パピとママ映画のblog

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キャプテンハーロック3D ★★★.5

2013年09月12日 | アクション映画ーカ行
『銀河鉄道999』シリーズと並び称される松本零士の人気コミック「宇宙海賊キャプテンハーロック」を、およそ30年ぶりにアニメ化。宇宙海賊として地球連邦政府に反旗を翻すハーロックの活躍を、彼の暗殺命令を受けた男との対峙(たいじ)を絡めながら映し出していく。巨額の製作費を投入し、脚本に『ローレライ』「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」などの原作でも知られるベストセラー作家・福井晴敏、監督には『エクスマキナ』などの荒牧伸志を起用。英雄譚の王道をいくストーリーに加え、壮大なビジュアルにも目を見張る。

<感想>海賊ものとSFを融合させた革新的な作品である。人々が地球を離れた遠い未来。ドクロの旗のもと自由奪還を掲げる宇宙船・アルカディア号で星の海を行く宇宙海賊。その頭目が、黒尽くめのコスチュームをまとった隻眼の男、キャプテンハーロックである。長きにわたり国内外で人気を博した原作が、ついに3000万ドルの巨費を投じて世界視野でのCGアニメーション映画化が実現された。
吹き替えは、ハーロックの声を小栗旬が、彼と対峙する青年ヤマの声を三浦春馬が務めている。映像は本当に観たことのない技術というかクオリティで、美しい宇宙での戦闘シーンは衝撃的で圧巻で、CGアニメとあなどるなかれという感じですかね、興奮しました。

物語が、銀河の果てまで進出するも、開拓精神を失った人類が、故郷・地球での居住権を巡って勃発した“カムホーム戦争”。この戦争で地球を守り英雄と呼ばれたハーロックが、戦争後、宇宙海賊となって地球を守る組織ガイア・サンクションへ反旗を翻す。ハーロックは何故反逆者となったのか?・・・その真相を調べ、彼を暗殺する閉めを帯びた工作員ヤマは、アルカディア号に潜入する。

今作の特徴は、ミステリアスなハーロックの真実を、新たに設定されたキャラクター、ヤマの視点から描いていることでしょう。ハーロックは多くを語らず行動で示す男!・・・さらに今作では呪われた存在で100年近く生きているとされ、不死身の身体なのかは明らかにされてませんが、ダークなイメージでかっこいいです。

ヤマは過去に、ある過ちを犯し(緑の木、草花の温室を壊して、兄を不自由な体にしてしまう。その兄の妻も植物人間状態に)その呪縛から自分を解き放つことが出来ていないでいる。だから、兄の命令でアルカディア号に潜入し、ハーロック暗殺の指令を受ける。未成熟でどこか危うい部分を持った青年が、ハーロックと対峙することで、ゼロから成長していく。
しかし、青く綺麗な地球がホログラムだったのには驚く。本当の地球は、人間が住めない地球だった。そこに、亡くなった母親が花の種をまき、白い花が一面に咲いているのに、地球の未来が希望が、あると信じて突き進む。
地球を守るガイア・サンクションは、まるで「スター・ウォーズ」のようで、元老院の長老があれこれと煩くいい、白い軍隊なんてほとんど真似っこでしょう。確かに、松本零士が原作を描いた時期が「スター・ウォーズ」とほぼ同時期だというから、仕方ないか。
でも、宇宙空間での艦隊戦で、ハーロックは型破りな戦いを見せる。死角をついてワープで接近し、敵艦へアンカーを打ち込む。さらに、ワイヤー伝いにパワードスーツを着た乗組員たちが敵艦に乗り込み、白兵戦を挑む。まさにガチの海賊スタイルは見応え十分。

宇宙海賊のシンボルマークといえばやっぱドクロ!海賊としてのアイデンティティのみならず、何者にも捉われない魂と、命を捨てて生きる覚悟の象徴とされ、アルカディア号の船首から乗組員のスーツ、武器にまでドクロがあしらわれているのだ。ドクロ入りバンダナが似合う副長のヤッタランは、縞々の服まで海賊風だ。声は古田新太さんがハマリ役でしたね。
海の艦隊戦では、船首の衝角(水際の尖った部分)をぶつけて体当たりする“ラム戦”という戦術がある。黒き宇宙に輝くドクロ。アルカディア号はまさにドクロを衝角代わりに、敵戦艦へ体当たりを仕掛ける瞬間は、まるでドクロが船を喰らうように見えた。敵艦へ突撃する姿はまさに“破壊を呼ぶ死神”といえるでしょう。

普段は艦橋で静かに指揮を取るハーロックだが、乗組員の窮地には自らの命を顧みず、地表下のマグマの中でも、敵の包囲網でも救いに向かう。仲間を助けるべく、愛用の重力サーベルを抜いてガイア・サンクションの白兵士たちを、次々と打ちのめしてゆく姿は、まさに必殺剣士そのもので迫力ある。そんな彼に副長のヤッタラン、紅一点のケイ(声は沢城みゆき)らは、命を託し長い航海を共にする。

ミステリアスな宇宙人のミーメ(声は蒼井優)は、仲間を思うハーロックのよき理解者でもある。守ると誓っても相手に思いが届かない場合がある。ハーロック暗殺の使命を帯びたヤマは、自分の命を救ってくれた彼に、その銃口を向けるが撃てるわけがない。悲しいが兄弟の対決となり、弟のヤマは自分の力で考え生きる術を見出す。敵艦との激戦(このシーンはまるでゲームのようでした)にもめげず、アルカディア号とともに、遥か宇宙へと飛び立ってゆく。
まさにゲームのデモ画面を115分間にわたって見せられたといったところ。これは、同じ監督による「スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン」でも強く感じたこと。妙にワイルドになった“トリさん”には失笑もの。

その時、ハーロックは何故か乗組員となったハルに自分の眼帯を投げて取り舵を任せる。意味深なラストに、トリさんもハルの肩に乗っているし、若い世代交代ということなのかは分かりません。
ハーロックにとってアルカディア号そのものが親友であり、その乗組員はすべて守るべき家族なのだと。彼がアルカディア号に託した思い、彼らがなぜ反逆者となってまで自由に生きようとするのか?・・・物語の深いテーマに触れられます。しかし、画面が暗くて観ずらかった。それと、3Dで観たけど飛び出す映像とかないので、2DでもOKですよ。
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