「マンチェスター・バイ・ザ・シー」(「Manchester by the Sea」、2016年、米)
監督 ケネス・ローナガン
脚本 ケネス・ローナガン (第89回アカデミー賞脚本賞)
撮影 ジョディ・リー・ライプス
音楽 レスリー・バーバー
編集 ジェニファー・レイム
出演 ケイシー・アフレック (第89回アカデミー賞主演男優賞)
ミシェル・ウィリアムス
ルーカス・ヘッジズ
カイル・チャンドラー
予告編
https://www.youtube.com/watch?v=FNt4dTsT_Es
ボストン郊外で修理工として働くリー。仕事は誠実だが無口で愛想がなく、
客の評判は悪かった。
そんなリーの元に故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーから兄が倒れたと
の報が届く。
急行するも間に合わず、葬儀の段取りをしていく内に甥パトリックの後見
人に指名されていた事を知る・・・。
酒好きが元で取り返しのつかない過去を持つリー。
短気な性格に自暴自棄も加わり、酒が入るとガン飛ばした、肩ぶつかった
で殴りかかる、殆どチンピラ高校生並みの中年男。
その辺の性格付けは少しやり過ぎと思うけど、自分の過失で全てを失い背
負いきれない自責感に苛まれてる男、いきさつを知る小さな町の住人達の
視線を過剰に感じ取ってしまう感覚。
その辺の描き方、似た喪失感に苛まれる甥パトリックとの関係の推移は丁
寧に作られてると思いました。
只、これ、「ブルーバレンタイン」(‘10)の後日談って雰囲気がある。
勿論、設定は違う。「ブルー・バレンタイン」は双方に原因が有るけど、こち
らはリーにだけ原因があるし、悲劇性はこちらの方が強い。
でも、リーの元妻ランディはM・ウィリアムスだし元夫のC・アフレックが背
の低いライアン・コズリングに見えて来る時がある、作品のポスターも僕は
意図的に似せてると思うし時間軸を前振りなしで前後させる所も似てる、何
より、どんよりしたやるせなさ、救いのない感じが同じ。
だから、どうしても比較してしまいます。
救いのない絶望的作品として30年以上、僕の中に強烈に君臨していた
「ひとりぼっちの青春」(‘69)を抜いた「ブルーバレンタイン」、それと比べて
しまうとね・・・。
終盤、ランディが偶然出会ったリーに謝罪するシーン、M・ウィリアムス唯
一の見せ場(このシーンだけでアカデミー賞ノミネート)で、ランディもまた苦
悩から逃れられない事が明確になる所だけど、ちょっと甘い気がする。
ボルテージが下がり幾らか冷静になった分、多少、客観的になったくらい
で良かったのでは、あくまで、僕基準だけど、僕だったら一生許せないと思
う。(リーが同じ町に居る事自体許せない)
家康に「人の一生は重荷を負うて、遠き道を行くが如し、急ぐべからず」と
いう有名なのがありますが、それより、、重い十字架を背負い鞭打たれなが
らゴルゴダの丘へ登ってくイエス(そんな聖人じゃないけど)を見てる、そん
な感じの作品。
絶望度で較べれば「ひとりぼっちの青春」>「ブルーバレンタイン」>>>
「マンチェスター~」で、この作品のラストにはパンドラの箱の底に残った「希
望」を僅かながら感じ取る事が出来ます。
悪くはないけど「ブルーバレンタイン」と重なる部分があり、佳作・秀作の中
間くらいの印象でした。
※マンチェスターが付くからアイルランドの話だと思ってた。(笑)
※M・ウィリアムス、2番目のクレジットだけど出番数えてみたら6シーン(あ
と電話の声だけが1シーン)、時間も合わせて10分ちょっとくらいじゃない
かな。(作品は137分)
※リーも結構優しい所があって、いくら後見人とは言え、盛りの付いた甥っ子
をあっちの彼女、こっちの彼女へ送り迎え、僕だったらブンむくれですよ(笑)。
電動自転車を買い与えて「好きにしろ」と。(甥っ子は「17まで免許を取らな
いという父親との約束を守ってる)
※‘09に英エンパイア誌が選んだ鬱映画オールタイム・ベスト10
1位「レクイエム・フォー・ドリーム」(‘00)、2「ひとりぼっちの青春」(‘69)、
3「リービング・ラスベガス」(‘95)、4「道」(‘54)、5「21グラム」(‘03)、6
「火垂るの墓」(‘88)、7「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(‘00)、8「冬の光」(
‘62)、9「リリア 4-ever」(‘02)、10「ミリオンダラー・ベイビー」(‘04)
H29.6.3
恵比寿ガーデンシネマ
