くたくたルンゲクッタ

過ぎていく時間と思い出忘備録

ポンテデリア

2018-08-27 | 日記
台風20号が去った後、先週末から猛暑が再来。夏のこの時期にはきっとあのポンテデリアが咲いているだろうと湿地のある近くの公園に行ってみた。

ポンテデリア・コルダータPontederia cordata(ナガバミズアオイ)ミズアオイ科ポンテデリア属

暑い日差しの中で爽やかな水色が美しい。この暑さの中でこの色はホッとする。




柄には1枚の葉をつけ穂状に花序を伸ばし淡青紫色の花を付けている。






花は6弁、上部の花弁1個に黄緑色の斑紋がある。


水中の土中の根茎から葉柄を伸ばし細長い心形の葉をつける。Pontederia cordataのcordataは心臓形という意味。

ウチワヤンマ、ハンミョウ、ハグルマトモエ

2018-08-23 | 日記
夏の午後、夕方ちかくなっても依然と強い日差しが照りつけていた。




公園の池ではカルガモが泳ぎ回り、湖を取り囲むようにヒメガマが群生している。


ダイサギがその中に何かを見つけて狙っている。

ウチワヤンマ サナエトンボ科ウチワヤンマ属

水の中に突き出た杭にとまっているトンボが見えた。シオカラよりずっと大きい。


しばらく見ていてウチワヤンマだと判り心躍った。小学校からの帰り道、畑の中に立てられた支柱のてっぺんには決まってウチワヤンマがいたのを思い出した。ここ何十年も会っていない友人を見つけたような懐かしさで嬉しくなった。腹部第8節側縁下方に半円形の付属物がついているのが特徴。頭部の複眼は接していない。ヤンマ科ではなくサナエトンボの仲間。

ハンミョウ オサムシ科ハンミョウ属

足元に鮮やかな色の甲虫が飛んできた。ハンミョウだった。すばしっこくて直ぐに飛んでいく。最近があまり見かけなくなった。


体長は20mm。体は光沢があり、緑・紫・赤・青などの美しい斑紋をもつ。

カブトムシとスズメバチ コガネムシ科カブトムシ族

池で釣りをしている中学生がいた。何が釣れるのか聞くとブラックバスだという。前の晩に作ったルアーを見せてくれた。スズメバチを擬した可愛いものだった。話をしている時に本物のスズメバチが飛んできて近くのクヌギの木にとまった。見上げると雌のカブトムシとスズメバチが樹液に集まっていた。


カブトムシの雄もいればよかったのに残念。スズメバチも種類は不明。

ハグルマトモエ ヤガ科シタバガ亜科

クヌギの木に面白い斑紋をもつ蛾を見つけた。ネット検索によればハグルマトモエのようだ。


前翅の横脈上に大きく黒い巴状の紋がある。目玉を擬態しているのだろう。


ハグルマトモエは開張50-70mm。裏面は赤色。年2回、春と夏に成虫が出現する。幼虫の食草はマメ科樹木などの葉。

オオサギ、カワセミ、そしてアゲハモドキ

2018-08-23 | 日記
夏も後半になった。今年は特に暑いけれどやはりわずかに涼しくなってきた。青空と山の緑が美しい。

アオサギ サギ科アオサギ属



林の上で大きな鳥が旋回していた。


沼の上にやってきて水面に伸びた枝の上に降り立った。


アオサギのようだ。アオサギは全長は90-98cmで日本で繁殖するサギ類の中では最大。翼開長は175-195cmで体重は平均1.5kgらしい。この比率から単純に考えると15kgの体重で空を飛ぶには翼長が20m近く必要になるなあ。


青みがかった灰色の羽毛で被われている。この個体は全体的に灰色っぽく白黒のコントラストが弱いのでまだ若いのかもしれない。枝に果実が見える。この木はアカメガシワだろう。


カワセミ カワセミ科カワセミ属

青い小さな鳥が矢のように目の前を飛んで行った。カワセミだった。カワセミは水辺の青い宝石と言われる。この個体はくちばしが黒いので雄だろう。雌は下のくちばしが赤いのでオスと区別できるらしい。


