くたくたルンゲクッタ

過ぎていく時間と思い出忘備録

キブサスイセンとニホンズイセン、そしてカワズザクラ?

2018-01-30 | 日記
もうすぐ2月。スイセンもそろそろ終わりかな?と思ったが、今年は寒いからまだまだ咲いている。

キブサスイセン(黄房水仙)

キブサスイセンの原産地は地中海沿岸で大正時代に日本に渡来。

ニホンズイセン(日本水仙)

ニホンズイセンの原産地は地中海沿岸で、日本へは室町以前に中国経由で入ってきたといわれ、本州の関東地方以西、四国、九州の海岸に野生化している。


ニホンズイセンの群生は素晴らしい。伊豆、紀州、越前岬などに群落を作っていて観光地になっているらしい。


後ろ姿もいい。


カワズザクラ?

サクラが咲いていた。


割と濃いピンクでこんなに早く咲くサクラは何だろう?






萼筒は鐘形、萼片は卵状三角形でカギ爪状はカワズザクラの特徴。

タイミンタチバナとミヤマシキミ

2018-01-30 | 日記
ちょっとした山道を歩いていると細長い葉の常緑小高木に出くわした。

タイミンタチバナ ヤブコウジ科タイミンタチバナ属

枝をたくさん伸ばして細長い葉をつけている。




葉の脇に赤い花芽がいっぱいついているのでこれはタイミンタチバナだろう。


タイミンタチバナは雌雄異株で花期は3-4月。花が開いた時に見てみたいな。




冬芽は筆のように尖っている。




キョウチクトウの葉に似ているけれど葉裏の側脈は不明瞭。


ミヤマシキミ ミカン科ミヤマシキミ属

タイミンタチバナの近くの日当たりの悪い所に細長い葉の常緑低木を見つけた。葉は互生し茎の上部に集まってつく。



枝先に円錐花序を用意しているから多分ミヤマシキミだろう。ミヤマシキミも雌雄別株で花期は4-5月。


冬芽は小さく先は尖る。

冬のシダ達⑤ ~オリヅルシダ、コバノカナワラビ?、オニヤブソテツ、ミゾシダ

2018-01-25 | 日記
一昨日の大雪はもうすっかり消えたが今朝も寒い。1/23午前10時ごろ、草津白根山が噴火し、近くの草津国際スキー場で訓練をしていた陸上自衛隊の隊員のひとりは噴石が当たって亡くなった。

オリヅルシダ オシダ科 ヤブソテツ属



山道にヤブソテツに似た小型の常緑のシダが群生していた。




葉は斜めに開出し革質、上面は暗緑色でやや光沢がある。羽片は三角状披針形でやや鎌状、基部には前側に耳状突起が見られる。ネット検索してオリヅルシダと判明。


羽軸や葉裏には鱗片が多い。ソーラスは中肋の両側に1-3列に並ぶ。包膜は小さく早落性。長さ20-30cmほどの普通葉と、中軸が長く伸び先端が地に着くと不定芽を生ずる葉との2型が混じってはえるので、オリヅルシダというらしい。オリヅルランみたいなもの。


葉柄の鱗片は、卵形~披針形、色も黄褐色~褐色。


コバノカナワラビ? オシダ科カナワラビ属

神社の裏山にどんなシダが生えているか確かめに行った。右上にはコモチシダ、左上にはおそらくミゾシダが生えていてその間に問題のシダを見つけた。4回羽状に深裂しており、頂羽片はない。最下羽片の下向き第1小羽片が第2小羽片より長く、葉は光沢のある濃緑色の革質、小羽片の先端は尖っている。カナワラビ属であることはすぐわかるが、よく見かけるホソバカナワラビとは全く雰囲気が違う。コバノカナワラビだろうか?




胞子葉を見つけた。胞子葉は直立して小羽片が小さくなる傾向があるらしい。


ソーラスは裂片の中肋近くについている。


葉柄基部に線状披針形。黒褐色の鱗片がついている。


オニヤブソテツ オシダ科ヤブソテツ属

山道で光沢のある革質の美しいシダを見つけた。オニヤブソテツだろうか。


ソーラスは円形、全面に散在する。包膜は中心部が黒褐色。


ミゾシダ ヒメシダ科ミゾシダ属



林床で2回羽状深裂のシダを見つけた。


葉柄に密に毛褐色を帯びて中軸はビロード状になっている。ミゾシダだろう。夏緑性シダ植物だから冬は色が悪い。




ソーラスは線形で脈に沿って伸び、苞膜はない。


基部に三角状披針形で淡褐色の鱗片。

カラスザンショウの果実

2018-01-09 | 日記
東洋医学会雑誌を読んでいたらその中である外科の先生が次のようなことを書いていた。「死は医療の現場では究極の敗北、肉体の消滅であり、そこに救いは一切ない。そして100%必ず人間は死を迎える時が来るから死という恐ろしことを考えたくない。しかし医師である経験から、死を前にしても怯まず前向きに生きる患者がいることを知った。人間は死が近づいてはじめて、人生において最も大切なもの、最優先すべき自分の役割がわかることがある。実は、死ととことん向き合うと、今生きていることが決して当たり前ではないという真実が理解され、そうすると大どんでん返しが起こり、現在生きていることが奇跡であることに気づく。つまり死を意識することにより生が輝くことになる。。。。」

