セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」

2016-02-15 21:31:15 | 外国映画
 今回の「ファンタジー企画」は、この作品。

 「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」(「OM SHANTI OM」、2007年、印)
   監督 ファラー・カーン
   脚本 ムスタク・シェイク
   撮影 マニカンダン
   音楽 ディジャル・ダドリニー  シェカール・ラビナニ
   出演 シャー・ルク・カーン
       ディーピカー・パードゥコーン
       アルジュン・ラームパール
       シュレーヤス・タラプデー  

 両親とも端役専門で、その息子オームもやっぱり端役専門。
 そんなオームが大スターのシャンティプリア(シャンティ)に大片思い。
 ひょんな事から二人は友人になるが、オームが言った言葉が仇となり二人に悲
劇が訪れる・・・。

 おいおい「輪廻」って、いろいろなのに生まれ変わった後、人間にまた戻るんだろ、
これは輪廻じゃなく只の「生まれ変わり」ってやつ。
 それに、実によくパクッてる、スターに恋する大部屋俳優って古くは「雨に唄えば」、
最近だと「アーティスト」とか沢山有るけど、雰囲気的には’82の松竹映画「蒲田行
進曲」の小夏とヤスに似てて、これが最初の1時間、クライマックスの舞台装置は
完全に「オペラ座の怪人」、ここの歌で状況説明しながら追い詰めていくのは中々
良かったけど、「オペラ座の怪人」、「マスカレード」、「ザ・ポイント・オブ・ノー・リター
ン」のメロディや雰囲気が頭に浮かんでくる。
 他にもスター女優と一晩だけのデートって「ノッティングヒルの恋人」で、やってる
事は「雨に唄えば」(記憶曖昧)。
 話自体は「オペラ座の怪人」の舞台装置で「四谷怪談」という感じかな。
 冷静に見るとオーム君の恋は残念な結果に終わった気がしますが。(笑)

 「マダム・イン・ニューヨーク」、「めぐり逢わせのお弁当」、「女神は二度微笑む」の
ようなインド・ヌーヴェル・ヴァーグ作品ではなく、伝統的なマサラ映画で歌と踊りの
てんこ盛り170分、そしてマサラ映画の定番「復讐劇」。
 ご都合主義と荒唐無稽、整合性無視のおバカミュージカル、おバカファンタジーの
形を取りながらも、終盤の「哀感」は「女神は二度微笑む」ほどではないけど、素直
に感じられてそこがかなり良かった。
 最初の1時間(ツマらなくはないけど、かなりタルくて、これが後2時間続けば拷問
だと思った)さえ乗り切れば、後は段々面白くなってきて観終われば「良かった」に変
わるのでは。
 ちょっと忍耐も要るけど、面白い作品だと僕は思います。

 役者陣。
 主役でオーム役のシャー・ルク・カーンが欽ちゃんファミリーの小西博之とにしきの
あきらを足して2で割ったような感じで、日本人感覚でいえば太めでスタイルがイマ
イチ、確かインドの大スターなんだけど日本じゃドウダロウ?(脱いだら筋肉マンでは
ある)
 前半、ノレなかったのは彼の顔立ちと’70年代風ギャグのお陰。(前半部は30年
前設定だから、それに合わせたのかなァ)
 ヒロイン シャンティプリア役は新人のディーピカー・パードゥコーン。
 インド映画のヒロインだから美人はデフォだけど、小顔で目が凄く大きい、まるで少
女マンガのヒロインみたい、けれど生身の人間だと、ちょっと人間離れしててまるで
猫のよう。
 有り得ないけど、夜中、ベットで隣に彼女が寝てて寝返り打って目開けたら、彼女
も目開けてこっち見てた、絶対、悲鳴上げてベットから落ちますね、猫娘なんだもん。
(笑)
 その分、印象的といえば印象的かも。

 最後に、この作品、話が終わった後、エンドロールが始まるまでキャスト・スタッフ
の長~い紹介が有るのですが、このオマケ部分が面白く、オチは爆笑ものだから
見逃さないように。
 みんな本物だろうけど最後の二人はホンモノなんだろうか?(笑)
 プロデューサー、40歳過ぎとお見受けしたけど映画女優に負けない美しさ、シュ
リディヴィが49歳であの美貌だから、もう驚きはしないけど、本当にプロデューサー
かいな?と。
 で、次の監督は典型的オバサン、男社会のインドでプロデューサーも監督も女性
ってホントなの?って疑問が、でも監督の名前は確かに女性っぽい。(確認したら
当人でした、プロデューサーはシャー・ルク・カーンの奥様)
 しかしインドって、スタッフまで踊ったり演技しないといけないのだろうか(爆~半
分は踊ってないし撮影監督は撮影用レールに乗って登場してたけど)

 予告編
 https://www.youtube.com/watch?v=VEbPSoNN7F4

 今回のインド美人 ディーピカー・パードゥコーン 
 https://www.youtube.com/watch?v=o-Gmhk90JOE
 これって「雨に唄えば」に似たのが(笑)

※インドの国宝級男優アミターブ・バッチャン 、途中5秒くらい顔出ししてた気が。
 (台詞も一言)
 ここのシーンもそうだけど、受賞パーティのシーンはインド映画のスター大集合
 なのかな、インドの俳優さん知らないから解らないけど。
 一人二人登場する度に主役が一緒に踊るものだから、このシーンの長い事長
 い事、10分以上踊ってたような気がした。(笑)
 https://www.youtube.com/watch?v=VzLG6OqOcn8
※「オーム・シャンティ・オーム」確かに二人のオームとシャンティの話だから、そ
 う取れるけど、古代サンスクリット語の「平和」という古い呪文だとか。(間違って
 たらゴメン)

 H28.2.14
 DVD

※「多分、観ないだろうな」な人に(オマケのキャスト・スタッフ紹介)
  https://www.youtube.com/watch?v=2JtXustLiuk

( 2.17 追記)
※UP後、いろいろ検索してみました。曰く、
 ・「絶世の美女という存在を初確認!」
 ・「何一つ足すものも引くものもない完璧な美女」
 ・「彼女に釘付け、至福の3時間」
 「猫娘」とかホザいてるのは、不肖鉦鼓亭一人だけでした。(汗)
 因みに彼女、本国では「動く彫刻」と言われてるとか。
 
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2 コメント

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最近インド映画がお気に入りですね! (宵乃)
2016-02-16 08:02:31
私もたまに観ているけど、オンエアが増えたからで、それだけインド映画の需要も増えてきたということかも。
こちらはいろんなミュージカル作品のいいとこどり作品でしたか。たくさんのミュージカル作品を知ってる鉦鼓亭さんの目は誤魔化せませんね!
今回もご参加ありがとうございました♪
いらっしゃいませ! (鉦鼓亭)
2016-02-16 15:47:28
宵乃さん、こんにちは
コメントありがとうございます!

何か嵌ってしまいました。(笑)
変に肩肘張らずにリラックスして観れるんですよ。
今の所、6勝1敗の驚くべき好成績。
(今年観た初見8本、現在ベスト3中2本がインド映画で残りがスペイン・コロンビア合作、ハリウッドに少し飽きが来てるのかも)
大概、すこぶる付きの美女がヒロインと言うのも良。(笑)
只、これで気になる作品は全部観ちゃった・・・。
アクションものはパスだし、又、何か探そう。。

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