くたくたルンゲクッタ

過ぎていく時間と思い出忘備録

幹がまだら模様の常緑高木 ~ バクチノキとカゴノキ 

2018-02-26 | 日記
バクチノキ バラ科 サクラ属

山道から木肌の赤い常緑高木が見えた。ここは昨年見つけたバクチノキの自生地。




ウィキペディアによれば、樹皮は灰白色で、絶えず古い樹皮が長さ数10cm程度のうろこ状に剥がれ落ち、黄赤色の幹肌を現す。本種の名はこれを博打に負けて衣を剥がれるのにたとえたことに由来する。


幹の太さが50cmを越す大木もある。




近くにはたくさんの幼木が育ち始めている。葉は10-20cmの長楕円形で深緑色。縁には鋭鋸歯。


カゴノキ クスノキ科 ハマビワ属

アオキの群生の中にまだら模様の樹皮が現れた。ここは小さな神社を取り囲む山。ガゴノキが群生している。カゴノキは雌雄別株。




この木は幹幅50cmを超える。周りにはひこばえがあって葉の観察にはちょうどいい。




こちらの木も大木。樹皮は灰黒色。樹皮がまるい薄片になってはがれ落ち、その跡が白い鹿の子模様になる。剥がれた後は真っ白でその後色が黒っぽくなってくるのだろう。


葉は全縁。薄い革質で表面には光沢がある。


裏面は灰白色。


冬芽の葉芽は細長い披針形。

オオバヤシャブシの果実

2018-02-25 | 日記
昨夜行われたカーリング女子の3位決定戦は日本にとって劇的な最後だった。藤沢五月の放ったラストストーンはミスショットとなりガードに隠すことができなかった。イギリスのミュアヘッドがダブルテイクアウトを決めればイギリスの勝利となるはずだったが、そのラストショットは日本の石に厚めに当たりいくつかの石が玉突きで飛ばされ最後に中心円の中に残ったのは何と日本の黄色い石だった。勝負は最後までわからないものだなあ。感動した。

オオバヤシャブシ カバノキ科 ハンノキ属



日当たりの良い山の斜面に小さな松ぼっくりのような果実(堅果の集合果)をつけた落葉小高木を見つけた。果穂が一つずつついているからオオバヤシャブシ だろう。


オオバヤシャブシは雌雄同株で、枝先から葉芽、雌花序、雄花序の順につくのが特徴。この写真の上の二つの冬芽のうち、先端の尖った芽が葉芽、その下についた先の丸い芽が雌花芽だと思われる。その下の雄花序は明らか。


果穂は長さ約2㎝の長楕円形で、1個ずつつき果枝が枝分かれしない。花期3~4月。ヤシャブシは雌花序が雄花序の下につき果穂は2個つく。ヒメヤシャブシは果穂が3-6個つく。

キダチアロエ

2018-02-19 | 日記
昨夜テレビで、小平奈緒がスピードスケート500m、ついに金メダルを獲得した瞬間を見た。これまで国内外で500mは25連勝だったというから当然かもしれないけれど本番で力を出せるかどうかは、やってみないとわからない。それをやり遂げたのだからやはり称賛に値する。よかったなあ。

アロエ(キダチアロエAloe arborescens) ススキノキ科 アロエ属

海岸沿いや庭先でアロエが花をつけている。花は赤橙色。この寂しい季節にあってひときわ目立つ。花株より1本の花穂を出し、数百の小さな花を咲かせる。開花期は2ヶ月ほど。うちの家の隅にもアロエが数年に一度花を咲かせていた。



日本でアロエといえばこのキダチアロエを指すことが多い。南アフリカ原産。キダチアロエは観賞用、食用として栽培される。アロエベラ (A. vera)は主に食用として栽培され花は黄色らしい。


花は無臭、総状花序、管状花で花被片6(外花被片3+内花被片3)で雌しべ1、雄しべ6、柱頭3裂(子房3室)。過去にはユリ科、アロエ科、ツルボラン科とされたことがあったらしい。

ダイオウショウの大きな果実

2018-02-14 | 日記
平昌冬季五輪真っ只中、日本はなかなか金がとれないなあ。

ダイオウショウ(大王松 Pinus palustris) マツ科マツ属



近所の神社の境内に大きな松ぼっくりが落ちていた。大きさは10cm以上15cm近くある。以前からこの松ぼっくりが神々しくて、見つけたことが幸運な気がしていた。捨てるのがもったいないので集めていたらもう7-8個になった。




上を見上げれば、たくさんの大きな松ぼっくりを付けている。


この松は長い葉が特徴のダイオウショウ。ダイオウショウの葉は3本が束になっていて(三葉松)、アカマツやクロマツの葉は2本、ゴヨウマツの葉は5本が束になっているのと対照的。


クロマツの松ぼっくり(右)と比べるとダイオウショウの松ぼっくり(左)の大きさに驚く。

フウトウカズラとツルグミ

2018-02-10 | 日記
職場の窓からは丘の上には大学とその先には大学病院の建物が見える。外はまだ寒気が来ているのに穏やかな日差しにはもう春の予感がある。今は受験シーズン。大学周辺やお城の桜が咲き、新入生が来て春の喜び溢れる時が待ち遠しい。

