のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1923

2021-07-23 00:28:45 | 新しい子猫たち 
神之助があの将棋の強い子を可愛がったのには 思いがけず レアメタルの斡旋みたいなもので儲けがあって、あの子に金に渡すためと云うのは口実に過ぎない とは神之助グループの金庫番のオッサンも部下も 知っていた。確かに それも完全にないとは言えないが、神之助は いわば寂しいのだと 神之助グループの奴らは知っていた。


神之助は 相場の神 とまで言われた人だが、自分のグループには身内はいない。子供の神帥 は はっきりと実業に傾斜していて、孫たちも みんな実業傾斜している。神元 は 根っからの相場師だったが 奥さんは 実業傾斜していた。元々は相場傾斜していたのに、今では神元グループは 欧州内では大きな資本と知られ、神元の子供たちも実業に向かっていた。神香は芸術家、旦那の善作も元々は詩人、子供たちもみんな自由な仕事に向かっていた。


相場では有名な神之助グループなのに 配下はみんな身内ではない、神之助の資産管理会社はしっかりとしているし、相場を知らない奴には口を出させない組織にしていたが、相場の道は 自分で止まった気がしていた。


香奈もそうなんだが、香奈は全然平気、微妙な親子関係も反映して、瑠璃は相場は嫌い、徹彦は本当にサラリーマンくさい 資本家と云う一見矛盾したようなオッサンになり、身内では相場を継承する奴がいなかったのは同じ、だが香奈には相場好きの猫たちがいた。ココは今でも相場好き、子供たちも相場をしている、もっとも かなりAIに傾斜しているが。そして何と言ってもリトルチャは相場の天才猫。香奈は全然寂しいそぶりは見せない。そして相場好きの若い姉ちゃんたちを会長室に採用して、香奈は忙しい筈が ヒマになったら 姉ちゃんたちと相場の話もしている。香奈は個人としての相場観を大切にする人だった。



神之助グループはチームとしての運用なので そんなワケにはいかないのだ。若い生真面目に将棋に取り組む あの子を見て、神之助は、昔の若い時を思い出していたのだ。