東北大加齢医学研究所の川島隆太教授らのグループが、子どもの脳を調べたところ、親子で会話をする時間が長かった子どもほど、「試験の成績が高かった」と発表。しかし、「察しの悪いフリをする」ことも必要なのです。一体どういうこと?
「親子の会話は大切」とは、どの親御さんもわかっていることかと思いますが、一体、1日にどれほどの会話がされているのでしょう。内閣府が発表した「平成25年版子ども・若者白書(全体版)」を見てみました。
同資料によると、18歳未満の子どもと父親との会話時間は、1週間で4時間以下が最も多く31.8%をしめました。その後は、10~19時間(20.5%)、5~9時間(18.7%)と続いています。
一方の母親は、10~19時間が20.1%と最も多く、次いで、20~29時間(16.5%)、5~9時間(13.5%)となっています。
この数字を見ていると、子どもと接する時間の長い母親の方が、父親よりも会話時間が長いことがわかりますね。母親の約半数が、子どもたちと1日1~4時間程度の会話をしています。
以前、東北大加齢医学研究所の川島隆太教授らのグループが、仙台市内に住む5~18歳の子供262人の脳を調べたところ、親子で会話をする時間が長かった子どもほど、「言語の理解能力が発達し、試験の成績も高かった」という結果を発表しています。
こういった研究結果からも、親子の会話の大切さがうかがえます。
では、何でもかんでも会話をすれば良いのかと言えば……、実はそうではありません。というのも、その状況次第では、“あえて”距離をおくことも必要。
このように、「察しの悪いフリをする」ことが大切と語るのは、つくば言語技術教育研究所所長・三森ゆりかさんです。会話が大切なはずなのに、察しが悪いフリをしなければいけないって、一体どういうことでしょう……。
三井さんのこの提案は、日本サッカー協会(JFA)の作った冊子『めざせ!ベストサポーター』に掲載されています。
この冊子は、日本サッカー協会のミッション「2050年までに日本でワールドカップを開催し優勝すること」を達成するために、今の子どもたちの育成を考えたもの。
一見、察しが悪いように見えますが、これが子どもにとって考える力を伸ばすことに。会話の量を増やすべく、アレコレと話しかけるのではなく、きちんと子どもが理論的に考える時間を与える必要があるのです。
同じように、K.I.T虎ノ門大学院教授で書籍『親と子の「伝える技術」』の著者・三谷宏治さんも、親子とのコミュニケーションについて研究されています。
同書のなかで、最近の子どもの傾向として、質問に対して、「何となく」「知らない」「わからない」「ビミョー」などといった曖昧な返答が見られるようになっているとのこと。
これが習慣化すると、物事を掘り下げて考えることを放棄してしまいます。
もし、このような態度を取るようになってしまったら、「それを許さない!!」という毅然とした態度をとるべきと三谷さんはアドバイスしています。
「子どもの言葉は、印象を語っただけで終わってしまったり、感覚的な言葉だけで伝えようとしたり、オノマトペ(擬音語)だけですべてを語ろうとしたりすることが多いものです。
《中略》印象の中身を掘り下げて考えたり、音で表現した中身を具体的な言葉で言い換えたりすることができるようになると、さまざまな場面で必要に応じて自分の感覚や印象を具体的な言葉で表現する能力が身につくでしょう」
出典『親と子の「伝える技術」』
子どもが述べたことに対して、「なぜ?」「どうして?」と問いかけるのは効果的。その問いかけが日常的に行えると、子どもは問われなくても、理由を考え話すようになるのです。
そうやって論理的に物事を考えることに慣れていくのです。
親子での会話は大切ですが、なんでもかんでも親がリードするような会話ではだめ。きちんと子どもが自分で考えて、自分の言葉で表現するような機会をつくる必要があるのです。
いま一度、親子の会話について考えてみませんか?
「親子の会話は大切」とは、どの親御さんもわかっていることかと思いますが、一体、1日にどれほどの会話がされているのでしょう。内閣府が発表した「平成25年版子ども・若者白書(全体版)」を見てみました。
同資料によると、18歳未満の子どもと父親との会話時間は、1週間で4時間以下が最も多く31.8%をしめました。その後は、10~19時間(20.5%)、5~9時間(18.7%)と続いています。
一方の母親は、10~19時間が20.1%と最も多く、次いで、20~29時間(16.5%)、5~9時間(13.5%)となっています。
この数字を見ていると、子どもと接する時間の長い母親の方が、父親よりも会話時間が長いことがわかりますね。母親の約半数が、子どもたちと1日1~4時間程度の会話をしています。
以前、東北大加齢医学研究所の川島隆太教授らのグループが、仙台市内に住む5~18歳の子供262人の脳を調べたところ、親子で会話をする時間が長かった子どもほど、「言語の理解能力が発達し、試験の成績も高かった」という結果を発表しています。
こういった研究結果からも、親子の会話の大切さがうかがえます。
では、何でもかんでも会話をすれば良いのかと言えば……、実はそうではありません。というのも、その状況次第では、“あえて”距離をおくことも必要。
このように、「察しの悪いフリをする」ことが大切と語るのは、つくば言語技術教育研究所所長・三森ゆりかさんです。会話が大切なはずなのに、察しが悪いフリをしなければいけないって、一体どういうことでしょう……。
三井さんのこの提案は、日本サッカー協会(JFA)の作った冊子『めざせ!ベストサポーター』に掲載されています。
この冊子は、日本サッカー協会のミッション「2050年までに日本でワールドカップを開催し優勝すること」を達成するために、今の子どもたちの育成を考えたもの。
一見、察しが悪いように見えますが、これが子どもにとって考える力を伸ばすことに。会話の量を増やすべく、アレコレと話しかけるのではなく、きちんと子どもが理論的に考える時間を与える必要があるのです。
同じように、K.I.T虎ノ門大学院教授で書籍『親と子の「伝える技術」』の著者・三谷宏治さんも、親子とのコミュニケーションについて研究されています。
同書のなかで、最近の子どもの傾向として、質問に対して、「何となく」「知らない」「わからない」「ビミョー」などといった曖昧な返答が見られるようになっているとのこと。
これが習慣化すると、物事を掘り下げて考えることを放棄してしまいます。
もし、このような態度を取るようになってしまったら、「それを許さない!!」という毅然とした態度をとるべきと三谷さんはアドバイスしています。
「子どもの言葉は、印象を語っただけで終わってしまったり、感覚的な言葉だけで伝えようとしたり、オノマトペ(擬音語)だけですべてを語ろうとしたりすることが多いものです。
《中略》印象の中身を掘り下げて考えたり、音で表現した中身を具体的な言葉で言い換えたりすることができるようになると、さまざまな場面で必要に応じて自分の感覚や印象を具体的な言葉で表現する能力が身につくでしょう」
出典『親と子の「伝える技術」』
子どもが述べたことに対して、「なぜ?」「どうして?」と問いかけるのは効果的。その問いかけが日常的に行えると、子どもは問われなくても、理由を考え話すようになるのです。
そうやって論理的に物事を考えることに慣れていくのです。
親子での会話は大切ですが、なんでもかんでも親がリードするような会話ではだめ。きちんと子どもが自分で考えて、自分の言葉で表現するような機会をつくる必要があるのです。
いま一度、親子の会話について考えてみませんか?