雨を含んだような曇り空。
去年の今頃・・・というよりは、もう少し季節が進んで、秋になりかけの頃、『赤目四十八瀧心中未遂:車谷長吉・著』を読んで、レヴューを書いているのですが、再読。
2000年頃?から、所謂、『韓流』というジャンルが、確立されて、かの国のドラマなどが、わが国でも解禁?になって、お隣にありながら、疎遠というか、あまり縁のない御国であったけれど、急に、近しくなってきたような気がします。
韓国人=朝鮮人という図式には、一種、深いミゾのようなものを感じるのは、私だけ・・・かもしれませんが・・・。
歴史上、かの国を蹂躙してきたのは、たぶん、明白な事実だろうし、軍事上の拠点でもあり、戦略的に、この地を支配するのと、しないのでは、雲泥の差があったのだと思います。
・・・そんな中で、その歴史を知っているのか、或いは、全く知らないのか・・・『韓流』という一種の能天気さ・・・。
また、前置きが、長くなってしまいました。
『赤目四十八瀧心中未遂』でした。
この小説の中に、絶世の美女・アヤちゃんと呼ばれる女性が登場します。
この『アヤちゃん』は、朝鮮人です(北朝鮮なのか韓国なのかは不明です)。
背中一面に、極楽の住人である迦陵頻伽の刺青を背負っている女性です。
泥水を啜って、生きてきた・・・と自ら、言い放ちます。
たぶん・・・朝鮮人故に。
・・・そして、朝鮮人なのに、何故、『アヤちゃん』なのでしょうか・・・。
私は、読み飛ばしてしまったようなのですが、物語の終盤で、彼女は、自分の名前を、
『李文蛍(イ・ムンヒョン)』
と告白します。
ああ・・・それで、彼女は、『アヤちゃん』なのね・・・と初めて、納得した次第です。
『文蛍』の『文』で、アヤなのでしょう。
読後、1年経って、ようやく気づきました。
気が付くのが、いつも、本当に、遅い・・・です。