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イギリス王室支える“イメージ戦略”

2015-03-11 07:30:00 | 海外ネットワーク

3月1日 NHK海外ネットワーク

一昨年 ロイヤルベビーが誕生し
世界中の関心がウイリアム王子と妻のキャサリンさんに集まった。
行き先々に人だかりができ
イギリス王室の顔となっている。
注目はキャサリンさんのファッションにも。
庶民的なブランドを着こなす気取らない姿が共感を呼んでいる。
(市民)
「王室に親しみを感じる。」
「若い世代は一般の人の感覚に近い。
 王室の一員としても自覚も十分。」
多くの人をひきつけるウイリアム王子夫妻。
この人気を支えるのがイギリス王室の優れたイメージ戦略である。
王室はツイッターやフェイスブックなどのメディアを駆使し
女王や王族の日常を発信。
“親しみやすさ”の演出に力を入れている。
イメージ戦略を強化するきっかけとなったのは18年前。
国民に人気が高かったダイアナ元皇太子妃が交通事故で亡くなった。
その後 国民の王室の支持率は過去最低の約30%まで落ち込んだ。
さらに国の財政状況が厳しいことを理由に年間66億円の王室費も廃止された。
危機を乗り越えようと王室はエリザベス女王のもと“開かれた王室”を掲げイメージ戦略に取り組んでいる。
かつてバッキンガム宮殿で報道官を務めたディッキー・アービターさんは
王室のウェブサイトを立ち上げるなどイメージアップに努めてきた1人である。
(バッキンガム宮殿 元報道官 ディッキー・アービターさん)
「女王陛下はすっかり変わった。
 服装もカラフル。
 王室は誰からも親しんでもらえるよう努力している。」
経済的な自立も求められた王室。
所有する土地を利用したビジネスにも力を入れている。
ロンドン中心部 世界のブランド店が軒を連ねるリージェントストリート。
この通りのほとんどが王室の土地である。
テナントからの賃料など都市部の不動産収入は年間450億円を超えている。
洋上でもビジネスを展開。
イギリスの海岸線の50%以上を保有していて
風力発電事業を行う企業に用地を貸出し収入を得ている。
さらに王室はブランド力の強化にも余念がない。
王室のメンバーがデザインした雑貨などを販売する店。
売り上げは年間数億円にのぼるが収益はすべて環境保護や教育などに取り組む慈善団体に寄付される。
(日本人観光客)
「チャリティーになっているそうで非常にいいと思う。」
今では60%以上にまで回復した王室の支持率。
王室のビジネスにも追い風となっている。
イギリス南部のパウンドベリー。
王室所有の土地に住宅やオフィスが建ち並んでいる。
チャールズ皇太子が20年前から開発を手掛けてきた。
最近町に移り住む人が相次いでいる。
開発前と比べ地価は10倍以上も上昇。
周辺の地域も合わせた土地の賃料は年間53億円にのぼる。
王室のブランドに魅かれ企業も続々と進出。
有機栽培の原料でシリアルを製造販売する会社も町の発展を歓迎している。
(シリアルメーカー マーケティング責任者)
「王室とつながりの深いこの町に居られてとてもうれしい。」
存続の危機をもくぐり抜けてきたイギリス王室。
新しい世代も誕生しそのブランド力はますます高まりそうである。
(バッキンガム宮殿 元報道官 ディッキー・アービターさん)
「上の世代が築き上げてきたものを引きつぎ
 新しい世代が様々な取り組みを行っている。
 国民は王室のことを好意的に見ている。」

 


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