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大人の迷子たち 岩崎 俊一

2015年03月07日 11時23分09秒 | Books

49編の 読めばクスクスッと心にとどまる短編随筆集である。その中から特に私の心に印象深かった言葉をあげます。

『犬は鳴く。犬は泣かない。』 という編から。  作者があるとき片足の無い犬が散歩しているのに出会った。老人に連れられて,道の端をゆっくりと進んでいる。信号で止まったとき、一瞬犬と目が合った。作者はその目を見て意外に思った。犬の目に卑屈の影が無い。 自分があの境遇になったろどうだろうと。    犬は悲運を嘆く事は無い。身の不自由を言い立てる事も、自暴自棄に陥ることもない。  ソウか犬は絶望しないのだ。 あるがままの状態を受け入れ、ただ淡々と今日をいきているのだ。

『スイカ一個を食べきれる家族がいた幸福。』 今は いくつかに分け切ったスイカを買ってきて家族で食べる。昔は大家族で丸々一個を買ってきてみんなで食べきったものだ。そんなところに昔の幸せを思い出してる。

『人は、20歳に戻りたいか。』 人生で一番辛い年代はいつか。そう問われれば、僕は何の迷いも無く。20代だと答えるだろう。社会人として、まったく未熟な時である。肉親の保護者が出る幕はない。生まれて初めてたつ、一人ぼっちの戦場である。  20台がつらい世の中は、ある意味健全なのかもしれない。問題があるとしたら、50代や60台がつらい世の中ではないか。

『人の正体を知りたければ、ゴルフ場へ行け。』 ゴルフは自分のボールを自分の力で追ってゆく個人技であるし、又4人グループでの他人との競争でもある。他者との比較、評価が出るわけで、ここに大いに個人としての地、というか本性が現れる。 私は上司のまた上の上司の前で、ヘッドアップ宜しく2度続けて空振り! 更に コースでは5番アイアンでちびちびと。 なるほど自分で思ってい自分の姿がありありと現れていると思った。

作者歯コピーライターとして名を成した人。コピーライターとはウィットにとんだ言葉をいつも考えてそれで職業としている。なるほど49編、それぞれ普段は思いつかない視野からの感性が現されてて面白い。


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