パピとママ映画のblog

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藁の盾 わらのたて ★★★★

2013年04月27日 | アクション映画ーワ行
『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズで知られる漫画家の木内一裕の小説家としてのデビュー作品を、三池崇史監督が映画化したサスペンス・アクション。

凶悪な殺人犯に10億円の懸賞金がかかり、犯人を移送することになった刑事たちの緊迫した道程をスリリングに描く。正義とは何かと揺れる思いを抱きながら、命懸けで犯人を移送する警視庁警備部SPを演じるのは大沢たかおと松嶋菜々子。少女を惨殺した殺人犯には藤原竜也がふんする。常に油断できない展開であっといわせる三池監督の演出が、サスペンスで生かされることが期待できる。

あらすじ:政財界を牛耳る大物・蜷川の孫娘が惨殺された。容疑者は8年前にも少女への暴行殺人事件を起こし逮捕され、出所したばかりの清丸国秀だった。全国に指名手配され、警察による捜査が続くが、行方はわからない。事件の3ヶ月後、大手新聞3紙に「この男を殺してください。清丸国秀。御礼として10億円お支払いします。蜷川隆興」という前代未聞の全面広告が掲載された。「人間の屑を殺せば、10億円が手に入る…」日本中が俄かに殺気立つ。新聞広告が掲載された直後、身の危険を感じた清丸は福岡県警に自首してきた。彼の身柄を警視庁まで移送する為に、警察組織の威信を賭け、精鋭5人が派遣された。“人を殺して金を得る”そんな常軌を逸した行動を取る人間が出てこないことを祈るも、相次ぐリストラ、倒産により生活に困った人達が保険金を残すために首をつる世の中…。追い詰められた人間、そして全ての国民の殺意が清丸の命を狙い、執拗に追いかけてくる。いつ?誰が?何処から襲い掛かってくるか分からない緊張状態の中、5人の精鋭は清丸を警視庁まで移送出来るのか…?(作品資料より)

<感想>久々に無責任に楽しめる娯楽サスペンスである。主人公のSPたちが護らなくてはならないのは、極悪の犯罪者である。逮捕起訴されれば死刑は免れないだろう。言わば「死すべき者」なのだが、その犯罪者の暗殺を指示して、10億円の懸賞金をかけたのは、可愛い孫娘をその男に惨殺された余命いくばくもない大富豪。つまりこの暗殺ゲームは「死にゆく者」の遺言でもあるのだ。万死に値する死すべき者を生かし、同情の余地ある死にゆく者を裁かざるをえないという、司法の大義名分の下で物語は展開し、主人公たちは困惑し、憤慨し怒り、何度も何度も正義について自問自答を強いられていく。

目的地が近づくにつれて彼らが護っている者に、その価値がないことが加速度をつけて明らかになっていく、その過程がギリギリと歯を噛みしめるような焦燥感を見る者に与えていく。なぜなら大富豪によって彼の暗殺を扇動されたのは、1億5千万の全日本国民であり、この1億5千万の中には、もちろん私や観客も含まれているからなのだ。
同情の余地もない悪の化身を演じた藤原竜也の憎たらしい怪演のせいもあるだろうが、
アクションとしての一番の見せ場は、護送団を襲ったトラックがパトカーを蹴散らしてクラッシュ!、回転、大炎上。新幹線内でのヤクザと思われる男たちによる銃撃戦、ここで刑事の神箸が死亡。誰も知らないはずの移送ルートが、何故かネット上で筒抜けに。まさかチームの中に密告者が?・・・と疑い始め4人で身体検査を行い、捜査一課の奥村の腕にGPSのチップが埋め込められていた。結局人間10億という金に操られる。
主人公たちが傷つき追い詰められていく様を見ている者たちは、みな「いつしか、死ねばいいのに」と呟く自分に気づき、はっとするはず。必死に使命を全うしようともがく大沢たかおや、松嶋菜々子の姿は、見る者の希望であり理性なのだが、同時に不愉快で後ろめたく、どす黒い衝動の矛先でもあるのだから。
自動車を強奪して裏道を通って東京を目指すも、必死の彼らをあざ笑うかのように脱走を試みる。つまり松嶋演じる刑事(原作では男)が隙を見せた直後、地面のチェーンで松嶋を殴り拳銃を奪い撃つ。これは女刑事の甘さであり誤算でもある。それが、やっと東京へ辿り着いたのに、安心したのか清丸を放置。蜷川の爺さんの仕込み杖の刀で今度は主人公が盾となって清丸に刺されるのだ。この最後は原作とは違っていた。

要人護送というのは犯罪小説の重要なジャンル。ありそうもない設定が、走り出したらもう止まらない。更に危険度が加速され、まったく目が離せないのだ。護送車で福岡を出発するときの、大量の警察官や機動隊員、マスコミ、野次馬などに囲まれたものものしい映像など、こちらまで現場にいる気分になってしまう。SPたち5人が一人ずつ、しっかり見せ場をもらって命を落としていくのもいいですね。裏切り者はその動作で察しはついたが、タイムリミット映画としても最高の面白さで良かった。
ラストには一つの結論が下されるわけだが、その結論は満場一致の正義には成りえない。最期の最期まで焦り、痺れきって終わる。
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