アゲハモドキ アゲハモドキガ科アゲハモドキ属

余りに暑いので木陰を歩いていると奇妙なチョウ?がウワミズサクラの葉にとまっていた。


クロアゲハに似ているがもっと小さくて、触角が両櫛歯状でとまり方も蛾のようだ。ネット検索でアゲハモドキであることが判明。アゲハモドキは灰黒色で、翅の縁や尾錠突起は黒色、後翅に赤い斑紋があるアゲハチョウにそっくりの大きなガ。体に毒を持つジャコウアゲハに擬態しているらしい。幼虫の食草はヤマコウバシ、ミズキなど。

ジャコウアゲハの幼虫の食草はウマノスズクサ。ウマノスズクサはアリストロキア酸を含み有毒のためジャコウアゲハを食べた捕食者は中毒をおこし2度とジャコウアゲハを食べなくなる。このため、クロアゲハやアゲハモドキのようにジャコウアゲハ類に擬態して身を守る昆虫が存在しこのような擬態をベーツ擬態と呼ぶらしい。ジャコウアゲハも見てみたいなあ。

中央アルプスの山

2018-08-16 | 日記
8月はじめ名古屋へ行った。名古屋、岐阜は気温40度に達する記録的な暑さだった。名古屋で妹に会って、翌日車で2時間ほど走り、バスとロープウェイで一気に標高2600m以上の千畳敷駅に到着。暑くて汗だく。ここから宝剣岳(標高2,931m)まで登る元気はない。あちこちで花が咲いているが高山の植物はどれも見たことないものばかり。






ヨツバシオガマ ハマウツボ科シオガマギク属

葉は4枚が輪生し羽状に深裂。茎頂の花茎に数段に花輪をつける。


花は唇形。上唇の先は紅紫色で嘴状に長く先が垂れ下がり、下唇は大きく3裂して垂れ下がる。萼は先が5裂。




これは花後の姿。


ミヤマアキノキリンソウ(コガネギク) キク科アキノキリンソウ属

アキノキリンソウと似ている。本州中部から北海道に分布、亜高山から高山に生え、背丈30-70cm程度の多年草。 葉は互生し、上部の葉は披針形で縁は波打ち浅い鋸歯あり。


シナノオトギリ オトギリソウ科オトギリソウ属

オトギリソウにそっくり。後で調べてみるとシナノオトギリと言うらしい。


主に本州中部地方に分布、低山から高山帯の日当たりの草地に生える多年草。


萼や花弁の後ろには黒い点がある。


ミヤマゼンコ セリ科エゾノシシウド属

茎は高さ40-60cm。葉は2-5回3出羽状複葉。葉柄の基部は鞘状に膨らみ、赤みを帯びる。白の散形花序。名はノダケ(中国名前胡)と同じセリ科で、高山に生えることによる。日本の特産種で、高山帯の草原や砂礫地に生え中部地方に分布。


エゾシオガマ ハマウツボ科シオガマギク属

亜高山帯から高山帯の開けた草地に生える多年草。


花は横向きにつき、白色から白黄色のねじれた唇形花。


葉は下部で対生、上部では互生し、長さ2-6㎝の三角状披針形、重鋸歯縁。


チングルマ バラ科ダイコンソウ属

この羽毛状の白毛のある果実は何だろう。ネットで調べチングルマの花の後だと判明。




チングルマの名は稚児車の転じたものとされる。


葉は羽状複葉。花茎の先に3cmほどの白い5弁花を1つ咲かせるらしい。


クルマユリ ユリ科ユリ属

遠くに濃い朱色のユリが見えた。葉が車軸状についているからクルマユリだろうか?