カラスザンショウ ミカン科サンショウ属



夏なら雑草が茂って入り込めないけれど、今は下草を刈られてすっきりとした小高い山の斜面を息をきらして登った。登りきったところに房状にかたまった果実が落ちていた。ひと目でカラスザンショウの果実だと判った。匂いを嗅ぐと柑橘系の刺激臭が残っていた。






目の前に8mほどの樹木がその頂きに同様の果実をつけているのが見えた。葉は奇数羽状複葉を互生するがもう落葉している。




このカラスザンショウの最大の特徴は幹の周囲にトゲが多いこと。


カラスザンショウは先駆樹種で伐採跡地によく生えているが刺に気をつけないと痛い目にあう。ハリギリも刺が多いけれど葉の形が全く違う。シンジュ(ニワウルシ)も幼木をよく見かけるが、大きな葉は奇数羽状複葉を互生し刺はない。


細い幹にも刺がいっぱい。このカラスザンショウの力強さ、荒々しさがいいなあ。

冬のシダ達④ ~ナガバヤブソテツ?、ヤブソテツ?、ミツデウラボシ、ヤマイタチシダ、イノデ、ジュウモンジシダ、フモトシダ、イワガネソウ

2018-01-08 | 日記
星野仙一監督(中日、阪神、楽天)が2018年1月4日、膵臓癌のため死去した。70歳だった。


ナガバヤブソテツ? オシダ科ヤブソテツ属

日当りのよい林縁の斜面で見つけたシダ。1回羽状複葉のシダでヤブソテツ属であることは明らか。左側のものは光沢があり右側のものは光沢がない。


光沢のある方はオニヤブシテツかなあ?ナガバヤブソテツもオニヤブシテツににていて羽片は7~10対と少ないからナガバヤブソテツかもしれない。


ソーラスは羽片全面に散在し、包膜は丸く中心部が黒褐色。


ヤブソテツ? オシダ科ヤブソテツ属



葉は厚い紙質で光沢は無く ソーラスは円形、全面に散在する。包膜は灰白色。 側羽片はヤブソテツは15~25対で近縁のヤマヤブソテツは10~15対と少ないらしいから、これはヤマヤブソテツかもしれないなあ。


ミツデウラボシ ウラボシ科ミツデウラボシ属

乾いた崖にミツデウラボシを見つけた。


3裂するものは少ない。




ソーラスは円形で、中肋と辺縁の中間に並んでつく。


ヤマイタチシダ オシダ科オシダ属

最下羽片の下向き第1小羽片が最も大きい。葉身は光沢がなく、暗緑色、革状草質。葉の先端に向かって滑らかに細くなっているからヤマイタチシダかなあ?まだまだ自信がもてない。




羽軸の鱗片は基部が袋状に膨らみ、小羽片の中肋にも袋状鱗片がある。


根茎は短く、斜上。葉柄基部は狭い披針形の黒色~黒褐色の鱗片で密に覆われる。


イノデ オシダ科イノデ属

日当りの悪い林縁に差し掛かってくると色々なシダが増えてくる。この写真だけでも、中央部のイノデと思われる大きなシダ以外に、中央下にはリョウメンシダ、右上にはジュウモンジシダ、右下にはイワガネソウとフモトシダが見える。ほんとに豊かな森。


