くたくたルンゲクッタ

過ぎていく時間と思い出忘備録

トロロアオイとオクラ

2018-09-26 | 日記
秋分の日で2連休だったのでアガサ・クリスティ原作『ミス・マープル』(ジョーン・ヒクソン版、1984年から1992年のBBC制作テレビドラマ)第1-3話「書斎の死体」The Body In The Library/第4-5話「動く指」The Moving Finger/第6-8話「予告殺人」A Murder Is Announced/第9-10話「ポケットにライ麦を」A Pocketful Of Rye/第11-12話「牧師館の殺人」Murder At The Vicarage/第13-14話「スリーピング・マーダ― 」Sleeping Murder/第15-16話「バートラムホテルにて」At Bertram's Hotelなどを見た。2004年からの『アガサ・クリスティー ミス・マープル』では可愛いジェラルディン・マキューアンや丸顔のジュリア・マッケンジーがジョーン・ヒクソンに代わってマープル役を演じている。どれを見てもアガサ・クリスティは面白い。

トロロアオイ アオイ科トロロアオイ属

休耕地にノゲイトウ(ヤリゲイトウ)に混じって淡黄色のフヨウに似たアオイ科植物が咲いていた。トロロアオイだろう。




ウィキペディアによれば、トロロアオイはオクラに似た花を咲かせることから花オクラとも呼ばれ、原産地は中国。この植物の根から採取される粘液はネリと呼ばれ、和紙作りのほか、蒲鉾や蕎麦のつなぎ、漢方薬の成形などに利用されるらしい。


花は下から上に咲いていくようだ。咲いている花の上部につぼみ、下部には果実が見える。


果実はオクラに似ているが太い。


葉は掌状に5-9裂している。

オクラ(英語: okra) アオイ科トロロアオイ属

畑ではオクラが果実をつけていた。ウィキペディアによれば、オクラは原産地はアフリカ北東部(エチオピアが有力)。原産地や熱帯では多年草で、何年も繰り返し果実をつけるが、日本では冬越しができないため一年草である。15-30cmの大きさの掌状の葉をつける。


黄色に中央が赤色のトロロアオイに似た花だが開平せず漏斗状。開花は早朝に開花し夕方にはしぼんでしまう。開花後、緑色の果皮で長さ5-30cmの先の尖った5稜の果実をつける。

クズ、ヒガンバナとキアゲハ、ハグロトンボ、ノシメトンボ、ギンヤンマ、ツクツクボウシとエンマコオロギ

2018-09-22 | 日記
AXNミステリーで『埋もれる殺意:39年目の真実』(2015)全6話を見た。建物の地下室の床下から人骨が発見され、その被害者は39年前に撲殺されたことが判明。警部キャシーは当時の関係者の捜査から、容疑者を元ホステルの経理担当で車椅子生活の男(認知症の妻がいる)、実業家、牧師、サッカーチームを支援する女の4人に絞った。彼等は現在は愛する家族と平和に暮らしているがそれぞれ暗い過去(男色、恐喝、人種差別など)を隠して生きていた。捜査進展の中でその過去が暴かれていく時、愛する家族との関係が崩壊していくが、愛によって繋がりが再び取り戻されていく。

夏が終わり台風が来てもう秋の気配が漂い始めても、まだ夏の植物は最後の花を咲かせ、昆虫たちは異性を求めてあるものは飛びまわりあるものは鳴いている。

クズの花

ハリエンジュに絡んだクズが花をつけていた。


霊園裏の湿地帯周辺にまだクズの花が咲いている。燃えるような赤が遠目にも鮮やか。

ヒガンバナ ヒガンバナ科

ヒガンバナが休耕地に群生していた。






この辺りのヒガンバナは何故か毎年果実をつける。


キアゲハが飛んできて蜜を吸っていた。キアゲハはアゲハチョウ(ナミアゲハ)ととても似ている。前翅の付け根の部分がナミアゲハは縞模様なのに対してキアゲハは塗りつぶした黒っぽい模様となっている点で慣れると容易に区別できる。


キアゲハの幼虫の食草はニンジンやセリなどのセリ科の植物であるのに対して、ナミアゲハの幼虫の食草はミカン科植物。それにしてもどうしてキアゲハとナミアゲハは似ているのだろう。何か理由があるはずだ。

ハグロトンボ カワトンボ科

クズのすく近くをひらひらと黒いトンボが何匹も飛んでいる。ハグロトンボのようだ。雄の胴体は金緑色に輝いている。


小川が流れの上のヒナタノイノコズチに1頭がとまった。全身が黒いので雌だろう。



ノシメトンボ トンボ科

羽の先端が茶色に染まったノシメトンボが止まっている。アカトンボといっても赤くない。


胸部の模様はナツアカネともアキアカネとも少し違う。

ギンヤンマ ヤンマ科

沼の横を歩いているとアシの茂みにちらりと青い色が見えたのでじっと目を凝らすとギンヤンマがとまっていた。もうすぐお彼岸でヒガンバナも咲いているというのにギンヤンマを見つけられたのがとても嬉しい。


小学校の低学年の時、ギンヤンマとオニヤンマを網で捕まえるのが大好きだった。特にギンヤンマはすばしこくてなかなか木陰に止まってくれないので捕まえた時の喜びは大きかった。


