くたくたルンゲクッタ

過ぎていく時間と思い出忘備録

林縁で見た果実

2018-11-23 | 日記
ヌルデ ウルシ科ヌルデ属

林縁を歩きながら頭上を見上げるとヌルデの葉と果実が見えた。奇数羽状複葉で葉軸には翼があるからすぐわかる。


扁平で球形をした果実の表面にみられる白い粉のようなものが見られる。こはリンゴ酸カルシウムの結晶らしい。以前なめてみたが塩辛い。

アオツヅラフジ ツヅラフジ科アオツヅラフジ属

ブドウのような鮮やかな濃い青の果実をつけたつる性植物。


アオツヅラフジのつるは右肩上がりに巻く。写真の上のほうで巻いているのがわかる。

ムラサキシキブ シソ科ムラサキシキブ属

少し薄暗い日陰によく見かける落葉低木のムラサキシキブ。


鮮やかな紫色の小さな果実が散房状についていた。



サンショウ ミカン科サンショウ属

半日陰の藪の中に赤い色が見えたのでのぞいてみたらサンショウの果実だった。


葉柄の基部に対生する棘があり、葉を揉むとサンショウのいい香りがする。棘が1本で互生していて葉の香りが悪ければそれはイヌザンショウに違いない。赤色に熟し中から黒い種子が現れる。赤黒の2色効果で誘われた鳥は種子の表面を覆う油分を摂取した後種子本体は糞として排泄するという。

ゴンズイ ミツバウツギ科ゴンズイ属

赤黒の2色効果といえばこのゴンズイも同じ。



トキリマメ マメ科タンキリマメ属

頭上に絡んだつるの中にも赤黒の2色効果の果実が見えた。トキリマメの果実だろう(タンキリマメかもしれない)。


トキリマメは葉の下半部の幅が広いのに対してよく似たタンキリマメは葉の上半部の幅が広く毛が多いのが特徴。

ホウチャクソウ イヌサフラン科チゴユリ属

林床で1㎝ほどの黒い果実を見つけた。残った葉の感じからホウチャクソウのような気がする。




一部はかじられたようにえぐられて中の種子が見えている。食べたのは誰?

ハダカホウズキの果実

2018-11-23 | 日記
数日前(11/19)たまたま見た『プロフェッショナル 仕事の流儀』は人気プロレスラー内藤哲也の特集だった。NHKのこの番組に内藤が出るとは思ってもいなかったので驚き。リング上とは異なる素顔、試合後の夜中にジムでトレーニングし、スマホで自分の試合を復習しどうしたら観客に感動を与えられるかを追求する姿、痛めている膝関節の水を定期的に抜く様子、過去の挫折から現在の圧倒的な人気を得るまでの努力などを取り上げて紹介した。他のレスラー(オカダ・カズチカや鈴木みのる)も紹介してくれてプロレスファンの一人としては価値ある番組だった。

ハダカホウズキ ナス科ハダカホオズキ属

林縁で赤い実をつけて枝を横に広げている植物を見つけた。ヒヨドリジョウゴにとても似ている。


ヒヨドリジョウゴのようにつる性ではなく、葉の形もヒヨドリジョウゴのように大きく5裂してはいない。ハダカホウズキだろう。


葉は無毛。果実はその柄が膨らむ特徴的な形をしている。


赤い果実がとても美しい。美味しそうに見えるので鳥類が食べて種子を散布することが想像されるけれど、ハダカホウズキの果実はステロイドアルカロイドであるソラニンを含むので有毒。では鳥はどのような解毒機構を持っているのだろう?


つぶしてみると種子が多数出てきた。

ミツバウツギの黄葉

2018-11-19 | 日記
ミツバウツギ ミツバウツギ科ミツバウツギ属

林縁を歩いていると頭上に美しく黄葉した落葉低木~小高木を見つけた。


よく見ると葉は3出複葉で、以前このブログで2016-12-06に観察したタカノツメとも似ている。


しかしタカノツメと違って葉は明らかに対生している。








面白い形の果実が付いている。果実は蒴果で二つの袋が合体したような形をしている。この果実からミツバウツギであることが判明。






果実は偏平で膨らみがあり、中には1~3個の淡黄色の種子が入っていた。


近くには幼木がたくさん見られる。


日当たりの良いところでは黄葉し始めている。


こちらは日当たりが悪いところに育ち始めた幼木。




葉は3出複葉で対生する。


小葉は卵状長楕円形。縁には細かい鋸歯がある。


丸い冬芽。

リュウノウギク

2018-11-19 | 日記
職場近くの県立公園内のイチョウやタブノキの大木に覆われた丘は実は古墳である。現在は埋められているが20m大の方墳で中には横穴式石室が収められていたらしい。また職場から車で小一時間走ると古墳時代から平安時代にかけて丘陵の斜面に穴を掘って墓室とした横穴墓群がある。房総地方には約4000基があるという。飛鳥の石舞台古墳をはじめて訪れたのは高校の修学旅行だった。のどかな秋の日で田畑に囲まれた広場の隅に植えてあった柿の木には実がついていたことを思い出した。石室に入る道はさながら古墳時代へと続くタイムトンネルで、そこでは今も当時の自分が立ち止まって石室の壁を見上げているかもしれない。

