曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

自浄能力を完全に失っている自民党

2017年12月04日 13時35分44秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                                                

                                                 「植草一秀の『知られざる真実』」

                                                        2017/12/01


                     自浄能力を完全に失っている自民党

                              第1909号

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森友学園に対する国有地の不正払下げ疑惑が国会で審議されたが、安倍政権は
事実解明をせずに逃げ切る構えである。

国有財産が不正に低い価格で払い下げられることは、国に対して損失を与える
ことを意味する。

財政法は国有財産を適正な対価なくして処分することを禁止している。

この財政法に違反する行為である。

財務省、あるいは近畿財務局の職員が、国有財産を不正に低い価格で払い下げ
たのなら、刑法の「背任罪」が成立する。

すでに、刑事事件として告発状が提出され、検察がこれを受理している。

当然のことながら、適正な捜査が行われなければならないが、検察は全く動い
ていない。

その一方で、国有財産の不正払下げに関する重要な情報を提供されてきた森友
学園の籠池泰典前理事長夫妻を補助金を不正に受領した疑いで、「詐欺罪」で
起訴し、籠池氏夫妻を長期勾留している。

現段階で籠池氏夫妻の犯罪は確定していない。

確定していない被告に対しては、無罪を推定しなければならないし、当然のこ
とながら、基本的人権が尊重されなければならない。

刑事訴訟法は第1条に次の条文を置いている。

第一条 この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権
の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に
適用実現することを目的とする。

刑事事件に対する捜査、訴訟手続きの基本は、

「公共の福祉の維持」

だけでなく、

「個人の基本的人権の保障とを全うしつつ」

「事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現すること」

である。



日本の警察・検察行政においては、

「個人の基本的人権の保障」

が著しく軽視、あるいは無視されている。

これが日本の警察・検察・裁判所制度の三大欠陥のひとつである。

籠池氏夫妻による補助金受領に問題があったとしても、その摘発は、基本的に
補助金適正化法によるべきであり、科される罪刑は罰金刑が妥当であると法律
専門家も述べている。

それにもかかわらず、検察は、森友事案の核心である国有地不正払い下げ疑惑
については、必要な操作も証拠の保全もまったく行わずに、重大な不正を告発
した籠池氏夫妻を別件で逮捕、起訴し、不当な長期勾留を続けている。

しかも、籠池氏に対しては接見交通権も剥奪するという、人権無視の対応を示
している。

10月22日に実施された衆議院総選挙に際して、籠池氏夫妻がさまざまな情
報発信することが、安倍政権にとっての大きな脅威であると判断されたのであ
ろう。

また、国会での予算委員会審議に際して、籠池氏夫妻が、さまざまな事実関係
を明らかにすることを大きな脅威であると判断したのだろう。

そのために、人権を蹂躙することは、国家権力の濫用以外の何者でもない。



森友学園への国有地払い下げの価格決定に関して、

財務省の前理財局長である佐川宣寿氏は、本年3月15日の衆議院財務金融委
員会において、

「そういう価格につきまして、こちらから提示したことも

先方からいくらで買いたいといった希望があったこともございません」

と答弁している。

しかし、その後に存在が明らかになった、近畿財務局と籠池泰典氏の折衝を録
音した音声データのなかで、

籠池氏が

「「1億30000万円が云々」というものよりも、ぐーんと下げていかなあ
かんよ」

と発言し、これに対して、近畿財務局の池田靖国有財産統括官が、

「理事長がおっしゃる0円に近い金額まで、私はできるだけ努力する作業をい
まやっています」

と答えている。

「1億3000万円」は、国が森友学園に対して支払う土壌改良費の金額で、
払い下げ価格がこれを下回ると、国の収入が差し引きマイナスになってしまう
から、1億3000万円以下の金額にはならないと財務省側が説明していたこ
とから出る表現である。

