伐採作業見物その3

2012-04-08 20:47:03 | タナカ君的日常
 樹上で伐採作業している職人さんの作業を見て1番感心したのはロープワークでした。 枝を切断する下準備が完了した様子をTop画像で示しましたが、図の様にメインロープとサブロープを切り離す対象の木の枝に結びつけます。 その結び目の位置は作業者の立ち位置より離れた場所であり、支点となる場所も作業位置から離れた高い位置の枝のY字分岐に置かれます。

 ロープワーク作業に大きな役割を果たす竹竿製の「鈎掛け」は淡い緑色で表示した5mほどの道具ですが、使用しない場合は図の様に適当な位置の木の枝を利用してぶら下げて置きます。

実際の作業の様子と鈎掛けの先端部の様子は昨日の記事の写真をご覧下さい



 さて、樹上の作業者はセルフビレーをとっていますので、動ける範囲は限られています。 しかし「鈎掛け」を使用することで、ロープをかなり広範囲に掛け渡す作業が出来ます。 見ていてとても参考になりました。



1. 高い位置にある支点にロープを通す方法。



 小さく何回か巻いたロープを鈎掛けに引っ掛けて目的の場所まで差し延べて、そこにロープを掛けます。 ロープの先端は小さな結び目が作られています。 この結び目はロープをたぐり寄せる時の良い引っ掛かりになってくれます。



 次いで、目的の場所から上図の如く、垂れ下がったロープを鈎掛けを使って引き寄せます。


2. 離れた箇所にロープを縛り付ける方法。

 まず 1.項と同様にして縛り付ける部分(枝の股になっている箇所)にロープを掛けます。

 ● 垂れ下がったロープをたぐり寄せます。
 ● 先端の結び目は解きます。



 ● 投げ縄の輪が縛り付ける部分に引っかかった如き状態のループを作ります。
    ( 上図参照 )

 ● ロープを引いて輪を絞ります。
 ● 輪を縮める作業に鈎掛けを使う場合もあります。

樹上の職人さんは安全確保のためのセルフビレーを取ってますが、 Topの図の様に腰の安全ベルトから延びたザイルを樹に緩く廻しただけです。 実際には後傾姿勢を取って腰から廻したザイルに体を預け、両足の踏ん張りも含めた簡易な3点支持状態を作り出して作業しているように見えました。 兎に角、両手は自由に使って作業してますから、「大した熟練の技だなあ!」 と作業の様子に見惚れました。

   続く・・・

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