仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

男はつらいよ 奮闘篇

2017年07月11日 | ムービー
シリーズ第7作『男はつらいよ 奮闘篇』(1971年/山田洋次監督)を見た。
物語は、「車寅次郎(寅さん/渥美清)の母親・菊(ミヤコ蝶々)が京都からやってきた。1年前に"近々、嫁をもらう"というハガキを受け取っていたがどこにいるか分からないので、とらやの竜造(森川信)とつね(三崎千恵子)を訪ねてきたのだという。さくら(倍賞千恵子)を嫁と思い込み、満男を寅の子供だと勘違いする菊。そんな折にタイミングを計ったかのように帰省してきた寅は、さくらと2人で菊が滞在するホテルを訪ねはしたものの、そこで大きな親子喧嘩をしてしまう。部屋を飛び出して行った寅は、駅近くのラーメン屋で花子(榊原るみ)という女性と出会ったのだが・・・」という内容。
別れ際、あまりに心配だったので、何かあったら"とらや"を訪ねろと言ってメモを手渡したことから、あとで花子はとらやに寅を訪ねてくることになるのだが、寅はそこに帰ってくる。
フーテンのはずなのに、本当に都合が良すぎる展開だ。
(^。^)
働きたいという花子に、御前様(笠智衆)に頼んで柴又帝釈天のおみくじ販売の仕事を紹介してもらうものの、たこ社長(太宰久雄)の印刷会社の時と同様、寅のあまりに酷い"妄想"の末にどれもうまくいかないことになってしまう。
そして結局は、とらやで働くことになるのだが、当然の成り行きだと思いつつ、それでも寅の"過保護"(!?)ぶりに皆が振り回される。
(^_^)
シリーズの他作品と少し違う展開だったのが、「私、寅さんの嫁っコになるかなぁ」とマドンナから告白されるところ。
知的障害があるように描かれていたマドンナなので、これにはさくらや博(前田吟)、おいちゃん、おばちゃんも困惑気味。
菊との再会場面では、菊のあまりのけなしように、腹を立てながら寅をかばったさくらでさえ、花子と寅の結婚には拒否反応がありあり。
おそらくは、寅も花子も大差がないと思われていたのだろう。
(^_^;)
ラーメン屋のおやじ役で落語家・5代目柳家小さんが出演していたが、寅に出されたラーメンにはスープが全然入ってなくて笑ってしまった。
その辺りの演出は意外と適当だったのだろう。

続 男はつらいよ

2017年05月12日 | ムービー
シリーズ第2作『続 男はつらいよ』(1969年/山田洋次監督)を見た。
物語は、「20年ぶりだった前回の帰省から1年も経たないうちに再び故郷・葛飾柴又に帰ってきた車寅次郎(寅さん/渥美清)。車竜造(おいちゃん/森川信)と車つね(おばちゃん/三崎千恵子)が切り盛りする"団子屋とらや"にはちょうど妹・諏訪さくら(倍賞千恵子)が夫・博(前田吟)との間に生まれたばかりの赤ん坊・満男と一緒にいた。引き止められながらも、お茶を飲む間もなく旅に出ようとした寅さんだったが、恩師・坪内散歩(東野英治郎)の家をふらりと訪ね、20数年ぶりに顔を合わせた先生の娘・夏子(佐藤オリエ)に見惚れてしまう。その夜、先生宅でごちそうになり、酒を飲んですっかりご機嫌になった寅さん。ところが、突然に胃痙攣を起こし、救急車で金町中央病院に運び込まれてしまった・・・」という内容。
翌日、夏子は医師の藤村薫(山崎努)から「食あたりの類いではなく、良いものを食べ過ぎて胃がびっくりしたんですよ」との説明を受け、当の寅さんもすっかり元気だと聞き、ホッとする。
そりゃあ、自分の料理のせいでの入院ともなれば大変だ。
家でゆっくりなんかはしていられなかったことだろう。
(^_^;)
病室で患者達に啖呵売の実演をしてみせる寅さんは、あまりの騒々しさに医師や看護婦からは怒られ、さらには、見舞いに来た舎弟の川又登(津坂匡章/現・秋野太作)と無断外出して焼肉を食べ、挙げ句の果てには無線飲食で一晩留置場に泊まることになる。
これは警察に呼び出された妹さくらが可哀想だし、逃げるように京都へと向かわなくてはならない寅さんも情けない。
名前は知っているものの顔が分からないという寅さんの母親が夢に出てきて、「また夢か…」とつぶやく場面から始まるのだが、一ヶ月後の京都では自分を捨てたという母親・お菊(ミヤコ蝶々)を探すことになる。
それには坪内先生が随分と大きく関わるのだけれど、この母親と坪内先生に関するエピソードが何とも切ないのだった。
元々テレビドラマだった『男はつらいよ』の映画化にあたっては、全5作品での完結を予定していたらしいので、第1作『男はつらいよ』(1969年/山田洋次監督)から第5作『男はつらいよ 望郷篇』(1970年/山田洋次監督)まで、かなり濃い内容になっているのだろう。
これも面白い物語だ。