曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

なぜ、メルトダウン事故は、半世紀以上「マル秘」にされたか?

2015年08月29日 10時13分13秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

         

なぜ、メルトダウン事故は、半世紀以上「マル秘」にされたか?――広瀬隆×堀潤対談<前篇>

 

 2015/8/27 14:00

        
 
 
 
 『原子炉時限爆弾』で、福島第一原発事故を半年前に予言した、ノンフィクション作家の広瀬隆氏。
壮大な史実とデータで暴かれる戦後70年の不都合な真実を描いた『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』が第4刷となった。
本連載シリーズ記事も累計145万ページビューを突破し、大きな話題となっている。
このたび、新著で「タイムリミットはあと1年しかない」とおそるべき予言をした著者が、「8bitNews」主宰者で元NHKアナウンサーの堀潤氏と初対談。
なぜ、アメリカのメルトダウン事故は、半世紀以上「マル秘」にされたか? 
知られざる報道の真実に耳を傾けてみたい。
(構成:橋本淳司)

● じつに事故50年後に明らかになった 高濃度放射能とは? 

 広瀬 堀さんは2012年にアメリカで原子力の取材をされていたそうですね。

 堀 2012~2013年までの1年間、ぼくはNHKに籍を置きながらUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)に留学していました。ソーシャルメディアと放送の融合を研究しながら、原子力について取材していました。

 広瀬 そうでしたか。知りませんでした。

 堀 ロサンゼルスの北、車で50分くらい走ったところにあるシミバレーという山あいの町に、1959年にメルトダウン事故を起こした実験用原子炉がありました。その実験用原子炉の影響については、半世紀に渡って公開されてきませんでした。

 広瀬 2012年に公聴会が開かれたサンタスザーナの野外実験用原子炉の事故ですね。

 堀 そうです。地下に設置された原子炉が事故で空焚きになり、燃料棒十数本がメルトダウンし、そのまま放射性物質が拡散されました。

 1980年代に入って、ガン患者や体調不良の人が多いので、「ここで何かあったんじゃないか」と疑念を抱いた女性たちが運動を始め、いろいろな妨害を受けながらロビー活動を続けた結果、2009年、カリフォルニア州議会で問題の原因解明を図ることが決議されました。
 そして、EPA(米国環境保護局)が3年間調査を行い、その結果が、2012年に住民向けに公表されました。

 広瀬 事故から50年以上経過してようやく、というニュースに私は驚きました。

● 自由に事実を伝えたい!  それでNHKを退職した

 堀 米国環境保護局によると、サンタスザーナ野外原子炉実験所跡地では、最大でバックグラウンドレベルの1000倍を超えるセシウム137が検出されました。セシウム137は、291ヵ所から検出されており、影響は広範囲にわたりました。

 さらにストロンチウム90が1グラム当たり最大788ベクレルで通常の284倍。プルトニウム239/240は約7ベクレルで、通常の10倍という値が検出されました。
 50年以上たっての数値ですから、非常に深刻な事故だったとわかります。

 広瀬 一帯の住民にどのような影響があったか、教えてください。

 堀 シミバレーは周辺域の水源にもなっていました。住民は、放射能の汚染が河川や地下水にどの程度影響を与えるのか、飲み水や農業用水への汚染がどの程度高まっているのかなど説明を求めていましたが、米国環境保護局は「汚染実態の調査の説明会なので健康へのリスクに関して応えるデータを持っていない」と繰り返していました。

 広瀬 私は日本でも水への影響がいちばん心配です。80万ページビュー(サイトの閲覧数)を突破した本連載第4回でも触れましたが、フクシマ原発から出たトリチウムの放出総量はまったく明らかにされていません。でも、これから多くの人の健康に影響を与えるはずです。

 堀 ぼくはサンタスザーナのことを、日本の50年後を考えるうえで重要なモデルケースになるし、大事なテーマだと思って企画しました。
 しかし日本では、因果関係をアメリカ政府が認めないと、なかなかむずかしいことです。

 広瀬 そんな因果関係をアメリカ政府が認めるわけがない。それでも警告を出すのがジャーナリストの責任ですよね。

 堀 50年後の日本で健康被害が出ないことを願ってやみませんが、もし仮に何かあったときに「補償してほしい」と言っても、「原発事故が原因とは判断できない」と断られるのが関の山でしょう。だからサンタスザーナの教訓を学ぶべきと取材を重ねたのですが、結局、無理でした。
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