くたくたルンゲクッタ

過ぎていく時間と思い出忘備録

夏の虫たち

2017-07-25 | 日記
朝早くからセミの声で起こされる季節がきた。アブラゼミはまだしもミンミンゼミのあの抑揚のある鳴き声はうるさくて眠っていられない。昨夜職場近くの歩道を歩いていると街路樹に白いものがついていてよく見ると幼虫から羽化したばかりのセミだった。風が強くてしがみついている葉はあまりに揺れるので翅が充分に開かない状態で乾燥してきていた。手で持ち上げてみるとしっかりとしがみついてきて、まるで乳児の手のように柔らかだった。このまま翅が展開できないと飛ぶこともできず一日で死んでしまうだろう。7年間も地中に暮らし最後に空を舞うこともできず一生を終えることになる。どうしてこんな風の強い日にこんなに揺れる葉を羽化の場に選んだの?と言いたくなった。助けてあげたくてもどうにもならない。この子はその後に待っている悲惨な運命を知らない。後ろ髪を引かれる思いでその場を去った。

キマダラカミキリ カミキリムシ科

草むらにカミキリムシを見つけた。


3cmほどのキマダラカミキリ。


捕まえてみると可愛い。

タケカレハ幼虫 カレハガ科

ヤマユリが咲いることを期待して藪に入ってみたが見つけられなかった。その代わり見事な毛虫がいた。調べるとタケカレハの幼虫。幼虫は長い毒針毛の束を頭部付近と尾部付近に1束ずつ持つと記されていた。いかにも毒がありそう。

オオシオカラ トンボ科




ナツアカネ トンボ科

胸部の黒色状が途中で寸断されたように見えるのがナツアカネ。アキアカネの黒色状は先細りとなる。

ショウジョウトンボ トンボ科



アキアカネなどの普通のアカトンボよりもひとまわり大きい、全身が真っ赤なトンボ。

ハグロトンボ カワトンボ科

藪の中であちらこちらをひらひらと優雅に飛んでいた。胴体は金緑色に輝き美しい。

ミヤマカワトンボ カワトンボ科

山奥の渓流沿いをひらひらと飛んでヤブソテツ?にとまった。調べるとミヤマカワトンボのようだ。金緑色の胴体で茶色い翅には濃褐色の帯模様がある。

キチョウ シロチョウ科

セイヨウニンジンボクの花で吸蜜していた。

ルリタテハ タテハチョウ科

林道を歩いていると、地面にルリタテハが降りた。近寄ると素早く飛んでいった。瑠璃色が美しい。幼虫の食草はサルトリイバラ。

クマバチ ミツバチ科



ポンテデリアの花で吸蜜していた。クマバチの体は黒色で、胸部には黄色い毛が密生している。ポンテでリアはミズアオイ科の水生植物。

アブラゼミ?の抜け殻



アブラゼミとミンミンゼミの抜け殻は似ているから区別しなければならない。アブラゼミの方は毛が多く触角の第3節が第2節より1.5倍くらい長い。一方、第3節と第2節の長さが同じくらいのものはミンミンゼミ。これはアブラゼミかな?

初夏の草花

2017-07-12 | 日記
今年は梅雨でも割と晴れ間が多い。職場のちかくの海では赤潮が発生しているらしく、時折、生ゴミのような匂いが風に運ばれてくる。台風でもきて一掃してほしいところ。


ルドベキア ‘グロリオサデージー’(Rudbeckia hirta ‘Gloriosa’)

農家の畑の脇に植えられたルドベキア。大輪の花がとても美しい。






花の後ろ。


早咲きのヒガンバナ(Lycoris radiata) ユリ科

まだ7月前半だというのに休耕田のあぜ道にはヒガンバナが咲いていた。ここのヒガンバナはいつも早くて少しばかり花が小さく、そして何より不思議なことに毎年果実ができる。


ヘメロカリス(Hemerocallis) ユリ科

はじめは畑に植えられたものがあちこちに咲いている。ヘメロカリスは、ギリシャ語で「一日の美」の意味で花が1日しかもたないことから名付けられている。「デイリリー」とも呼ばれる。


