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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

全国植樹祭2016が行われる茶臼山自然植物園と静かに佇む棚田へ(妻女山里山通信)

2016-05-15 | アウトドア・ネイチャーフォト
 全国植樹祭ながの2016が茶臼山自然植物園でも行われるということで、昨年から園内の大改造が行われています。6月5日に植樹などの行事が行われるようです。久しぶりに茶臼山へと週末の2日の午前中のみ撮影に出かけました。といっても私が向かうのはまず植物園とは反対側の青池方面の棚田です。こちらの方が日本の里山の原風景が残っていて生態系も豊かなのです。

 崩壊してしまった茶臼山の南峰(左)。この空間に山頂があったのです。山城と古墳の遺構があったといいます。北アルプス展望台(中)。北アルプスの稜線は雲の中でした。ハルゼミ、エゾハルゼミの鳴き声が森に響きます。虫倉山が見える棚田(右)。拙書『信州の里山トレッキング 東北信編』でもこのコースを破線で紹介していますが、日本の里山の原風景が堪能できるコースです。シオカラトンボが舞っていました。
 茶臼山で二人の山ガールに出会いました。どういうコースを歩くのか必ず聞きます。そして地図は持っているかも。イラストでした。それで迷ったことはないですかと聞いたら迷いましたと。イラストは楽しいけれど地形図の代わりにはなりませんよと。迷った時に全く役に立ちませんと。ベテランの人は分かっているのですが、初心者ほどそれが分からず遭難騒ぎになるのです。また、女性は歩きながらのお喋りに夢中になり、間違った枝道に入ってしまうこともあります。やはり地形図や、拙書の様な地形図にコースが記載された本を携帯すべきです。
 彼女達には、拙書を見せましたが、「わあ、綺麗!」と。それは有り難いのですが、拙書の地形図とコンパスを使うやり方を教えてあげました。実は北アルプスより奥多摩や丹沢で遭難する人の方がずっと多いのです。里山でも10mどころか100mの崖もあります。エベレストにも登ったベテランのクライマーが、冬の里山で遭難死した例もあります。読図力も鍛えましょう。

 キンポウゲ科の黄色い花の同定は難しいんです。これはウマノアシガタでしょうか(左・中)。こちらのキンポウゲの仲間で見ても同定はかなり難しそうです。葉や茎に苦味のあるニガナ(苦菜)ですが、これは頭花が多いのでハナニガナ。

 変種のシロバナニガナ(左)。数株だけ咲いていました。アカネ科のクルマバソウ(車葉草)。小さな花なので見落としがちな野草です。最深部の耕作放棄地の田んぼの畦道に蕨(ワラビ)がたくさん出ていました(右)。こんなところに来る人はいません。採ったら袋がいっぱいになりました。重曹と苦汁を入れて茹でこぼして冷蔵しました。

 茶臼山自然植物園の最上部。ここまで登って来る人は僅かです。綺麗なトイレもあります。ウスバシロチョウやツバメシジミ、ベニシジミが舞っていました。出会った人には拙書を見せてパンフレットも渡しました。ここからすぐに茶臼山へ行けることを知らない人が多いのは残念です。中央に見える濃い緑の丸い山が茶臼山の山頂です。写真左のトイレを右手に歩くとゲートがあります。そこを出て左へ登ると、すぐに右へ茶臼山への標識があります。そこから山頂までは10分ほど。山頂へ行く前にまっすぐ進むと左に北アルプス展望台があります。

 ツツジの向こうに見えるのが茶臼山の山頂です。ここからは15~20分ほどで登れます。歩き慣れていれば幼児でも大丈夫。子育ては小さい頃から歩かせておくことが大事です。野生動物は歯がなくなったり歩けなくなったら死にます。それが自然の摂理です。歩きましょう。山登りはインナーマッスル(大腰筋)も鍛えます。

 茶臼山自然植物園のヤマフジのプロムナード(左・中)。訪れたご婦人も言っていましたが、例年なら満開の見頃なのですが、散り始めていました。園芸種のヤマオダマキ(右)。私は慎ましやかな野生種が好きです。NASAが、今年の夏は今までにない猛暑になるかもしれないと警告しています。異常気象は続くのでしょうか。

 全国植樹祭2016のために園内は新たな遊歩道や花壇ができて様変わりしました。なんか人工的過ぎる。色んな木が切られて残念という人にも複数出会いました。この下にスミナガシの舞う森があるのですが、それは大丈夫なのでしょうか。少し心配です。オオムラサキの繁殖飼育を始めたようなんですが。他の蝶、ゼフィルスにも気を配って欲しいものです。茶臼山は自然が豊かな里山ですから。

 午後は2日とも妻女山の陣場平の貝母の保護のためにヨシの芽切りに行きました。大変な作業です。真田丸で訪問者も増えているので、展望台のある妻女山は謙信の本陣ではなく、更に100m高い円墳のある斎場山が地元では謙信の本陣と伝承されているところですと、時間があればボランティアで説明もしています。長野市の設置した絵図や看板にはその表記がないので、知らない人は誤解したまま帰ってしまうのです。これは由々しき問題です。展望台のあるところは地元では赤坂山といい、妻女山は往古は斎場山といい、山頂は古代科野国の円墳です。拙書ではそのことを詳しく説明しています。
 写真は妻女山展望台から松代城(海津城)方面の眺め。奥に根子岳(左)と真田の山家神社奥宮がある四阿山(右)が見えます。

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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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