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農業は食糧安全保障や自給率、地域活性化の観点から考えるべき

2015年03月05日 09時51分56秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                  

農業は食糧安全保障や自給率、地域活性化の観点から考えるべき

                                           2015年3月4日


代表 小沢一郎

安倍首相の掲げる農業政策はほとんどの農家も地域もだめにする

農協を実質的に解体して自由競争にすれば、農家もよくなる、地域もよくなる、そして食糧自給率も高くなるというのでしたら、私は安倍政権の農業政策に反対しません。しかし、安倍首相が掲げている改革案では農業環境は悪化する一方で、ただ単に競争力のある一部の農産物が株式会社の運営の下で生き残るというだけのことです。

私自身も農協の組合員の一人ですが、農協は農家のためのものですから、必要な改革は行っていかなければなりません。しかし、安倍首相が目指す方向は、いわゆる新自由主義の考え方を農業にも取り入れようというものです。確かに日本にも国際競争力が十分ある農産物もあります。しかし、それはほんの一部で、それ以外の農業や農家は全部やめるしかなくなってしまいます。

また、農業に企業が参入し、農地を集約して効率化を進めていけば、今までの農業従事者のほとんどは切り捨てられていくことになります。そして、企業は利益を追求する集団ですから、利益が出ないとなれば、さっさと撤退してしまいます。その時、そこで働いていた人たちや地域社会はどうなるのでしょうか。

安定した国家経営のためには食糧自給率を高めることが必要 

競争力のある農産物だけを育てる農業政策は、日本の食糧自給率を上げていく方向と逆行します。初期資本主義の段階で生産性の高い工業製品に力を入れ農業を切り捨てたイギリスは、その反省から農業政策にも予算をつぎ込み、現在の食糧自給率は70%程度までになりました。ドイツは100%、フランスは120~30%、アメリカやオーストラリアはもっと高い水準です。

食糧自給率を高めることは、国家経営のためにも、食糧安全保障のためにも、また経済社会を円滑にしていくためにもどうしても必要なことです。

日本の食糧自給率は今や40%を切っていますが、私は本来100%にすべきだと思っています。日本には耕地面積も十分ありますし、遊休地をフル活用して適地適産をしていけば、主要穀物を完全に自給していくことは十分可能です。コメは長年の品種改良や研究の成果で、北海道から九州まで耕作できるようになりました。ですから、コメ作りはある程度制限して、その分を大豆や麦、あるいは畜産、酪農などに向けていけばいいのです。


 自給率を100%にするには農家のセーフティーネット構築も
 

大豆や麦、トウモロコシなど飼料穀物の反収(10 アール当たりの収穫量)は現在、欧米の半分程度です。耕作地に手をかけて、単位面積当たりの収穫量を多くするのが日本農業の特色ですから、これらの作物も品種改良を進め、精一杯手をかけて育てていけば、必ず欧米並みの収穫量にすることができるはずです。

欧米諸国では食糧自給率を維持するために莫大な補助金を出していますが、日本だけは「農村、農民を過保護にしている」と消極的です。もちろん、生産者も競争原理をしっかり学ばなくてはいけませんし、食管制度の欠点等も直していかなければなりません。しかし、それでもなお、不作の時など農家が再生産できるよう生産費を補填するセーフティーネットを構築しないと、高い食糧自給率を達成することはできません。

農業は他産業に比べて生産性が低いのは仕方ありません。私は、農業に自由競争の原理を導入して勝ち組だけを育てるというやり方は全く日本のためにならないし、資本主義の歴史にも民主主義の原理にも反すると思います。

自民党は「地方創生」などと言っていますが、本当に地域を振興する気持ちがあるのならば、農林水産業に焦点を当てた政策を推進すると同時に、地方分権を実施して地方の活性化を進める必要があります。そうしないと、日本はいびつな社会になり、最後は本当に国を滅ぼすことになってしまいます。

※生活の党と山本太郎となままたちホームページホームページより「転載」



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