『徹底図解 昆虫の世界―昆虫のからだのしくみ、分類、生態から人間とのかかわりまで』 (2009 岡島秀治)を読んだ。血縁選択の話があった。ハチやアリの世界では雌は受精卵から産まれる2倍体であるのに対して、雄は単為生殖により未受精卵から産まれる1倍体であるから姉妹間の方が親子より血縁が高い(2倍体の雌と1倍体の雄から産まれた全ての雌は父のすべてのDNAと母の半分のDNAを持つから、すべての姉妹のDNAは平均で75%相同であり、母と娘のDNAは50%相同である)。そこで自分の遺伝子に近い他の姉妹を残すために雌はワーカーとなり世話をすると説明している。
ところで人は2倍体(2n)であるが、シダ植物は3倍体(3n)や4倍体(4n)などが存在し有性生殖以外に無配生殖と呼ばれる特殊な増殖法が存在する。
ハチやアリ、植物などでは2倍体以外でも生存しているのに何故哺乳類は2倍体しか生存しないのだろう?自然環境の変化や感染症からの防御に対して、有性生殖のできる2倍体の方が多様性を作り出せるからなのか?いつか1倍体、あるいは3倍体や4倍体などのニュータイプが生まれる可能性はあるだろうか?


フウトウカズラ コショウ科コショウ属

海岸近くの山でフウトウカズラを見つけた。


フウトウカズラは常緑性つる性の木本。花は4-5月。雌雄異株。


穂状花序は葉と対生するように出て、柄があって垂れ下がる。果実は液果で丸くて径3-4mm。冬を越して赤く熟する。


ツルグミ グミ科グミ属

山の道を塞ぐようにつる性植物が繁茂していた。ツルグミだろう。


枝は上から下に垂れてきている。


ツルグミは常緑つる性低木。雌雄同株で花期は10-11月。ナワシログミは、枝先や葉腋に棘があることが多いが、オオバグミ、ツルグミには棘はない。


表面は深緑色。葉は全縁でナワシログミのように細かく強く波打たない。


葉裏は淡褐色でで赤褐色の燐状毛が密生。

カンアオイ

2018-02-05 | 日記
カンアオイ ウマノスズクサ科カンアオイ属



1月のはじめにコナラの多い林を歩いていると、林床で面白い柄の葉を見つけた。ちょうどシクラメンの葉の模様と似ている。


葉の表はビロード状で裏はのっぺりとした感じ。何の葉かわからずネットで検索してみるとカンアオイのようだ。カンアオイの説明によれば今の季節、葉の根元に花が咲いているらしい。枯葉をかき分けてみればよかったと後悔。

カンアオイの花を見てみたいので、先日もう一度同じ場所に行ってみた。ところが近くのゴルフ場への林道を作るために付近のコナラが伐採されていた。これではカンアオイは全滅かもと心配して付近を探してみると、いくつかの株が見つかってほっとした。

落ち葉をよけてみると奇妙な花がいくつも出てきた。


地面に接するように咲いている。こんな花はみたことない。


こちらの株はかなり土に埋まっていた。


葉が見つかればたいてい花もある。


花弁はなく、花弁のように見える部分は萼。萼は基部で合着し萼筒となりその先端部が3裂し花弁となっている。


横からみると、花の下に苞がついている。


雌しべの花柱、柱頭が見えるが雄しべは見えない。


萼筒の内側もなんらかの構造が見える。花を広げて中を見たかったが貴重種のような気がしてやめた。カンアオイの花の受粉を助ける昆虫は何か?アリだろうか?どうもハエの仲間と考えられているらしい。カンアオイの種類によってそのパートナーのハエが決まっていて、掘ってきて庭に植えてもそのハエは大抵いないから繁殖できないだろう。

調べてみると、カンアオイの仲間は自生地が非常に狭く個体数の少ないものが多く、実生から開花までの年数も長く、自生地が荒らされると絶滅に追い込まれやすい性質を持っているという。ゴルフ場管理者はカンアオイのことは知らないだろうなあ。

斑入りマサキ(キフクリンマサキ) 

2018-02-03 | 日記
米国ドラマ『HEROES』には様々な超能力を備えた新人類が出てくるが、その中でも主人公のクレア・ベネットは細胞組織の再生能力を持ち決して死なない。『FOREVER Dr.モーガンのNY事件簿』でも主人公は死んでも、その度に素っ裸で川の中から生き返って来る。
死なないなどというのは全くの空想かと思っていたら、先日ネットで『老化しない唯一の哺乳類、ハダカデバネズミ』(ニューズウィーク日本版)が取り上げられていた。ハダカデバネズミは特殊な遺伝子を持ち癌も起きず老化もしない。もしかしたらあの驚くような様相のハダカデバネズミこそが不老不死の鍵をにぎっているかもしれない。

斑入りマサキ(キフクリンマサキ) ニシキギ科ニシキギ属

農家の生垣に斑入りのマサキを見つけた。


赤い果実がたくさんついている。果実はさく果。直径6-8mmの球形で紅色に熟し4裂する。


葉は対生。


斑入りの葉がとても美しい。冬芽は長卵形。


葉の裏側。