葉は光沢が強く先端は尾状にならず急に尖る。




中軸や羽軸にも鱗片が密につく。


小羽片には耳がある。


ソーラスは小羽片の軸と葉縁のやや縁よりにつくからイノデだと思われる。アスカイノデの場合はソーラスはやや軸よりにつく。


葉柄基部の鱗片は幅が広く広披針形。アスカイノデの場合は鱗片は細長い。


ジュウモンジシダ オシダ科イノデ属



葉身は単羽状複葉の大きな頂羽片と、最下部に2回羽状した1対の側羽片からなるので十字形に見える。面白い形をしている。


葉表。


葉裏。ソーラスと小さな鱗片。ソーラスは羽片の羽軸寄りについている。


葉柄基部には卵形、淡褐色の鱗片がつく。


フモトシダ コバノイシカグマ科 フモトシダ属

林縁の斜面に大きな葉を垂らしているフモトシダ。




羽片基部の上側が突出していて、裂片の縁にあるソーラスが表からもはっきり分かる。


中軸や羽軸の腹面には黄褐色の短毛がある。葉の両面などにも毛があり、全体に毛が多い。ソーラスは裂片の縁に寄ってつく。包膜はポケット状、長毛がある。


イワガネソウ ホウライシダ科イワガネゼンマイ属

薄暗い林縁で笹の葉のようなイワガネソウを見つけた。イワガネソウかイワガネゼンマイか確認しなければならない。






ソーラスは葉脈に沿って線形、網目状に結合し、縁近くまで広がるが縁まで達しない。イワガネゼンマイは葉脈が離れた後隣と結合することはなく縁まで達する。


イワガネソウのはさきは次第に細くなるのに対して、イワガネゼンマイの葉先は急に細くなる。

イズセンリョウ

2018-01-03 | 日記
箱根駅伝を見ながら、『牧野富太郎植物記1~8』(1974)を読んでいる。子供向けに書かれた本だがとても内容は深い。90歳を過ぎてなお夜中まで研究を続けていたという牧野富太郎が7巻の前書きに自作の歌を載せている。
「何時までも生きて仕事にいそしまむ また生まれ来ぬこの世なりせば」

イズセンリョウ サクラソウ科 イズセンリョウ属

湿った林縁の斜面で、コモチシダに混ざって白い果実をたくさんつけた常緑樹が枝を垂らしていた。




センリョウに少し似て白い果実。イズセンリョウだろう。イズセンリョウは雌雄別株。


葉は互生、長楕円形で縁に不明瞭な波状鋸歯があり先が尖る。表面は光沢があり主脈が葉裏に盛り上がる。




果実は宿存する萼が全体を包んでおり先端に花柱が残る。


やわらかいので指で潰してみると黒い小さな角ばった石のような種子が出てきた。


枝先には葉のわきに総状花序のつぼみがすでに準備されている。花は4月頃に咲くらしい。

正月の赤い果実たち ~ 万両、千両、百両、十両、一両

2018-01-01 | 日記
今日は元旦。快晴。家からは東京湾を挟んで遠くにはっきりと富士山が望める。昨夜は例によって近くの神社に初詣の後、遅くまでビデオで格闘技を見ていた。今日は少し眠かったが午前中、小さな林にシダを観察に出かけた。思いがけず正月に相応しい赤い果実がぽつぽつと見つかった。

マンリョウ サクラソウ科ヤブコウジ属

林床で赤い果実をつけたマンリョウが点在していた。50cmを超すほどのものもある。


葉は互生。ふちには波状の鋸歯がある。


実は核果。ただ青臭いだけでおいしそうな匂いはない。


まだ赤くない果実をつけているものがあった。


果実の白い品種をシロミノマンリョウというらしい。それかもしれない。


センリョウ センリョウ科センリョウ属

マンリョウの近くでセンリョウを見つけた。マンリョウが果実を下向きに付けているのと対照的に果実を枝先に上向きに付けている。


葉は対生で先はとがりふちには鋭い鋸歯がある。


果実は核果でマンリョウと似ている。


ヤブコウジ サクラソウ科ヤブコウジ属

マンリョウの近くにはヤブコウジが群生していた。


高さ10-20cm。葉は互生。縁には細かい鋸歯がある。


果実は核果でこれもマンリョウと似ている。10両といわれる。

ここで上の3種を比較してみよう。

表。左からヤブコウジ、マンリョウ、センリョウ。


裏。右からヤブコウジ、マンリョウ、センリョウ。


カラタチバナ サクラソウ科ヤブコウジ属

先日、マンリョウ、センリョウ、ヤブコウジの林とは違う山の林床で赤い果実を下向きにつけた20cm程度の常緑小低木を見つけた。はじめはマンリョウかと思っていたが、マンリョウにしては葉縁のはっきりとした波がない。調べてみるとカラタチバナのようだ。


葉は互生。葉は狭卵形〜披針形で先はとがり、外面には腺点がある。ふちには不明瞭な波状の鋸歯がある。


果実は核果。百両といわれる。


アリドオシ アカネ科アリドオシ属

日当りのあまりよくない林床を歩いていると棘のあるアリドオシが生えていた。刺さると痛い。


常緑低木。側枝はよく二叉分枝しながら横に広がる。葉は対生。葉腋に1対の細長い長さ1-2 cmの棘がある。


果実は液果。まだ赤く熟してはいない。アリドオシは1両といわれる。


ツルアリドオシ アカネ科ツルアリドオシ属

林縁の斜面に小さな赤い果実が見えた。ツルアリドオシだった。ツルアリドオシは茎が地上を這う常緑多年草。葉は対生。深緑色で厚く無毛で葉縁ははやや波状。


茎先に2個並んで花をつけ、その子房は2個が合着しているために、液果の頂に2花のあとが残る。ツルアリドオシは背も低く、果実も貧弱。ヤブコウジを10両と呼ぶのならば1両はアリドオシよりもこのツルアリドオシの方がいいんじゃないかなあ。