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三陸海岸 大津波

2012年09月10日 19時12分56秒 | Books

   三陸海岸 大津波         吉村 昭

先日 気仙沼の被災地を見てきました。 昨年の石巻、女川と同じく 海岸地帯はほとんどまったくといってよいくらい 更地でした。新しい建物、住宅は立っていません。 ただ 昨年との違いは 瓦礫が随分片付けられているように思いました。 海岸線周囲は地盤沈下が激しく、道路は かさ上げされて整備されていますが、 宅地、工場地は沈下のままで、道路に合わすなら全面に盛り土をしなくてはならないようです。その沈下した土地には 水が溜まって不衛生です。 まだまだ復興とは言い切れない状況で、気持ちが落ち込んできます。昼食は 集合プレハブ食堂で、節電の為か、クーラーも入れずとても暑かった。そんな仲でも、夫婦の方々や、親子の方々、懸命に頑張っておられる様子が我々にも伝わってきました。

 吉村さんは、実際に三陸で地震、津波を経験されたわけではなく、三陸を旅行中ある婦人から津波の様子を聞かされ、それがきっかけで津波について調べ始めたそうです。  明治29年、昭和8年、昭和35年と、そして平成23とこの100年余りの間に、実に4回の大津波を経験してきたことになる。明治29年の時は被害も今回よりも酷かったようで、当時の人口密度は現在より少なかっただろうが、死者の数は今回より遥かに多いです。本当に、壊滅という言葉が当てはまるような状況から、そのたびにその土地を捨てず、去らずに蘇らせてきた先人の人たちのすごさを思わずにはいられない。 いや却ってそのような先祖代々維持してきた土地だからこそ、その土地を捨て切れない、守り続けたく思うのだろうか。

この本を読みながら、災害を受け生き残った人々の、経験談が数多く紹介されている。あっという間に、目の前で親兄弟を失い、孤児になってしまった話などがある。

ひとの命は何なのだろう。落ち葉のごとく軽んざれてしまう。大自然にとっては、落ち葉も 人の命も境は無いのかな。

 三陸の人たちは、この苦渋の中で、それに負けずに今日まで頑張ってきたのだと思い、頭が下がります。