ヘメロカリスは多くの品種があり日本や中国原産のユウスゲやカンゾウ類(ノカンゾウ、ヤブカンゾウなど)を元として作りだされた。


先週、霧降高原でニッコウキスゲを見てきたという人がいた。斜面一面が黄色に染まるほど咲いていたらしい。いつか見に行ってみたいなあ。

ミソハギ(Lythrum anceps) ミソハギ科

もうミソハギが咲いていた。




萼片には毛がなく付属片(突起)が横に張り出している。よく似たエゾミソハギはミソハギより大型で萼の付属片は直立し短毛がある。


モントブレチア(Crocosmia x crocosmiiflora) アヤメ科

クロコスミア、ヒメヒオウギズイセンとも呼ばれる。熱帯アフリカ原産の球根植物で多年草。花の色は朱赤色で、下のほうから順に咲き上がる。


インドハマユウ(Crinum latifolium)  ユリ科

空き地に白のインドハマユウが咲いていた。花は横向き咲き、終わると垂れる。

ガクアジサイ

2017-07-06 | 日記
昨夜は仕事で遅く帰宅。夜中にNHK BSプレミアム「赤い雨のミステリー 生命の起源」を見た。2012年スリランカに降った血のような赤い雨の中から正体不明の赤い微生物が発見された。その微生物は地球上のシアノバクテリアに近いことがDNA解析で判明したが、宇宙外から地球上に舞い降りた微生物の可能性もあった。生命の起源ほど興味をそそられるものはない。生命の誕生すなわち自己複製を起こすことのできるようなRNAやアミノ酸配列の組み合わせというものは奇跡に近いほど低い確率でしか起きないから、その偶然が地球上で起こったと考えるのはあまりに出来過ぎた話だとずっと思っていた。しかし宇宙には想像を絶するほど膨大な数の惑星があって、その数のおかげで限りなくゼロに近い奇跡が起きたことも考えられ、最初の生命がたまたま誕生しそれが増殖して隕石や太陽風などに乗って宇宙空間を超えて広がったというシナリオ(パンスペルミア説)も確かに可能かもしれない。

ガクアジサイ (Hydrangea macrophylla)

素晴らしい色のガクアジサイが道端に咲いていた。


これは大きな装飾花がとても美しい。


道の反対側にも別のガクアジサイ。回りは大きな装飾花で中央部は小さな両性花。




色々なガクアジサイがある。


これはガクが鋸歯状になっている。





ウズアジサイ

ウズアジサイはガクアジサイの園芸品種で装飾花は小さく丸まって皿状になっているのが特徴。


ツチアケビの花

2017-07-04 | 日記
梅雨の合間のわずかの晴れ間に職場から車で20分ほどの山林に出かけた。実はひょっとしたらツチアケビの花に出会えるかもと期待していた。ここは2年前にこのブログを立ち上げて間もない頃にツチアケビの果実を観察した場所。

ツチアケビ(Cyrtosia septentrionalis) ラン科

何も見当たらないから諦めかけていると、ヤブミョウガの緑色の藪の中に薄い土色の植物が見えた。これぞツチアケビの花に違いないと、湿ったうす暗い藪を分け入って観察。




花がいくつか咲いている。すべて真上を向いて咲いている。


花の形はランそのもので大きさは2-3cm程度。3枚の萼片、側花弁、唇弁から成っている。萼片の外面には微毛が密生。唇弁は肉質で萼片より少し短く、縁は細かいフリル状。内面は黄色で白っぽい棒状の蕊柱が見える。


花は上向きだけれど、花が終わると下向きになるのだろう。上の方にはまだつぼみが残っている。

2015年8月中旬に同じ場所で観察したツチアケビの果実を思い出そう。



Wikipediaでは、ツチアケビは、森林内に生育するラン科植物で日本固有種、光合成を行う葉を持たず、養分のすべてを共生菌に依存している、ナラタケとラン菌根を形成し栄養的には寄生、地下には太い地下茎があって長く横に這う、と説明されている。

近くにツチアケビは他に見当たらない。2年前には10本以上の花茎を見たのに何らかの影響で少なくなってしまったのだろうか。また来年も見ることができるか心配。