籠池氏側は、払い下げ価格が「実質ゼロ」になる1億3000万円に近づける
ことを求めたのだと考えられる。

このことについて、近畿財務局の池田靖国有財産統括官が、

「理事長がおっしゃる0円に近い金額まで、私はできるだけ努力する作業をい
まやっています」

と述べた音声データの存在が明らかになった以上、

「そういう価格につきまして、こちらから提示したことも。先方からいくらで
買いたいといった希望があったこともございません」

という佐川宣寿前理財局長の国会答弁が虚偽答弁であったことは明白である。

このような、紛れもない事実の認定さえ国会ができない、あるいは、政府がご
まかすに至っては、もはや議会制民主主義は崩壊していると言わざるを得な
い。

日馬富士騒動で、このような重大問題が闇に葬られることを、日本の主権者は
絶対に許してはならないのである。



権力の驕り、権力の暴走としか言いようがない。

事実が明確になっているのであるから、その明確になった事実は事実として認
め、とるべき責任を取る。

これは、与党が多数の議席を占有していようとも、占有していなくても、変わ
らぬ「道理」というものである。

「是是非非」

という言葉があるが、どれほど多数の議席を保持していようと、国民の前に誠
実な、正々堂々とした姿勢を示すべきことは当然である。

安倍首相は国会答弁で、

「自分や妻が関わっていたら、総理大臣も国会議員も辞める」

と明言した。

しかし、その後に、安倍昭恵氏が関わったという客観的な事実が数多く確認さ
れている。

したがって、安倍首相が言葉に対する責任を明らかにするには、安倍昭恵氏の
説明が必要不可欠である。



安倍首相は、安倍昭恵夫人が関与していたら、総理大臣も国会議員も辞めると
明言したのであるから、これだけ関与を裏付ける証拠が揃っていることを踏ま
えれば、安倍昭恵氏の証人喚問に応じるべきだろう。

それが「人の道」というものである。

安倍昭恵氏は森友学園に強く賛同して、3度も講演に出向いている。

実際に新設小学校の名誉校長にも就任している。

安倍首相は、

「この学校の先生方の教育に対する熱意は素晴らしいと聞いている」

籠池泰典氏について、

「いわば私の考え方に非常に共鳴している方」

だと説明していた。

また、安倍首相自身が森友学園での講演の予定を入れていた。

それが実現しなかったのは、選挙があり、安倍首相の側からドタキャンしたた
めに過ぎない。



それだけ懇意にしていた人物が経営する学校法人に、国が国有地を不正に低い
価格で払い下げた疑惑が浮上し、そのことによって、安倍首相自身が首相辞任
と国会議員辞任の窮地に追い込まれたために、手のひらを返して、国家権力を
濫用して、籠池氏を犯罪者に仕立て上げて、投獄し、人権を蹂躙して、口封じ
をしている。

これほど「人の道に反する政治」というものが、過去にあっただろうか。

内閣総理大臣は為政者としての最高ポストである。

国家の行政組織のトップに立つ者の、こうした立ち居振る舞いが、国民に与え
る影響は計り知れない。

とりわけ、教育に与える影響は深刻である。

安倍首相は教育基本法を改悪した。

教育を重視するような言説をまき散らしながら、若い人々に対して、最大の教
育上の害悪を降り注いでいる。

いまや、内閣総理大臣は、国民から尊敬を集める職位ではなくなってしまって
いるが、それでも、最大の権力を有し、その権力を濫用して、国民生活に甚大
な影響を与えている人物の言動が与える教育上の影響は小さなものではない。



自分の言葉に責任を持たない。

都合が悪くなると、詭弁を並べて誤魔化す。

平気でウソをつく。

大きな問題に直面すると、真正面から問題に向き合おうとせずに、ただひたす
ら逃げる。

そして、親しくしてきた人間を、一方的に裏切り、切り捨てる。

国家のトップに位置する者の、このような言動を若い人々が見ているのであ
る。

国が乱れ、人心が荒廃するのは避けられないだろう。

そして、社会の木鐸であるべきメディアが、権力に対して批判精神を持って、
これを論じることをせず、権力にすり寄る言説をまき散らす。

こうして、国は衰退するのではないだろうか



さまざまな主義主張があるのは当然のことであるし、政治が権力闘争の側面を
持つことも理解できる。

しかし、だれが権力を保持しようと、正々堂々とした振る舞い、是々非々の対
応を示すべきであると思う。

この点で、安倍政権以上に悪い政権を私は思いつかない。

その誤りを正す第一歩として、安倍首相はまず、安倍昭恵氏の証人喚問に応じ
るべきである。

同時に、佐川宣寿前理財局長の証人喚問にも応じるべきである。

 


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