季節は、少し後戻り。
冷たい雨のふる4月最終日。
降雨は、強くなったり、弱くなったりを繰り返しながら、銀色の糸のように、降り続く・・・。
夏に向かって、一気に進もうとした季節に、ストップをかけるように。
一昨日の月曜日。
1ヶ月ぶりに、以前の会社のヒトに会った。
11連休中ということなので、市内で、和食のランチ。
相変わらず、会社の話になるのだけれど、今の私には、もう何も関係ない。
在職していた頃は、憤懣やるかたない日々だったけれど、今となっては、誰が何をしようが、どれほど、理不尽だろうが、本当に私には、何の関係も無い。
彼女は・・・。
いまもあのブラックホールの真っ只中にいるのだろう。
だから・・・同意が欲しい。
解ってくれる相手が欲しい。
否定せず、『おかしいよね。あの会社・・・。』と言ってくれる相手を探している。
私は・・・。
ほんとうに、もうどうでもよかったし、面倒だったから、最初に彼女の話を肯定し、そして、
『・・・でも。もう私には関係ない話だし・・・。』
と言った。
一瞬・・・彼女は、固まった。
私は、たぶん憐みと同情とそして毒を含んだ意地悪な笑みを浮かべていたに違いない。
・・・でも。
どんなに、最低の仕事でも、あの組織内で、頭数に入っていなくても・・・。
いまの彼女には、もっと最低の『ワタシ』がいる。
『ワタシ』に比べたら、彼女は、ずっと優位にある・・・。
そう思ったのだろうし、そう思っていたいのだろう。
冷ややかな笑みを浮かべて頷いた。
それでも・・・私の方が、幸せだと・・・。
季節の花々も凍りつきそうな冷笑。