Dying Message

僕が最期に伝えたかったこと……

エセ美談

2006-02-15 21:51:39 | Weblog
昨日の夜中(日付は今日だけど)TBSの中継の中で、スピードスケートの吉井小百合の母校では、父兄が持ち回りで夜に水を撒いて、校庭にリンクを作るという伝統があると言う話が紹介された。その甲斐あって吉井も五輪に漕ぎ着けた。う~ん、ええ話や。ウソ。50年もこんなことをやってる中で、止めようと誰も言い出さないなんて、絶対おかしいじゃないかって。

こんな話を、さも美談のように仕立てるテレビ局の魂胆も嫌だね。もし本当に父兄の総意でやってるならそれは美談かも分からないけど、中には絶対にやりたくない人だっているはずなんだ。それをなぜ言い出せないかと言えば、反論を許さない空気があるからだろう。反論をした瞬間にアパルトヘイトされかねない。これは一種の脅しでね。上司が部下に色々強要するのを“パワーハラスメント”と言うけど、これも似たようなもんじゃないか。無言の圧力で反対の声を抑えておいて、それが良き伝統だと紹介されても、そんなの滑稽でしかないと言うんだよ。学校の施設なんだから、こんなの教員にでもやらせればいい話じゃないか。

日本人ってのはどうも、このテの偽善が大好きなんだね。僕が通ってた中学校なんて、他校とボランティアに行った生徒の数で競ってたもの。「隣の中学に比べてウチは少ないぞ」なんて、学年主任が朝礼で平気で言ってる。「ボランティアをやれば、それを内申書に書けるから有利になる」って、バカを言うな。そんなのボランティアの精神に反するじゃないか。そんな餌で生徒を釣って近隣の学校に人数で勝ったって、そんなのどこが偉いと言うんだよ。教師のエゴもいいところじゃないか。結局僕は行かなかったけど、そうすると白い目で見られてしまうんだね。恐らくさっきの吉井の母校の話だって、似たような状況だったわけだろう。傍から見ればいい話でも、内情に踏み込めば、汚いことこの上ないわけさ。

結局テレビから教育まで、この国はもう全てが偽善で塗り固められてしまっているんだね。こんな欺瞞がまかり通っている状況に、一石を投じてくれる人はもうどこにも居やしない。こうなったら不本意でも、バカになった方が生きやすいのかも分からないね。

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