ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

NZ国際映画祭オープニング作品「ポイエ」

2016-07-14 | 映画・文化
今年も始まりました

NZ国際映画祭


今夜はその初日ということでシビックシアターへ



趣味がイイかワルいかは別として(笑)



やっぱりここのライティングは最高



劇場の緞帳は夢の世界への入り口



それを取り囲む空間が



すでに夢の世界であってもいいよね

(※しかし、ここまでやっちゃうかNZ・・・笑)


今年のオープニングを飾ったのは

マオリ映画「ポイエ」


映画を観るまではポイエと読むとも知らず、

「マオリダンスで使うポンポンがポイだから、
マオリの音楽とダンスの話
ぐらいの予備知識ゼロでのこのこ出かけて行きました。


話の舞台がサウスタラナキのパテアという

眠っているような小さな町の話だと知り、ビックリ


パテアは2014年に初めて訪れ、去年も1度通過していました。

町の中心にマオリのワカ(舟)のモニュメントがあり、マオリ度高めの町


通りには空き家になった古い大きな建物ばかりが目立ち

過去の繁栄と現在の衰退のコントラストが印象的でした。


「どんな産業があって、人々は何で食べているんだろう?」
と帰ってきてから思わず調べてしまったほど、何もなかった場所。
そのときの記事がコチラ


19世紀からパテアを支えてきたのが、パテア冷凍工場
冷凍施設がある強みから、一時は世界最大のチーズ輸出基地でした。


しかし、業務の非効率や全国的な過剰供給で1982年に冷凍工場閉鎖。
100年の歴史に幕が下り、町は崩壊寸前の危機に見舞われました。



そんな町が映画になる?しかもマオリの歌とダンスで



70年代にオーストラリアで活躍したマオリポップのミュージシャン、
ダルとして知られるダルバニュス・プライムがその頃パテアに戻り
マオリポップの作曲をしていました。その中で「ポイエ」が誕生
冷凍工場の閉鎖から2年目の1984年のことでした。
(※ちなみに私が大学を出て、日本も出た年・・・・笑)


それを歌うだけでなく踊ったのが、パテア・マオリ・クラブの面々。
工場閉鎖で人が去った町に残っていたマオリの老若男女。
女性は民族衣装でポイダンス、男性は半裸で唱和し、みんなで
「ポイエ~ ポイエ~
とやったわけです


ヒップホップビートのマオリソングは国内ヒットチャートを上昇し
マドンナやマイケル・ジャクソンを差し置いて堂々1位に
この1曲だけを引っ提げてオークランド進出どころか
イギリスまで飛んでエリザベス女王の前で公演するという展開に


映画は片田舎で生まれたマオリの町おこしソングが大ヒットするまでの
道のりをリアルに丁寧に追ったドキュメンタリー作品。


ぺアレパ・カヒ監督自身もマオリで、「ポイエ」が世に出たときは7歳。
そのときの衝撃を当時の録画と生き証人の話を巧みに組み合わせ、
賞賛と自負が入り混じったマオリ目線でメガヒットの誕生秘話と
その後の成功を懐古していく構成。


しかし、「ポイエ」の成功はマオリだけのものではなく、映画の原題が
Poi E: The Story of Our Song (ポイエ:我々の歌の物語)
とあるように、「第2の国歌」とも言われるほど国民的なものでした。
私たちも当然ながらずっと前から知っている耳慣れた曲です。


在住の方なら曲名は知らなくても、聞けばわかることでしょう。

(※大ヒットした映画「ボーイ」のエンディングテーマでもあります)


大喝采で映画が終わった後は招待されていたパテア・マオリ・クラブの
オン・ステージ



ステージの上で延々と続くハグ、握手、そして



ホンギ(鼻と鼻を寄せるマオリの挨拶)



50人ぐらいいたかもしれない全員同士の挨拶が済んで

やっと会場に向き直り


カヒ監督も登場



ギターが届いて



ポイも届いて



準備完了

スチャ


ぃやったぁ

ポイエ・ライブ


会場全体が



「ポイエ~ ポイエ~



歌あり手拍子ありの



スタンディングオベーション

さ、最高
この温かさ、優しさ、素朴さ、強さ、ユーモアとユニークさ
久々にNZ魂を見たような


満席のオープニング、しかもこれがワールドプレミアっていうんだから
スゴい
30年前の町おこし映画で海外に打って出るらしい(笑)
でも製作がソニーピクチャーズだし、アリかも


ちなみに30年前にこのワカの上でブレイクダンスを踊っていた

マイケル・ジャクソンばりにガリガリだったヒゲの青年は


現在こうなってました(笑)

現役ダンサーで映画でも踊りまくり


しばらく頭の中で
「ポイエ~ ポイエ~
がこだましそう(笑)


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