監督 ケネス・ローナガン
脚本 ケネス・ローナガン (第89回アカデミー賞脚本賞)
撮影 ジョディ・リー・ライプス
音楽 レスリー・バーバー
編集 ジェニファー・レイム
出演 ケイシー・アフレック (第89回アカデミー賞主演男優賞)
ミシェル・ウィリアムス
ルーカス・ヘッジズ
カイル・チャンドラー
予告編
https://www.youtube.com/watch?v=FNt4dTsT_Es
ボストン郊外で修理工として働くリー。仕事は誠実だが無口で愛想がなく、
客の評判は悪かった。
そんなリーの元に故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーから兄が倒れたと
の報が届く。
急行するも間に合わず、葬儀の段取りをしていく内に甥パトリックの後見
人に指名されていた事を知る・・・。
酒好きが元で取り返しのつかない過去を持つリー。
短気な性格に自暴自棄も加わり、酒が入るとガン飛ばした、肩ぶつかった
で殴りかかる、殆どチンピラ高校生並みの中年男。
その辺の性格付けは少しやり過ぎと思うけど、自分の過失で全てを失い背
負いきれない自責感に苛まれてる男、いきさつを知る小さな町の住人達の
視線を過剰に感じ取ってしまう感覚。
その辺の描き方、似た喪失感に苛まれる甥パトリックとの関係の推移は丁
寧に作られてると思いました。
只、これ、「ブルーバレンタイン」(‘10)の後日談って雰囲気がある。
勿論、設定は違う。「ブルー・バレンタイン」は双方に原因が有るけど、こち
らはリーにだけ原因があるし、悲劇性はこちらの方が強い。
でも、リーの元妻ランディはM・ウィリアムスだし元夫のC・アフレックが背
の低いライアン・コズリングに見えて来る時がある、作品のポスターも僕は
意図的に似せてると思うし時間軸を前振りなしで前後させる所も似てる、何
より、どんよりしたやるせなさ、救いのない感じが同じ。
だから、どうしても比較してしまいます。
救いのない絶望的作品として30年以上、僕の中に強烈に君臨していた
「ひとりぼっちの青春」(‘69)を抜いた「ブルーバレンタイン」、それと比べて
しまうとね・・・。
終盤、ランディが偶然出会ったリーに謝罪するシーン、M・ウィリアムス唯
一の見せ場(このシーンだけでアカデミー賞ノミネート)で、ランディもまた苦
悩から逃れられない事が明確になる所だけど、ちょっと甘い気がする。
ボルテージが下がり幾らか冷静になった分、多少、客観的になったくらい
で良かったのでは、あくまで、僕基準だけど、僕だったら一生許せないと思
う。(リーが同じ町に居る事自体許せない)
家康に「人の一生は重荷を負うて、遠き道を行くが如し、急ぐべからず」と
いう有名なのがありますが、それより、、重い十字架を背負い鞭打たれなが
らゴルゴダの丘へ登ってくイエス(そんな聖人じゃないけど)を見てる、そん
な感じの作品。
絶望度で較べれば「ひとりぼっちの青春」>「ブルーバレンタイン」>>>
「マンチェスター~」で、この作品のラストにはパンドラの箱の底に残った「希
望」を僅かながら感じ取る事が出来ます。
悪くはないけど「ブルーバレンタイン」と重なる部分があり、佳作・秀作の中
間くらいの印象でした。
※マンチェスターが付くからアイルランドの話だと思ってた。(笑)
※M・ウィリアムス、2番目のクレジットだけど出番数えてみたら6シーン(あ
と電話の声だけが1シーン)、時間も合わせて10分ちょっとくらいじゃない
かな。(作品は137分)
※リーも結構優しい所があって、いくら後見人とは言え、盛りの付いた甥っ子
をあっちの彼女、こっちの彼女へ送り迎え、僕だったらブンむくれですよ(笑)。
電動自転車を買い与えて「好きにしろ」と。(甥っ子は「17まで免許を取らな
いという父親との約束を守ってる)
※‘09に英エンパイア誌が選んだ鬱映画オールタイム・ベスト10
1位「レクイエム・フォー・ドリーム」(‘00)、2「ひとりぼっちの青春」(‘69)、
3「リービング・ラスベガス」(‘95)、4「道」(‘54)、5「21グラム」(‘03)、6
「火垂るの墓」(‘88)、7「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(‘00)、8「冬の光」(
‘62)、9「リリア 4-ever」(‘02)、10「ミリオンダラー・ベイビー」(‘04)
H29.6.3
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