石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

JXTG/出光興産と五大国際石油企業の2019年10-12月期業績比較 (中)

2020-03-05 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0497MajorJxtgIdemitsuOctDec.pdf


(Shellの売上高はJXTGの4倍、出光の6倍!)
1.売上高 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-10.pdf 参照)
2019年10-12月期のJXTGの売上高は2兆5,441億円、出光は1兆5,606億円である。これをJXTGは1ドル=109円、出光は1ドル=108.7円で換算すると(換算レートは各社の決算説明資料から引用、以下同様)、JXTGは233億ドル、出光は144億ドルとなる。

これに対してメジャーズ5社の同期の売上高は最も多いShellが851億ドル、ついでBP 711億ドル、ExxonMobil 672億ドル、Total 493億ドル、Chevron 364億ドルである。JXTGはメジャーズ最大のShellの4分の1であり、出光は6分の1にとどまっている。メジャーズの中で最も売上高が少ないChevronと比べてもJXTGは6割強、出光は4割弱である。売り上げ規模で見れば日本企業と欧米企業の差は大きい。

(ExxonMobil、Totalに比べ大きく見劣りする日系2社の利益!)
2.純利益 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-11.pdf 参照)
 JXTGの10-12月期の純利益は535億円(4.9億ドル)であり、出光の純利益は196億円(1.8億ドル)であった。一方メジャーの同期間の利益はExxonMobilが57億ドル、Total 26億ドル、Shell 10億ドル、BP1,900万ドルであり、Chevronは66憶ドルの大幅欠損であった。

 JXTG及び出光はメジャーズのBPあるいはChevronを上回り堅実である。但しExxonMobil、TotalあるいはShellと比較するとその利益水準は見劣りがする。

(JXTG、出光の利益率はメジャーズと遜色なし!)
3.売上高利益率 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-12.pdf 参照)
 売上高利益率を比べてみると、最も高いのはExxonMobilの8.5%であり、これに次ぐのがTotal 5.3%、続いてJXTG2.1%、出光1.3%と日系企業であり、4位以下はShell1.1%、BP 0.0%、Chevron▲18.2%である。ExxonMobil及びTotal2社は他社に比べ売上高利益率が突出して高い。日系2社を含むその他の5社はいずれも2%以下であるが、JXTG及び出光の利益率はShell、BP、Chevronのメジャー3社を上回っており遜色はない。

(続く)

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