セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「アナと雪の女王」(吹き替え版)

2014-04-20 21:01:31 | 外国映画
 「アナと雪の女王」吹き替え版(「Frozen」・2013年・米)
   監督 クリス・バック
       ジェニファー・リー
   脚本 ジェニファー・リー
   リード2Dアニメーター マーク・ヘン
   音楽 クリストフ・べック
   歌曲 クリスティン・アンダーソン=ロペス
       ロバート・ロペス
   -----------------
   声  神田沙也加
       松たか子
       原慎一郎
       津田英佑
   エンディング「Let It Go」 May J

 鉦鼓亭、完全な「原語派」ですが松たか子の歌が良いというので珍しく吹き替
え版に行ってきました。
 (娘は原語版希望だったのですが、先週で望むスクリーン上映が終わってた)

 70年代、ディズニー印には何度も散々な目に合ってて、ちょっとした拒絶反応
があるんですよ。
 2月に観た「塔の上のラプンツェル」も、綺麗なCGになっただけで「変わってな
いな」と。
 観光地の土産物屋じゃないけど「所変われど品変わらず」

 この作品も、そのディズニー・ワールドという大枠からは出ていません。
 ディズニーの予定調和は、忠実に守られています。
 (「愛は全能」、それを逸脱したら、最早、ディズニーアニメじゃない)
 でも「ラプンツェル」と違い、随分と苦労して考えています、ディズニーの法則を
逆手に取ってる所など新鮮でした。
 また、「ヒロインが善良なまま魔女のように庶民を苦しめる」というのも余り見な
い展開。
 (単に僕がディズニーに疎いだけかも)
 この展開の為、ダブル・ヒロインという新手に発展させる事が出来ています。

 昔々のように綺麗で優しいだけじゃ、現代のヒロインはディズニーといえども務
まらないのは自明。
 そこの所を、活発、男勝り、勇気を付け加えながら何とか乗り越えてきたけど、
それだけじゃ、やっぱり大人が見て物足りないんです。
 今回、自己の存在への猜疑、嫌悪、不安、焦燥、無力感を加味するなど、従来
のヒロインよりキャラクターを掘り下げているように思えます。(それ程、大袈裟で
はないけれど(汗))
 その点は充分評価されてしかるべきだと思います。
 「法則を逆手に」
 特に「騙し」を入れたのは新鮮で面白かった。
 でも、ディズニーと「騙し」は、やはり「水と油」、相容れない要素なのじゃないで
しょうか。
 1回は面白いけど、何度もやっていい「手」だとは思いません。

 アカデミー歌曲賞を獲った「「Let It Go」、耳に馴染み易く使われてるシーンと相
まって印象に残ります。
 でも、歌としては劇中より単体で聞いた方が、僕としてはより印象に残るんです
よね、普通、逆なのに。(笑)

 さて、評判の松たか子と神田沙也加。
 歌唱力は合格ラインを超えていたと思います、悪くないです。
 3オクターブくらいキッチリ出てたかな(よく解らない~適当)、でも、ちょっと一杯
感も感じました。
 アメリカって層が滅茶苦茶厚いから、あれくらいなら掃いて捨てる程居るでしょう。
 音程はシッカリしてるけど声量と余裕が足りない気がするんですよね。
 それはエンディングで同じ歌を歌ったMay Jと較べれば一聴瞭然なんです(4オ
クターブくらい出てたし声量豊か)、もし彼女が「雪の女王」だったら、もっと素晴らし
かったかも。
 まぁ、そうなるとアナの役も釣り合わせないといけなくなりますが。

 相性の悪いディズニー印なので、いろいろ書きましたが、評判通り「ディズニーを
代表する作品の一つ」になると思います。

※創立90周年だか何だか知らないけど「前座」長すぎ。
 (ディズニー・ファンの皆様ゴメンナサイ)
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2 コメント

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Unknown (take51)
2014-04-23 21:44:43
こんばんは!
僕もこの映画は気になっていて、
早く見たい映画の一つです!!(^^♪

というのもオリジナルでアナ役のクリステン・ベルに注目してます!
お気に入りの映画、「バーレスク」にニッキというチョイ役?で
出てました。

「あのニッキが出世して・・」という心境なんです(笑)

声優陣から吹き替えも気になりますが、
まずはオリジナル版ですね!正直、内容は
どうでもいいくらいなんです(笑)

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Unknown (鉦鼓亭)
2014-04-23 22:32:23
 take51さん、いらっしゃいませ!
 コメントありがとうございます

クリステン・ベル>すいません、最近の俳優さんに疎くて。(汗)
wik当たってみましたが、やはり観た作品がありませんでした。
でも、その気持ち解りますよ。
密かに注目してた俳優さんが出世した時の気分。

吹き替え版悪くないのですが、やはり原語版を先に観とくべきだったかな、と少しだけ後悔しています。
ただ、エンディングで掛かるMay Jの「Let It Go」はとても良かったです。
http://video.search.yahoo.co.jp/search?p=may+j+let+it+go&tid=c54dd0e87dae99f0db1f7d4c3339d6e8&ei=UTF-8&rkf=2

絵は「塔の上のラプンツェル」で経験済みなので驚きは無いのですが、流石に綺麗です。
音は・・・、
先月、新しく出来た映画館のウリ、DOLBYATMOSを体験しようと思ったのですが、残念ながら前週で終了していて、通常のデジタルサウンドだったのが残念でした。

作品は、ディズニーアニメの世界ですが、「禁じ手」まで使って従来の作品より変化を付けてるし、良い作品だと思っています。
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