信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

野ばらハマナス

2018年02月10日 | 山野草

紅紫色の花を咲かせるノバラの仲間の第1回は「ハマナス」です。
近隣に自生株はありませんが、民家の庭、公園や道路わきに植え込まれています。
他のノバラの仲間に比べ、かなり特徴的です。


画像は近所の公園に植えられた株で、品種改良が行われているかもしれません。
ふつうは高さが1~1.5mですが、この株は2m以上あります。
画像のように、幹が叢生するのはハマナスの特徴の一つです。


幹や枝には刺が密生し、太い扁平な刺と針のように小さな刺が混生しています。
その枝や刺には白色の軟毛が密生しますが、老眼の私はルーペで覗きます。


葉は茎に対して交互に出る互生です。
葉の付き方は、葉柄から続く葉軸の左右に小葉が配列された羽状複葉です。
先端には1枚の小葉(頂小葉)がつくので、奇数羽状腹葉となります。
左右の小葉は3〜4対で、この対数が見分ける際のポイントにもなります。


葉脈が凹み、しわが多く目立ち、葉の縁はやや葉裏側に巻きます。
葉の表は無毛で、裏面には短い白色の軟毛が密生し、下面には腺点が混じります。


托葉は膜質で幅が広く、中程まで葉柄に合着し、先は二つに張り出して尖ります。
縁には毛はありますが、カラフトイバラなどのように腺点はありません。
葉柄や葉軸は短毛が密生し、刺をまばらに生やします。


花は紅紫色で径は5~8cmと大きく、枝先に1〜3個ずつつけます。
花柱は他のノバラの仲間に比べ短いそうですが、確認はしていません。
花には香りがあり、天然香料の原料になります。


萼片には軟毛と細い刺があり、ときには腺毛が混じります。
萼筒はほぼ球形で大きく、仲間との見分けのポイントになります。
花柄は長さ1~2cmで、短毛が密生し小さな刺があります。


実は、子房と種子に萼筒が肥大して加わり、偽果と呼ばれています。
偽果の先端に長い萼片が残るのが、この仲間の特徴です。


偽果の径は2~3cmと仲間の中では大きく、扁球形で赤く熟します。

コメント
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