バチカン(ローマ法王庁)は22日、江戸幕府のキリスト教の禁教令で国外追放されたキリシタン大名、高山右近(1552~1615年)を最高の崇敬対象となる「聖人」に次ぐ「福者」に認定したと発表した。
フランシスコ・ローマ法王が21日に承認した。
福者に加える儀式「列福式」は日本で行われる見通し。右近は現在の大阪府で生まれ、父の影響で12歳で洗礼を受けた。豊臣秀吉のバテレン追放令で領地や地位を失っても信仰を守り、1614年にマニラに追放され、翌年病死した。
昨年は没後400年の節目で、日本のカトリック教会が右近を殉教者として福者に認定するようバチカンに働き掛けていた。日本カトリック司教協議会は声明を出し、右近は物質的な豊かさや権力ではなく、信仰が人を幸せにすると確信していたと指摘。「右近の生き方は現代に生きる人々を照らす光になる」と訴えた。
福者になるには殉教か、難病の治癒など「奇跡」が一つ認定されることが必要。2007年には江戸幕府の弾圧で殉教したペトロ岐部ら日本人カトリック教徒188人が福者に決まり、08年に長崎市で列福式が行われた。
(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160122-00000167-jij-eurp)
<高山右近>ゆかりの地で祝福の声…「福者」認定
キリシタン大名、高山右近がバチカンから「福者」に認定された22日、右近ゆかりの地では祝福の声が上がった。昨年は没後400年で、生誕地の大阪府豊能町は5月に石像を建立した。兵庫県や石川県でも案内板や像を設置する動きがあり、観光客誘致にも期待が高まっている。
福者認定に向けて中心的な役割を担った芦屋教会(兵庫県芦屋市)の川邨(かわむら)裕明神父(57)は「ようやく念願がかなった。領地を奪われ、マニラに追放された現代で言う負け犬。しかし、全てを失った中で信仰に生きた人生は、物や名誉が全てでない生き方があることを現代に伝える」と話した。
居城だった高槻城(大阪府高槻市)の跡にある「市立しろあと歴史館」の中西裕樹事務長(43)は「布教に足跡を残した人物で、改めて注目が集まるのはうれしい」と喜んだ。市内にはカトリック高槻教会や高槻天主教会堂跡などゆかりの場所も多く、中西事務長は「右近の業績を理解してもらえるよう今後も研究を進めたい」と話した。
「隠れキリシタンの里」と呼ばれる大阪府茨木市の千提寺(せんだいじ)地区の町おこしグループ代表、中谷正治さん(65)は「地元を盛り上げる後押しになる良いニュース」と声を弾ませた。地区にはキリスト像などを展示する「市立キリシタン遺物史料館」があり、「多くの人に訪ねてもらえれば」と期待した。
ゆかりの地では観光客を呼び込む取り組みが進む。兵庫県明石市は昨年3月、右近が城主だった「船上(ふなげ)城」の跡を見渡せる「船上西公園」に観光案内板を新設。マニラに追放されるまで過ごした石川県七尾市の「本行寺(ほんぎょうじ)」は昨年から右近の書状などを公開し、参拝客が増えているという。小崎学円住職(75)は「右近さんもきっと喜んでいるはず。認定をきっかけに偉人への理解を深めてもらいたい」と話した。
(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160122-00000106-mai-soci&pos=1)
摂津高槻城主高山右近。
信仰を捨てられず、城を失い国外追放となりマニラで亡くなった。
信仰に生きた人だから、『福者』に認定され喜んでおられると思う。
喜ばしいかぎり、めでたい。
3530号