森の中へ連れて行かれ、怖い厳格な義父に虐められ森の中にある井戸のようなところに、お伽噺の国があることを信じて迷い込んでしまう。

それに、通風孔の穴へ引きずり込まれたキムはどうなったの?・・・声は聞こえるのに、レスキュー隊とか頼んで地下室の通風孔を壊して見るとかしないのよね。犠牲者がパパの恋人で、せっかくサリーとの間に母娘の愛が生まれて、サリーの継母になるはずだったのに。
ただ、何度も主人公のサリー役のイリー・マディソンの絶叫シーンにびっくりさせられ、彼女の叫ぶ声の凄まじさには参りましたね。ファンタジーどころか、おどろおどろとしたホラー・サスペンスになっているのも不満です。
地下室に子供がというと「永遠のこどもたち」を思いだしますが、あちらの方がいかにもホラー・サスペンスで、物語がよく出来ていたように感じました。
2012年劇場鑑賞作品・・・21