リュウノウギク(Chrysanthemum japonicum) キク科キク属

横穴墓は小高い丘の上にある。その斜面には真っ白な野菊が群生していた。




ヨメナやノコンギクとは花の雰囲気も葉の形も明らかに異なる。葉はむしろキクに似ている。葉を揉んで匂いを嗅ぐとキク科の香り、ヨモギのような香りがする。リュウノウギクだろうか。


リュウノウギクは花は秋の遅くノコンギクなどの終わりの頃に咲く。茎の先端に1-3個の白い頭状花をつける。舌状花は丸みを帯び園芸菊の花に近い。




総苞は半球形、総苞片は縁が乾膜質。


花を分解してみる。舌状花も筒状花も冠毛はない。




葉は楕円形で三つに浅く裂け粗い鋸歯がある。表面は緑色で毛がありつやはなく、裏面は短い毛が密生して白い。

セイタカアワダチソウの野原 ~ オオハナアブ、キゴシハナアブ、ジョロウグモ

2018-11-15 | 日記
昨夜遅くBSで日東電工ATPファイナル(ロンドン)のジョコビッチ/ズベレフ戦を見た。ジョコビッチがほぼ完璧な試合で勝ち強さを見せつけた。

セイタカアワダチソウ キク科アキノキリンソウ属

黄色の花をいっぱいにつけたセイタカアワダチソウのが野原を埋め尽くしている。その中を歩いていくと、蜜を求めて群がってきたハナアブがブンブン音をたてて行く手を邪魔をする。




何種類かのハナアブがいるようだ。

キゴシハナアブ ハナアブ科

キゴシハナアブは腹部の横縞と胸部の縦縞が目立つ。キゴシハナアブは目に特徴があり、まだら模様の黄色い複眼を持つ。

オオハナアブ ハナアブ科

腹部に橙黄色の太い横帯がある。

オギ イネ科ススキ属

草丈2m以上もあるオギがセイタカアワダチソウの横で群生していた。




オギの小穂の基部の毛は小穂の2-3倍もの長さになりノギがない点でススキと区別される。

ジョロウグモ ジョロウグモ科ジョロウグモ属

蜘蛛の巣があることに気がつかなかった。


目の前に鮮やかなクモが現れた。ジョロウグモだろう。


冬が近づくと産卵を控えたジョロウグモの雌は腹部の模様や色合いが鮮やかになるらしい。

カゼクサ、ウチワゼニクサ、ミゾソバ

2018-11-14 | 日記
ひとり横綱の重責を担った稀勢の里が3連敗した。この苦しい状況を乗り越えられるか?大きな分かれ目だなあ。

ついこの前まで秋だったのがそろそろ冬の寒さがやってきている。先月末に歩いた貯水池周辺の湿地帯はまだ変わっていないだろう。

カゼクサ イネ科カゼクサ属

池のほとりに生えていたカゼクサ。風に揺られて爽やかな感じ。見た目の優しさとは裏腹に、根茎は短く匍匐根茎を欠き根は長く強靭のため引っ張って抜こうとしてもそう簡単には抜けない。




何とか1本引きちぎってみた。花序は円錐形で長さ20-40cm、直立し紫褐色を帯び光沢がある。




小穂は長楕円形または披針形、扁平で5-10小花からなる。




葉舌は毛状。葉鞘は平滑、縁にのみ毛がある。



ウチワゼニクサ ウコギ科チドメグサ属

貯水池から続く湿地帯に群生している丸い葉の植物があった。チドメグサかなと思ったが違う。ネット検索してウチワゼニクサ(ウォーターマッシュルームとも呼ばれるらしい)と判明。


水中あるいは湿地に生育。茎は匍匐し節ごとに発根する。常緑の多年草。


葉は丸くて光沢があり可愛い。葉の縁には浅い切れ込みがある。




ミゾソバ タデ科イヌタデ属

ウチワゼニクサに混じってミゾソバが花を付けていた。


1本採って観察。


花は枝の先に頭状につく。


花柄に腺毛があり、花被は紅紫色で下部は白色、長さ4-5mmで5裂している。とても美しい。


葉は卵状ほこ形。

カラタチバナとフユイチゴ

2018-11-10 | 日記
AXNミステリーで『LOCHNESS 湖に沈んだ謎』(1-6話)、『主任警部アラン・バンクス』』(シーズン1、1-4話)を見た。イギリスの刑事ものはどれも面白い。

カラタチバナ サクラソウ科ヤブコウジ属

神社に登る階段の横の斜面は薄暗い林に続いていて晴天でもなかなか日が当たらず薄暗い。ふと見ると赤い果実を付けた一見マンリョウのような常緑小低木が点在している。葉の形からカラタチバナだろう。カラタチバナは同属のマンリョウ(万両)に対して百両(ヒャクリョウ)ともいう。


周りにはフユイチゴが群生している。


葉は互生し葉身は狭卵形、長さ8-20cm、幅1.5-4cm。約8対の側脈があり先端は次第にとがる。




あちらこちらに真っ赤な果実が見える。マンリョウはまだ果実が色づいていないからカラタチバナはマンリョウより少し早いようだ。




果実は液果様の核果で径6-7mmの球形。


潰してみると中に1個の大きな種子があった。


フユイチゴ バラ科キイチゴ属

カラタチバナの果実を見るのに地面の近くまで顔を落として見ているとフユイチゴの果実が見えた。


フユイチゴは常緑匍匐性の小低木。花期は9-10月。葉腋から花茎を出し穂状に花弁が5枚の白い花を数個つける。11月から翌1月頃にかけて赤く熟す。食べると美味しい。