すぐ近くにも咲いていた。




径5-6cmの花が1-3個が下向きにつき、赤色で内面には紫褐色の斑点がある。


葉は茎の中ごろに1-3段に車軸状につく。


ウサギギク キク科ウサギギク属

キク科の多年草。茎は20-30cmで直立し対生葉をつける。雪解けとともに展開する対生葉がウサギの耳にみえるところから名がつけられた。茎頂に直径約5cmの鮮黄色の花をつけるところからキングルマともよばれる。


コバイケイソウ ユリ科シュロソウ属

一面にユリ科植物の花後が広がっていた。多分コバイケイソウだろう。花が見たかったなあ。


タカネグンナイフウロ フウロソウ科フウロソウ属

山梨県の郡内地方で発見され、高山に生えているので高嶺郡内風露と呼ばれる。


サクライウズ キンポウゲ科トリカブト属

木曽駒ヶ岳のトリカブトは、キタザワブシの交雑種で雄しべに毛が無く、サクライウズと呼ばれる。

クロヅルとガンコウラン

2018-08-08 | 日記
卒業(尾崎 豊)を久しぶりで聞いてみた。

「---中略--- 信じられぬ 大人との争いの中で 許しあい いったい何 解りあえただろう うんざりしながら それでも過ごした ひとつだけ解ってたこと この支配からの卒業 
卒業して いったい何 解ると言うのか 想い出のほかに 何が残ると言うのか 人は誰も縛られた かよわき子羊ならば 先生あなたは かよわき大人の代弁者なのか 俺達の怒り どこへ向うべきなのか これからは 何が俺を 縛りつけるだろう あと何度自分自身卒業すれば 本当の自分に たどりつけるだろう
仕組まれた自由に 誰も気付かずに あがいた日々も終る この支配からの卒業 闘いからの 卒業」

後半の叫びにも似た熱唱は今も聴く者の心を強く揺さぶる。歌詞の中で特に最後の節は意味深いなあ。


クロヅル ニシキギ科クロヅル属

北関東の山に生えていた。背が低く横に広がっていて白い花をつけていた。はじめはつる性植物とは思わなかった。ネットで検索してクロヅルと判明。




花は円錐花序に多数つき、直径約6㎜の5弁花。雌しべの花盤のまわりに雄しべ5個がつく。雌雄同株。




果実は3枚羽根の翼果で特徴的。


葉は両面とも無毛。卵形から楕円形で、葉先は急鋭頭、基部は浅心形からくさび形、縁は鈍鋸歯。


ガンコウラン ツツジ科ガンコウラン属

クロヅルの周りには高さ10cm程度の枝がびっしりと伸びて葉が密生しマット状になっていた。雌雄異株の常緑草状低木のガンコウラン。






熟した果実は径6-10mmの黒い球形。


つぶしてみると中には小さな種子がたくさん入っている。少し果肉を食べてみると甘酸っぱくて美味しい。果実はビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富でジャムにすることができるらしい。

ママコナ

2018-08-01 | 日記
火星が接近しているというので、昨夜11時ころベランダから南の空を見上げると異様に明るく輝く星が見えた。あれが火星に違いないと双眼鏡で覗いてみると赤い丸が見えた。デジカメで写真を撮ってみたがやはりただの赤い点しか写っていなかった。火星の氷の下にはまだ水があるらしい。いつの日かその中から生物が見つかる可能性がある。もしもその生物の遺伝情報がDNAからなっており地球生物のDNAと共通性があったとしたら生命は一体どこから来たことになるのだろう?

ママコナ ハマウツボ科(旧ゴマノハグサ科)ママコナ属



林縁でピンクの唇形花をつけた草丈40-50cmくらいの植物に出会った。枝先に長さ5-10cmの穂状花序をつけている。




花の形からシソ科と思いネット検索したが見つからない。諦めかけたときママコナを見つけた。シソ科ではなくハマウツボ科(旧ゴマノハグサ科)だった。ハマウツボ科はナンバンギセルのように寄生植物の属する科。ママコナは半寄生で以前はゴマノハグサ科だったがAPG植物分類体系ではハマウツボ科に移動されている。


花弁に2つ並んだ白い膨らみが飯粒のように見える。


ママコナとは変な名前。おそらく継子から来ているのだろうと思いネット検索してみると継子話が見つかった。釜の飯粒を食べた継子が継母に見つかり口を開けさせられると舌の上に飯粒が2つ残っていた。継母は怒って子を殺して山に埋めた。その後草が生えて花が咲きその下には飯粒が2つついていた。これがママコナ(飯子菜、継子菜)の名の由来となった。残酷な話だった。


苞は葉状で縁は刺状の歯牙となり花軸や萼には白毛がやや密に生える。


葉。