雄の胸部と腹部の境界部分は水色をしている。

ツクツクボウシ セミ科

ツクツクボウシがサクラの木で鳴いていた。どこにいるのかじっと探してやっと見つけた。小さくて色も目立たないので鳴かないと見つけにくい。



エンマコオロギ コオロギ科

湿地帯を歩いていると足元にはもうコオロギがたくさんいる。

レンゲショウマとキレンゲショウマ

2018-09-19 | 日記
デパートで占い師をしていた64歳の女性は認知症の母とふたり暮らしをしていたが現在膵癌の末期で昏睡状態にある。他に身寄りも友人もないので見舞いにくる人もいない。死後の後片付けは市から依頼された人が請け負うことになるだろう。昨日クローズアップ現代で家族・知人の前から突然いなくなり、縁もゆかりもない場所に行って身元がわかるものを一切捨て去り自ら命を絶つ、いわば“縁切り死”が増えていることを伝えていた。元レスリング選手山本KID(41)が9/18に死去した。2年間胃がんとの闘病生活だったらしい。死を覚悟した時の心境はおそらく想像を越えたものだろうが、家族に囲まれて死を迎えることができたことが唯一救いだ。

レンゲショウマ キンポウゲ科レンゲショウマ属

植物園の湿った薄暗い林床に美しい花を見つけた。


花がハス(蓮)に、葉がサラシナショウマ(晒菜升麻)に似ているので、レンゲショウマ(蓮華升麻)の名がつけられたという。ハスの花を小さく小さくして下向きにすれば少し似た感じになる。




葉は確かにサラシナショウマと同様に2-4回3出複葉。


薄紫の上品な感じの花が下向きに咲く。外側の白い花びらのように見えるのが萼で萼片の数は7-10。内側の雄しべを取り囲む淡い紫色の花弁は10-12枚。


キレンゲショウマ アジサイ科キレンゲショウマ属





レンゲショウマのすぐ近くに筒状の黄色い花が咲いていた。名札にはキレンゲショウマとある。しかしレンゲショウマには全く似ていていない。科も違う。


花は花弁5、肉厚で平開はしない。雄しべ15、雌しべの花柱は3。


手のひらほどの大きさの葉が対生している。


果実はさく果。

ワレモコウ、ツリガネニンジン、アキカラマツ

2018-09-01 | 日記
もう9月。季節の移り方が随分早く感じる。『動的平衡』(福岡伸一 著)の中にどうして年をとると時のたつのが早く感じるのかに対する仮説が紹介されていた。われわれの体には時間経過を感じる体内時計が存在し、それは脳内物質(ある種のタンパク質)の代謝速度により決定される。新陳代謝速度が加齢とともに遅くなると体内時計もしだいに遅れていく。そのために実際の時間の進み方が相対的に早く感じるのだという。この説明は説得力があるなあ。

ワレモコウ バラ科ワレモコウ属

真夏の強い日差しの中、草むらをかき分けながら歩いていくとワレモコウ(吾亦紅)が至る所に咲いていた。茎の先の暗紅色の穂状花序は固くてまるで枯れているかのように見える。


花弁はなく4枚の萼からなり、花穂の上から順に咲いていく。


ツリガネニンジン キキョウ科ツリガネニンジン属

ツリガネニンジンの釣鐘状の小さな花がたくさん咲いていた。


茎頂に円錐形の花序をつけている。


鐘形の花冠は淡紫色または白色で長さ2cm弱。花冠は5裂、花柱は花冠よりやや突き出て先は3裂。


茎葉は3-4個が輪生している。


アキカラマツ キンポウゲ科カラマツソウ属

ワレモコウ、ツリガネニンジンとともにあちらこちらで淡黄白色のアキカラマツの花が咲いていた。


花は円錐花序。




花弁はなく萼は3-4枚、多数の長い雄しべがよく目立つ。


葉は2-4回3出複葉で小葉はミトンのような形で可愛い。

クサギ

2018-09-01 | 日記
『破戒』(島崎藤村著)を読んだ。100年以上前の小説なのに何の違和感もなく後半は一気に読んでしまった。いつ暴かれるかもしれない秘密をもって生きていく不安、そして一方でその秘密を暴露して強く生きていきたいでもそれが容易にはできないという苦悩が描かれている。忘れないうちにあらずじを書いておこう。
明治後期、主人公・瀬川丑松は(、調里)であることを隠しながら信州飯山町の小学校教員をしていた。父からは決して素性を明かしてはならない、一旦この戒めを忘れたら社会から捨てられたと思えと繰り返し言われていた。根津村の父が牛の角に刺されて亡くなった後、丑松を疎んじている校長、同僚の勝野文平、そして代議士を目指す高柳利三郎により丑松の出生が暴露されそうになったとき、丑松の苦悩は極限に達した。貧困のため蓮華寺に預けられていたお志保に対する愛も丑松は伝えることはできない。丑松の尊敬する社会思想運動家、猪子連太郎が暗殺されたのを機に丑松は父の戒めを破る決意をし自らがであることを遂に告白した。前途の途切れた丑松ではあったが親友の土屋銀之助らに助けられる。

クサギ シソ科(クマツヅラ科)クサギ属

林縁の道端でクサギが白い花をたくさんつけていた。




花はいい香りがする。花びらは萼から長く突き出してその先で開いている。萼の赤と花弁の白がコントラストをなしていて美しい。


クサギの花は雄性先熟で開花初日は雄しべは完全に展開するが雌しべの展開は不完全、2日目になると雄しべはしおれ、雌しべは柱頭が2つに裂開して受粉可能な状態になる。