相棒Eleven 第11話

相棒シーズン11、正月SPは「アリス」。

不思議の国のアリス。思えばちゃんと読んだことや見た事は無かったです（汗。止まった時の中で開催されるお茶会。茜の時間は、自分の家が「泥棒の家」だと呼ばれている時から、過去への不安にとらわれ続け、止まったままになっていました。今回、特命係が事件を解決したことで、再び彼女の時は動き出すのでしょう。

失踪した瑠璃子は、朋子が知る限りでは華族制度の廃止にもめげず、むしろ不自由なく暮らす人々と、施される人がいる現状に何かしら思うところがあった人物でした。しかし、自身の家が財産隠しをしている事を知り、そしてまた、自身の暮らしもそういった不正の上に成り立ってきた事を、父親に突き付けられた瑠璃子。一番の悲しみは、いざ自分が施される側に回る事になると想像すると、それに耐えきれなかった事ではないかと右京さん。

一方で国枝文書は時計の針を進めたくない、栄華を保ち続けたいが故に闇に葬られようとしていました。不正や謀略を取り締まる警察庁が、不正や謀略の上に成り立っていた。そんな事実を明かすわけにはいかない。


国枝はカイトが思うに「何が正しくて、何が間違っているかを分かっていた人物」。時計の針を止め続けるのを良しとしなかった人物でした。国枝はその針を進めることが出来ずに亡くなり、結果的にその文書はカビにやられて解読不能に。
瑠璃子は正しさと間違いには気づいていても、間違いを受け入れてしまい、変わってしまう自分を悲しみ、自ら時計の針を止めてしまった人物でした。

財産隠しを頼んだものの、ホテル焼失と共に隠し場所が分からなくなり、結果的に没落してしまった常連客の旧華族たちもまた、時計の針を止めようと必死だったのでしょう。今回はそのうちの子孫が、財産を取り戻そうと事件を起こしていました。しかし、事件を起こしたのはその人物だけ。他の人々は理不尽さに耐えながらも必死で暮らしていたと右京さんは告げていました。

一度華やかな暮らしを覚えてしまった人物が、果たして全く違う暮らしを送ることが出来るのか。施していた側が、施す側に回れるのか。時の止まったお茶会を楽しむ裏で行われていた多くの不正。ホテルを守ろうとして、預かった財産を売ろうとした男性が起こしてしまった悲劇。何かを守るために、今の華やかさを守るために誰かを殺していいとは思いません。しかし、いざ今までの日常が全て崩れるとなったら?

ありのままの日常が幸福だとは聴きますが、その日常は何もせずに続けられるわけではないでしょう。行動の良しあしはともかくとして、何かしらの行動が無ければ保たれないと思います。止まった時の中を暮らしていくのも大変です。時には意図せず針が進むこともあるでしょうが、それを止めようとするか、受け入れるか。少なくとも、何もせずに時は止まり続けてくれないのではないかと。
今回は時を止めようと奔走したり、時を動かそうとした人々の話でした。


今年1発目の、一番暇で頼りになる2人の活躍は1人の少女の神隠しにまつわる事件の解決から始まりました。朋子がかつて出会った、右京に良く似た国枝の表情。彼も右京さんと同じく、正しい事と間違っている事をきっちりと見極められる人物でした。

国枝文書を巡る争いでは、カイトの同期である大石や、恋人の悦子も登場。大石は松本若菜さんでしたね。
他にも茜を守るために大木＆小松の2人も駆け付けてくれたりなど、様々なキャラクターが顔を見せてくれました。内村＆中園コンビは警察庁に恩を売れて、2人の関係も良好なようで何よりです。個人的には大木＆小松の2人の活躍場面をあまり見たことが無いので、今回の登場は嬉しかったです。

新たな相棒も後半戦。今後どのような進展があるのか楽しみです。